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あとがき

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 こんにちは。秋冬です。「黄昏スーサイド」完結しました。お疲れ様です。
 長かったです。更新遅くて本当すみませんでした。
 えー、今回はですね。暗い話と銘打ってますけど、書き出した頃に決めていた事が幾つかありました。
 で、それがどんなものかと言うと。



・自分が思う限りの中二病を書く。
・登場人物は基本作中で精神的な成長とかはしない。(山田太郎は例外)
・季節感とか時間的な流れの要素をなく書く。



 と言う感じに決めてました。そういう訳でプロローグで「これは中二病です」と言うノリで思い切り書いたんですが、後になってレビュースレで取り上げられたとき、そのプロローグがめちゃダメと言われてたのでやらなきゃよかった、とかちょっと思いもしました。
 まぁ、でも基本この話はそういう中二病的な発想が大本です。中二病ってちょっと嘲笑の対象のようなイメージがあるんですが、僕自身は「でもそういう発想持ってる人も世の中必要だ」と思っているタイプで、どちらかと言うとあんまり自分に縁がなかったので尚更そういう思いもあるのかもしれません。なので実際の中二病に則っているのかは自信ありません。
 次の登場人物は成長しないと言うのはかなり気にしました。よくなにかに開眼して過去の自分を乗り越えるという話はあるんですけど、そんな簡単に開眼しねーよ、と。出来るかよと。なので登場人物たちはあくまで出てきた時から最後までずっと同じ価値観で、その価値観のまま新しい発想を得ていくものにしたいとずっと思ってました。
 例外が山田太郎なんですが、彼に関しても「頑張んないと無理」と言う下地があって、そうする事でやっと新しい発見を見つける事が出来るし、そうしないとやっぱ無理と言う前提があります。
 季節感とかは、とにかく乾いた感じにしたかったのでこうなりました。風情とか、哀愁とかわびさびとかそんなのはいらないかなと。ただ登場人物が喋って、その中に話があるだけのかさっかさしたいものにしたかったです。なんで風は風です。「冬の突き刺すような風」とかねーよ、と。冷たくても風はただの風だと。


「黄昏スーサイド」は元々「落下」が書き終わる頃に「これが終わったら、自分が一番書きたいものを書きたいなぁ」と思ったところから始まりました。
 なんですがいざ書いてみると「俺はなにを書いてるんだ?」と思う事がよくありました。ぶっちゃけもう嫌とかも思いました。なんでこんな話を延々書き続けてるんだろうとか投げようとか思ったんですけど、やっぱり完結しないのは自分の中でも嫌だったし、それよりもやっぱりこの話を書きたいんだよなと言うのが大きかったと思います。
 コメントをくれた方。面白いと言ってくれた方。アドバイスをしてくれた方。好きと言ってくれた方。レビュースレでレビューしてくれた方もそうですし、そうやって応援してもらえた事もすごく助けになりました。ありがとうございます。
 如何だったでしょうか。最後まで読んでもらえたらとても嬉しいです。
 誰かの胸に残ればいいなとおもいます。ありがとうございました。




秋冬
 えー、こっちはですね。ちょっと「黄昏スーサイド」が終わって、その一人反省会でもしようかなと。
 と言うか、なんか色々あったのでちょこちょこ書いていきたいとおもいます。


瀬名春日と黒崎奈菜(小栗冬馬と杏里)


 主人公とヒロイン?と言っていいのか分かりませんがメインの二人です。ぶっちゃけ春日は話が進めば進むほどもうお前必要ねーぞ、と思うほど片言しか喋らない人になっていきました。と言うか元々この話は「全員主人公」と思ってやってたのであんまり彼を目立たせようと言う気はあんまりなかったです。
 奈菜に関してはそれ以上に目立たせる気は元々なくて、ただ主人公と軽いノリで出会って最後に「なんか色々大変そうだねー」みたいな感じに喋るだけの傍観者みたいな感じにしようと思っていたのが、なんでああなったのか自分でもよく分かりません。杏里を出したのがそもそもの間違いだったのかもしれません。
 逆に冬馬がそんな感じになってるんですが、こっちもあんま出す予定はなかったんですが、ふと中盤あたりで「そうだ。冬馬も奈菜とセックスすればいいんだ。どろどろにしちまえばいいんだ」とも思ったんですが、全く話に広がりがなさそうなのでやめました。


ヒッチコックと神楽直子


 この二人を出そうと思ったのは全くの思いつきです。元々「落下」の短編でこのキャラを出してたんですが、なんかあれだけで終わるの勿体無いなぁ、じゃあ、出しちゃえ、と言うノリで出したんですが、どうするかは全く考えてませんでした。ただ、ヒッチコックのおかげで春日がよく喋れたので結果的にはよかったかなと思います。直子を妹にするかどうかはずっと悩んでいて別に必要ないかなーとも思ったんですが、まぁ、いいかと思ってそうしました。だって直子がいないとヒッチコックが話すきっかけがないんだもん。


皆藤崇と桐嶋鶫


 元々この二人は違う話で出てきた二人でした。集団自殺失敗をきっかけに色んな事件に絡ませていったりして、それでも最終的に生き残っちゃったらどう思うんだろう、とか言う事を考えていたんですが、話の中心が丸々ある映画のパクリみたいな内容だと言う事に気がついて没にした経緯があります。そういう訳で今回こっちに出したんですが「黄昏スーサイド」と言うタイトル的には一番それに沿っていたような気もします。
 清春は元々最後隆に電話する予定はありませんでした。崇は結局死ねなくてそのまま絶望しながら生きてくんだ、と言う事にしようと最初は思っていたんですが、暗い話とは言え暗すぎるかなぁ、と思ったのでああいう形にしました。個人的にはそれもよかったかなと思います。鶫が電話したのは優しさみたいなもんですね。


