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第二章:本格的な取り組みへ

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 山田と戦り合った日から一週間後、今度は飲み会に集まった時、話に乗ってきた2人も一緒だ。

「この前は二人で戦り合ったそうじゃないか?」

4人で席に着くと、向かいに座った大柄な男、中島が切り出してきた。

「ああ、結果は俺の負け越しだったがな」

「ははは、あの時はな!でも、あの後、発売したてのエキスパション買ったからな。お互いに
結構変わってると思うぜ?」

 発売したてのエキスパションというのはカードセット『時のらせん』である。
マジック・ザ・ギャザリングには複数の種類のカードセットがあり、こういったカードセットが
年に何回か発売される。
当時、俺たちがプレイしてた環境は、『テンペスト』から前後2~3セットあたりであり、
『時のらせん』はそれから大分経ってから出たエキスパションになる。

「山田の打ち消しにはうんざりしたからな。新しく出たキーワード能力の刹那を早速取り入れ
させてもらったよ」

「あの能力は良くないな。実に良くない。打ち消しを何だと思ってやがるんだ!ってゆうか
俺のデッキ内容バラすなよwww」

そんなやり取りをしながらデッキを準備し始めた。

「さて、早速だがやろうぜ!」

 山田の声を合図に俺達は勝負を開始した。
戦いの組み合わせは、俺が向かいに座った中島。山田はもう一人の男、浦沢。

「さて、どんなデッキが出くるやら?」

俺が探る様に言うと中島は、

「ふふふ、俺は当時、仲間内ではそれなりにガチガチに組んだデッキを使っていたよ?」

意外と強気に返された。

(こいつがそう言う以上、それなりに厄介なのが飛び出しそうだな・・・)

お互いにダイスを振る。俺は5、中島は3だった。

「それは楽しみだな。では先行で逃げさせて貰うかな?沼をセット、「暗黒の儀式」、生まれた
マナで「ダウスィの殺害者」「冥界の裏切り者」をプレイ。「冥界の裏切り者」で攻撃をして
エンド」

「うお、速攻か・・・」

キーワード能力、速攻。速攻を持つクリーチャは召喚酔いの影響を受けない。

「やな感じだな。とりあえずドロー。森をセットして「極楽鳥」を召喚してエンド」

「出たな。是非焼き鳥にしたいところだ・・・」


「極楽鳥」。このクリーチャはタップをすることで好きな色のマナを1生む事ができる。
多色のデッキなら望みの土地が来なくても、コイツがいるだけで助かる展開は多い。
そうでなくとも、土地以外からマナを生めるという事は、純粋に展開を早める。
しかし、それ故に真っ先に狙われることも多いわけだが・・・

「しかし、残念だが焼けないなぁ」

実際、クリーチャ除去カードは持っていなかった。しかし、敢えてこう言った事により深読み
してもらえれば・・・
俺は沼をセットし、攻撃をしてからターンを終了した。

「ドロー。お、良い引きだな。沼をセットして、沼と森タップ、「適者生存」をプレイ」

・・・・雲行きが怪しくなってきた。



「適者生存」。これはエンチャントで、緑1マナ払うとともにクリーチャカードを捨てる事で、
デッキ内から好きなクリーチャを持ってきて手札に加えることができる。
墓地に置く、好きなクリーチャを手札に持ってくるという動きを同時に行う為、それを利用して
展開を加速させる。

(あれが出た、ということは墓地利用のデッキであることは明確。しかも、当時でガチガチ
と言ってたな・・・。nWo?沼が出たということは、サバイバル?まずいか・・・?)

中島はその後、何もせずターンを終えた。

(まずいな、いや、せめて除去を引きたい・・・)

「ドロー。・・・沼をセット。「冥界の裏切り者」をプレイし4匹でアタック。エンドだ」

引いてきたのは「冥界の裏切り者」だった。そして・・・

「じゃあ、エンド前に「極楽鳥」のマナから「適者生存」を起動。捨てるのは「怒りの天使
アクローマ」で、「根の壁」を手札に加える。んで、俺のターンだな~」

 中島が不敵そうに笑った。
「適者生存」がプレイされた時点で「極楽鳥」が除去されなかった事から、俺の手札に除去がない事
を確信したのだろう。
さらに言えば、中島が手札から捨てたクリーチャカードの性能。それも一因しているかもしれない。