此花怜と麻生茜


 この二人はもうメチャクチャです。まず茜は最初から最後まで書きにくくてしょうがありませんでした。速攻フェイドアウトさせたいと思いましたが、話の展開上無理なので区切り毎に出してましたが本当にもう嫌でした。性格とか云々じゃなくて、部屋に閉じこもってるだけだから書く事がなにもなさ過ぎた。
 最初から対照的な二人と言う事なんですけど、それぞれ人を間接的に殺してしまいます。父親はさておき、和寿と恵子に関してはお互いの責任が半々(いや、怜の方が大きいかもしれないけど)くらいで、どっちかがなかったらそう言う事にはならなかったのかもしれないと言う微妙なバランスで、でもそんなもので殺人って起こるのかもなぁ、と思いながら書いてました。元々これも別のアイディアで、ネット上である一人の男に集団マインドコントロールされて全国で殺人事件が発生する、とか面白そうだ、とか思った事があったんですが、面倒くさそうなので全然形になりませんでした。
 怜に関しては割かし書きやすかった気がするんですが、こっちも後になっていけばいくほど面倒くさかったです。初めからこっちをくっつけようと思っていた筈なんですが、奈菜を出しすぎたせいでやっぱやめとこうかな、とちょっと悩みました。
 で、結局そうやって人を殺してしまった二人だけど、その二人が会ったところでやっぱ理解出来ないと言うのはもう不可抗力だろうと。だって境遇が似ててもそれだけで共感を覚えるわけないし。
 そのほうがなんか切ないし。


須藤清春と渡辺透


 名前は当然最近復活した某バンドのヴォーカルのパクリなんですが、僕が名前をパクった場合、そのキャラは適当だと言う事です。バンドは好きなんですけどね。つーか松本和寿もパクリなんですけどね。名前の通り夢がありません。「背徳のスーサイド」と歌っていました。実はタイトルはこれにも影響を受けています。
 渡辺透ですがこれもまた別の話で出そうとしてたキャラです。
「ノルウェイの森」の部分部分のエピソードとそれに似た境遇の人達を透とヒロインが追いかけていく話ってどうかなぁ、と思ったんですが、よく考えるまでもなく「パクリだし、エピソード追っかけるだけじゃ焼き増しにしかならんじゃねーか」と言う結論に辿り着き即効没りました。考えたヒロインは当然神楽直子とは全然違う感じでしたけど。


山田太郎と相原雫


 いいかー、お前達ー、周りと見比べて自分が不幸だと偉そうに言う前に頑張れ!
 自分が望む幸せを見つけて、一々他人の幸せに目移りすんな!
 と言う事を言いたかっただけです。


来生真耶


 なんか春日と奈菜だけじゃつまらないなと思って出したのがこのキャラです。書く前から出す事は決まっていたし、いないと話が進まなくなる立ち位置なんですが、僕自身もこのキャラがいたから書きやすくなったと思ってます。僕が思う典型的な中二病キャラです。彼は悠々自適に生きていてやってる事も身勝手なんですが、周りはそんな彼に感謝していると言う図式は俗に「性格的にいやらしい」と僕は思うんですがあんまり上手く書けなかったです。
 個人的には春日と真耶とヒッチコックの三人を同時に絡ませたいと思っていたんですが、必要性も必然性もまったくなかったので結局しませんでした。なんか三人の会話面白そうだなぁ、と一人で考えてたんですが。


自殺とか


 スーサイド。と言いながらあんまり主要人物は死にません。元々誰も死ぬ予定はありませんでした。
 僕自身、自殺をする気持ちはある程度までは理解出来るけど、一切共感出来ませんし、生きてるだけでもうなんかいいんじゃないの? とも思うので死ぬ事によって続く話というのにもあんまり興味がなかったです。でもお話的にはやっぱ誰かは死んだ方がいいと思ったので自殺サークルの二人と、直子を自殺させました。直子の場合「なんか死ぬ気なくなった」の一言だけで済ませられるので最後までどうしようかと思っていたんですが、よく考えて、デートしてその後に死なれたらこれはショックでけーと思って死ぬ事にしました。まぁ、他にも色々理由はあります。
 他殺の場合、松本和寿と高井藤吾となるんですがどっちもサブキャラで殺されるために出てきたようなもんですね。
 実際のところ命は重い、と書きましたが、他の登場人物の中には軽いと考えてるキャラもいて、僕もどっちなんだろうね、実際と思うところはあります。でも命は重いよと言われたら頷くと思うし、軽いと言われたら否定する気がします。
 結局生きている人間の話が一番大事だと僕は思います。大事な人が死んでそれがどれだけ悲しくても、生きている自分は生きている誰かに触れていこうよ、と。そういうのは薄情とかではないと思うし、いい事なんじゃないでしょうか。
 あんまり難しい話はしたくありません。


統括


 やっぱり文章を上手く書くのは大事だと。
 新都社の他の作家さん達を読んでしみじみそう思うし、自分の下手さに嫌になります。
 ちょっとその才能俺にくれよ、と思いながら読んでます。
 個人的には作品が投げられるのは悲しいので、そう思う自分はちゃんと完結させようと思って頑張りました。
 また書く事があったら、次はもっといい文章を書きたいです。
66, 65

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