「ドローして「宝石鉱山」をセット。黒1他2マナ生んで、「繰り返す悪夢」をプレイ」

「ナイトメア・サバイバルの方か!?」

 当時、「適者生存」(Survival of the Fittest )を主軸とするサバイバル系のデッキがいくつか
存在し、その中でも「繰り返す悪夢」(Recurring Nightmare )を使用するナイトメア・サバイバル
と、生ける屍(Living Death)を使用した、サバイバル・デスが大規模な大会でも名を残していた。
どちらにしろ強力であることは変わりがないが、こちらの使用している「冥界の裏切り者」の特性上
、サバイバル・デスの方であった方が幾分かマシだったかもしれない。

「基本的にはコントロールデッキなんだが、今回に至ってはこのまま殴り殺す方向で♪」

 「繰り返す悪夢」はソーサリータイミングでのみ能力を使用できるエンチャントであり、その能力は
、クリーチャーを1体生け贄に捧げ、繰り返す悪夢を自分の手札に戻す事により、自分の墓地にある
クリーチャー1匹を対象とし、それを場に出すというもの。
これにより、マナを生み、タップ状態の「極楽鳥」を生贄に捧げ、「怒りの天使アクローマ」が
場に現れた。

(またしても、強力クリーチャ一体に苦しめられる展開になるとはな・・・)

9, 8

  



「怒りの天使アクローマ」はマジック最多のキーワード能力を持つと言われているクリーチャだ。
飛行、先制攻撃、警戒、トランプル、速攻、プロテクション黒、赤と、7つもの優れたキーワード
能力を持ち、自身の性能も攻撃6、タフネス6と大きめであり、非常に強力。
 その強力さ故に、召喚コストは白3無色5と、かなりきつく設定されているが、大抵普通には召喚
されず、墓地から直接場に出すなど、コストを踏み倒すカタチで召喚される事が多い。
今回がまさにその典型であり、開始3ターン目に見事に君臨されてしまった。

「んじゃ、アクローマでアタックしてエンド」

 これで、俺のライフが14、中島が12。このままお互いに動きがなければ、ギリギリ俺の勝利。

(だが、それは恐らくそれは無い・・・)

「怒りの天使アクローマ」は確かに強い。まず、飛行を持っている為、同じ飛行を持つクリーチャや
、到達を持つクリーチャ以外にはブロックされないこと、先制攻撃を持っている為、仮に相手が飛行
クリーチャを持っていたとしても、タフネス6以下は一方的に敗北してしまう。また、警戒は、
攻撃に参加してもタップをしないという能力。これにより、攻撃の隙を突く事も不可能。
速攻を持つ為、出てきたターンから殴りにこれるのも強みだ。
 しかし、それについては、まだ黙認することができた。
幸いな事に、俺が展開しているクリーチャは全てシャドーを持っている。アクローマと言えど、
流石にシャドークリーチャまではブロックする事はできない。
もちろん、シャドーである以上こちらもブロックはできないのだが、あちらは飛行、おまけに
プロテクション黒。黒単色ではそもそもブロックすることはまず無理。
ならばこそ、最低攻撃を通すことが可能なシャドーは、この状況においては頼もしかった。

(あとは、このドローで悪魔の布告さえ引くことができれば・・・)

「ドロー。・・・全部でアタックしてエンド」

引けなかった。除去自体は引けたが、「恐怖」だった。
後続のクリーチャがプロテクション黒や、被覆を持っていなければ除去自体は可能な為、悪くは無い。
しかし、肝心のアクローマが除去できなくては・・・

(対変異種用に「突然の死」を含め除去はかなり増やしたんだが、これではまるで意味が無いな)

「「悪魔の布告」は引けなかったようだね?これは勝ってしまうよ?ドロー、セットランド平地、
そして「スパイクの飼育係」をプレイ」

「・・・やはりか」

 デッキの構成上、「スパイクの飼育係」が入っている事は想像し得る事だった。
「スパイクの飼育係」パワー、タフネス共に0のクリーチャだ。その代わり、攻撃とタフネスに
+1修正を加えるカウンターが二個乗った状態で場に出る。
それだけでは、単に2/2のクリーチャというイメージしかないが、こいつは、自身の+1カウンター
を他のクリーチャに乗せ変えたり、カウンター自体を取り除く事で、プレイヤーのライフを回復
することができる。この回復はマナを支払わずに行える。つまり・・・

「まあ、わかると思うけど、「繰り返す悪夢」で使いまわすから、毎ターンライフが4回復すると
思ってね?」

「サディストめ・・・」

「あれれ?まだやる気?まあ遊○王期待しちゃってもいいけどね~。まあ、一応追い詰めてみようか。

「極楽鳥」召喚で」

「それに「恐怖」」

「お~、これで「悪魔の布告」引いてくればまだチャンスあるかもねぇ?」

(当然、除去の存在は読んでいる、って顔だな。だが、それ以外にもまだ方法はあるぞ・・・)

 例えアクローマを除去できたとしても、「繰り返す悪夢」がある以上いずれ、また復活してくる
だろう。だからこそ早く決めなければいけない。
しかし・・・

「まあアタックしてエンド。どうぞ?」


「ドロー!・・・チィッッ!!」

(ここで土地か!)

「ハッハッハ!残念無念!」

俺の狙いは「突然の俗化」と「悪魔の布告」合計で7枚積んでいた為、引いてくる確率はそこそこ
あった。しかし引くことはできなかった。

(しかし、コイツ・・・、対戦の時だけ性格変わりすぎじゃないか・・・?)

サディスティックな笑みを浮かべる中島を軽く睨む。

「投了だよ」

俺は大きくため息をついた。


「隣はまだやってるようだな・・・」

ちらりと見た感じでは、山田がメガパーミッションで、対する温和そうな男、荒木はリアニメイト
(墓地利用)か?
相手がメガパーな以上、長期戦は免れないかもしれない。

「仕方がない、もう一戦やろうか?」

俺が尋ねると、中島はOKサインを出してきた。

「今度は別のデッキでやろう。そっちは何か他にあるか?」

俺は少し考えた。例の白デッキしか無いからだ。

「・・・まあ、気が進まないが一応ある」

「OK。それでいこう」

お互いにバッグから別のデッキケースを取り出し、準備を始める。
シャッフル時、中島がカードを弾いてしまい、カードの中身が見えてしまった。

「平地?白か?」

「クク・・・、どうだろうねぇ?」

どうやらもうスイッチが入ってるらしい。
どうやってるのか知らないが、顔に影が落ちている・・・

「もう十分だろう、ダイスを振るぞ」

お互いにダイスを振る。俺が5、中島が4.ギリギリ勝ちか。

「平地をセット、エンド」

1マナで出るものは無かったが、手札はまあまあだ。
そして中島のターン。

「ドロー・・・、これはイイ、イイぞ・・・。平地をセット。「不屈の部族」をプレイしてエンドだ」

「1/1のクリーチャか?」

(速攻型のビートダウン・・・だったらあのクリーチャは無いか。確かに焼き難いクリーチャでは
あるが、何らかのコンボパーツか?)

 「不屈の部族」は、手札を捨てることでタフネスを+4する能力を持っている。
その為、通常の火力で焼くことは難しい。

「ドローして平地をセット、「白の防御円」をプレイ。エンド」

「エンド・・・、エンドか。確かにエンドかもな?」

「・・・?」

「ドローして山をセット。「不屈の部族」でアタック」

「ん、まあ通すしかない」

「そうか、通すか。ならば「回れ右」、だ。そしてその直前に「不屈の部族」の能力を起動。
手札を5枚捨てる」

・・・ん?まさか・・・

「この結果タフネスは21になるが、「回れ右」の効果で攻撃とタフネスは入れ替わる。つまり
。今は21/1のクリーチャというわけだ」

なん・・・だと・・・?


11, 10

  



「ククク・・・、2ターンキルだ。お疲れ・・・」

(・・・アレもほとんど地雷じゃないか)

 文字通り2ターンで敗北してしまった。5分も経ってない・・・
隣では、まだ山田たちの勝負が続いていた。

「・・・もう一戦やろう」

「OK!OK!俺はこのまま行かせてもらおうか?」

俺は少し考え、デッキを変更することにした。

「・・・いいだろう。俺はさっきのに変えさせてもらおう」

そしてシャッフルを開始した。

「そうかそうか、除去だよなぁ?」

「まあな。あんな初見殺しはもう喰らわないぞ?」

俺の返答に、中島が失笑した。

(し、神経を逆撫でするのが上手いな、中島・・・!)

ダイスを振る。今度は俺の負け。

「それでは俺から始めるぞ?」

「待て、俺はマリガンをする」

 マリガンとは、ゲーム開始時に引いた7枚の手札が、あまりに酷かったりする場合行う行動。
引いたカードをデッキに戻し、シャッフル。その後、6枚引き直すことが出来る。
ルールにより多少異なる部分は有るが、基本的にはマリガンを行った回数分だけ初手の枚数が減る。
 俺はシャッフル後、改めて6枚引いた。

「・・・良くは無い、が、まあいいだろう」

「じゃあ俺は平地をセット。「不屈の部族」をプレイしてエンド」

 先ほどの悪夢が蘇る。

「沼をセット、エンド」

1マナで出来る除去は限られてくる。黒であればなお更だ。
この場合、セオリーでは「強迫」というカードで相手の手札から危険カード(この場合は「回れ右」)
を落とすのだが、「強迫」を所持していなかった為、他の手段に出るしかなかった。

(次のターン、もし例のコンボをやってくるのであれば、「暗黒の儀式」経由から「恐怖」か
「悪魔の布告」を打ち込む・・・)

そして中島のターン。

「ドロー。セットランド山で、「Benevolent Bodyguard 」をプレイ」

「英語か、まあ今1/1クリーチャに気を裂くつもりは無いな」

「ククク、そうか、認めたな?」

「ああ・・・」

(これで布告の方はつかえな・・・!? 馬鹿か俺は!せめて能力くらい見るべきだ!)

「気付いたようだが、とても遅い!残念!「不屈の部族」でアタック!」

「Benevolent Bodyguard 」。日本語名称「心優しきボディガード」。その能力は、自身を生贄に
捧げる事で、対象のクリーチャに好きな色のプロテクションを与えるというもの。
つまり・・・

「俺が「恐怖」を使えばプロテクションを与え、「悪魔の布告」を使えば対象をボディーガード
にする、か。手詰まりだな・・・」

手札の除去が、せめて「突然の死」であれば状況は変わったのだが・・・

「手札は全部捨てる。まあ、今回は即死じゃない。残り3残ったじゃないか?」

そう言って、例の影の有る笑みを作る。
残り3。火力を引かれた瞬間に死ぬ数字だ。
俺のクリーチャがシャドーで構成されているのも仇となった。目下2体までは除去可能だが、中島が
引くカードがクリーチャであれ、火力であれ死に繋がる。

(とはいえ、これは俺の完全なプレイングミス。ブランクはこうゆう部分でも現れるか・・・)

中島はそのままターンエンド。
俺はその後のターンで沼をセットし、とりあえず「不屈の部族」を除去し、エンド。

「じゃあ、俺のターン、ドロー!・・・ハハハ!遊○王!さらば「稲妻の螺旋」」

(「稲妻の螺旋」優秀な火力だな・・・)

今度は3ターンキル。相手の手札が良かったとはいえ、情けない結果になってしまった。


 その後、山田達の戦いも終わったようで(山田が勝ったようだ)、組み合わせを変えることに
なった。

「荒木、山田のデッキはどうだった?」

「どうだったも何も、キーカードが一通り打ち消された後は消化試合に近かったよ・・・」

墓地利用はほぼ通らなかったらしい。

「荒木とは昔やったことがあるが、当時とは違うデッキを使ってるようだな?」

「まあな、緑単色エルフだったから、あの白はどうしようも無かったが・・・」

 荒木は、この面子の中で唯一、以前に戦ったことのある男だ。
クリーチャで殴り殺すのが好きらしく、搦め手は少ない。そのせいか、俺の白単とはかなり相性が
良くなかった。
しかし、今回は墓地を利用して大型クリーチャを出すタイプ。瞬間的な火力はこれまでとは比に
ならない。
 俺は、改造予定である白単ではなるべくやりたくなかった為、黒単で勝負することにした。

そして6ターン後。

「投了で。「要塞の監視者」強えぇなぁ・・・」

「まあ、かなり優秀な部類ではあると思うよ。入れた理由は単にシャドーだったからだがな」

 試合は比較的早く決着がついた。暗黒の儀式経由で「要塞の監視者」を高速で出したた為、対処が
間に合わず、試合終了。
「要塞の監視者」はシャドーに加え、飛行を持ち、さらには自身の強化、シャドー以外の弱体化など、
早急に対処しなければ、ゲームが終わる。
荒木のデッキには一応は除去が入っていたようだが、数自体は少なく、引けなかったらしい。
あるいは、最後に出てきた悲哀の化身を利用する戦略だったのかもしれない。

「デッキを変えるから、もう一勝負しないか?」

隣を見る、中島はニヤニヤしながらデッキをシャッフルしている。

(例の即死コンボを食らったようだな・・・)

山田はイマイチ実感がわかない、という顔をしてデッキをシャッフルしていた。

「隣ももう一戦やるようだし、やろうか?」

そう言って、俺はそのままデッキをシャッフルし始めた。

「あ、そのままなんだ。俺はソレ、第一印象最悪なんだが・・・」

・・・まあ、シャドーが嫌いな人間は多い。

「まあそう言うな。決して強いデッキじゃないんだしな」

お互いにシャッフルを終え、ダイスを振る。

「よし、俺の勝ちだな。じゃあカードを見ます・・・OK、やるよ」

俺もカードを確認する。

(悪くないな・・・)

土地x3、「暗黒の儀式」、「ダウスィーの匪賊」、「恐怖」、「ダウスィーの殺害者」。
これだけ有れば開始としては申し分ない。

「俺もOKだよ。どうぞ」

「じゃあ、セットランド森、「極楽鳥」を出してエンド」

「ドロー、セットランド沼、「暗黒の儀式」をプレイ、そのマナで「ダウスィの匪賊」をプレイ
してエンド」

「うわ、来たよ・・・。ドロー、セットランド山。「猿人の指導霊」をゲーム除外して赤マナ
、鳥で白マナ生んで、フルタップ、「アカデミーの学長」をプレイ」

「・・・なんだろう、これまで、他の二人とやった時に感じたのと同じ嫌な予感が・・・」

「アカデミーの学長」は自身が場から墓地に落ちたとき、ゲームから除外することで、デッキ内から
エンチャントを1枚探し、直接場に出す能力を持っている。
これは、かなり優秀な能力である。何故ならば、エンチャントには1枚でゲームを決め兼ねないもの
が複数存在しているからだ。山田の性格上、恐らくは・・・

「スニークアタックか・・・」

「ご名答、あとは博打だな?」

爽やかな笑顔とは裏腹に、やってることは豪快かつ、強引である。

(学長相手では、むしろ除去が相手を助けてしまう・・・どうする?)

俺は、次のターン、土地をセットし、匪賊で殴り、次に備えた。

(使える除去は「恐怖」1枚。願わくば飛び出すクリーチャが1体であることを・・・)

しかし、願いは無視された。

「ドロー、セットランド「高級市場」、「高級市場」の能力で学長を落とすよ?」

「始まってしまったか・・・」

「高級市場」はタップすると、クリーチャを生贄に捧げ、1点回復する能力がある。

「ふふふ、じゃあ1点回復して、学長をゲーム除外、持ってくるのはもちろん「騙まし討ち」」

「騙まし討ち」、赤1マナ手で札にあるクリーチャーを1枚、速攻を持たせて場に出す。
ターン終了時に、そのクリーチャーを生け贄に捧げる必要があるが、大きなデメリットではない。

「じゃあ、鳥と山で赤2マナ出して、「セラのアバター」と「ドラゴンの暴君」を出します」

「な・・・・!?」

「アタックー!」

「セラのアバター」の攻撃、タフネスはプレイヤーのライフと同量。つまり「高級市場」での回復
をあわせて18/18。もう一方の「ドラゴンの暴君」は6/6のクリーチャ。
「恐怖」で潰すなら当然「セラのアバター」になるが、「ドラゴンの暴君」は二段攻撃という
キーワード能力を持つ。これは先制して相手にダメージを与える先制攻撃と、通常の攻撃を行う
能力であり、ようするに6×2=12ダメージを与えてくることになる。

(これは厳しい・・・)

 俺は、とりあえず「セラのアバター」に恐怖を打ち込んだ・・・

 この後、粘ろうとする俺に対し、荒木はしっかりと強力クリーチャを叩き込んでゲーム終了。
この日の俺の戦績は山田に2-0、中島に0-3、荒木に1-1となった。
山田に勝てたのは、たんに対策を練ったからだ。実質は負け越し。

(これは・・・本格的にデッキを組まなければな・・・)



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