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少年は目醒めた

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いつものように目覚まし時計の音楽でふと目を覚ましたオレは
ボヤっとした気持ちいい意識の中で眠る自分を無理矢理引きずり出した

まだ睡魔のせいで、脳みそはウォーミングアップ出来ておらず、
全然機能していない……それに比例して身体の機能も全然機能していない
瞼は重いし、首は重いし、肩は完全に沈んでいる……

でも、オレは重たい瞼を無理やりこじ開け、重たい首を持ち上げ、肩を浮かせ続ければならない。
そんな苦痛と闘いながらも、温かい蒲団から出て朝食をとらねばならない日課へのめんどくささで
オレはこの日の朝を迎えた。

ふと身体を起こそうとした時……
オレの肩……いや、胸に何か重たいものを俺は感じた……

(何か着替えの服でも置いたのかな?)

そう思い、温かい布団の中から手を出し布団の上に触れてみた……
布団の上にはいつもかぶせてある毛布の感触しかない……
(おかしい……何も置いてねーじゃん)
しかし、よくよく触って見て触覚が芽生えてきたのか……
それとも目が覚めてきたからなのか……

毛布の下に俺は何かが置かれている感じを覚えた……

(本でも読んで寝たのか?)

そう思い、俺は布団の下に手を突っ込んだ……
あのとき、思えばふつうはこっちの方が先だったんだろうが…
無意識のうちにオレはこれから直面する現実に気付かない時間を増やしたかったのかもしれない……

(……?何?これ?)

想像していなかった感触にオレは一瞬戸惑った……
やわらかいのだ……

(やわからかい……なんか……オレがずっと憧れてたような感触……
 ん……なんかオレの胸を触ってるような気が………?
 ………!?これっ……オレの胸だよな?あれ?あれ?)

驚きでオレは身を起こし、布団を両手でがばりとまくりあげ、
自分の胸を見つめた……

そこにはいつもの板のように平坦ないつものオレの胸は無く、
明らかに二つの神秘が左右にぶら下がった胸があった……

(ええ?ええっ!?何これ?)

オレは無意識の内に神秘の片割れを左手でもんだ……
神秘がればもむというオレの本能が働いたのか……
童貞のオレはもんだことのない柔らかい気持ちいい感触に襲われる……

「んっ……ぁっ」

(やっ……やべぇ……胸をもんで手は気持ちいいし、
 何より下半身が気持ち良くなってきた……なんという一石ニ鳥……こりゃ、朝勃ち決定だな……)

そう思い、マスでも掻こうと思ったのかオレは右手をいつもの股間に突っ込んだ……
股間を触る時に感じるチリ毛の感触………ここまではいつも通りだった……
だが、股間に聳え立つオレの※357マグナムの肉々しい感触がないっ……

(!?………オレの357マグナムはどこだっ!?)

※357マグナム……ゲームとかでライフル並の強力な威力を持つ拳銃として登場する巨大な拳銃
          ここではあるものの比喩だが……オレに言わせるなよ


オレは股間をいじくりまわした……
その内に気付いてきた……
オレの股間にいつもの様にいぶら下がっているゴールデンボールズが無いのだ………
オレは手の感触だけで感じている違和感だけでは信じることが出来ず、オレはズボンをずり落とした……

「えっ?ええっ?ええっ!?ええ―――――――――――――――――――――――――――――っっっ!!!!」

そこに広がっていたのはいつも通りの股間はなく、オレがいつもAVでじろじろと見つめ回していた奇跡の割れ目があった………

驚きのあまり、オレは自分でも信じられないぐらいの爆音を腹の底から出した……
その直後か、扉の向こうから聞きなれた足音が聞こえる……
床の鳴り具合……先ずは姉ちゃんか……

「あ~~~~、も~~~うっさいなぁ~~~」
姉は目をこすりながらオレの部屋の扉を開け、オレに不満をぶつけた。
就職活動も終え、大学の論文も既に提出し終わっている姉は毎朝、起きるのが遅い……
気持ち良くスヤスヤ眠っていた時にオレの声で起こされたもんだから、相当いらついたのだろう……
姉はまだオレの変わり果てた姿には気づいていない……
だが、一瞬オレの姿が映ると神速とも言える速さで姉は目をこすっていた目をどけて
瞼をかっと見開いた……

「うわっ!!!誰っ!!あんた!?」
姉はオレの変わり果てた姿を見て、別人だとでも思ったのか
驚いた直後に、右手を口元にあててそのまま後ろにあとずさりした……

「オッ……オレだよ~、姉ちゃ~~~ん!!」
気が付くと、オレの声も女の子の声になっている……
いつも聞いている低い声じゃあなく、どっかの女の子みたいな声になっている……
「オレオレって、オレオレ詐欺には引っ掛からないわよ!」
あっ、そうか……このままだと姉に追い出されかねないと思ったオレは急いで言い直す

「神前辰美!!!16歳!!第弐東亜高等学校2年生!!」

オレオレ詐欺に備えて家族間で決めていた合いことばを言うと、
姉は青ざめた様子でオレの元へと歩み寄った……

「たっ……辰っちゃん!?」
「そうだって言ってんじゃんかよぉ~~」
「えっ?アタシの弟の!?あんた、普通の女の子の顔してんじゃん……」
悟ってはいたが、自分の姿をジロジロ見ている姉にあっさりと言われ余計にオレは焦りで大声をあげた
廊下の階段を上る足音が聞こえる……
床のきしみ具合……息遣い……これは父か……後は軽く小さい足音……これは母だろう
「ウッソ~~~マジかよ!!!!!でも、オレなんだよ!!オレ!!」

姉が開けっ放しにしていた扉から父と母が顔を覗かせた
「おいおい、どうしたんだ?」

姉が驚く前に事情を説明しようとしたのか………
父と母の元に歩み寄った……声はかなり震えていた

「辰っちゃんが……女の子になっちゃったのよぉっ……」

その言葉に父も母も何を言っているのだと言う疑念のオーラを発しながら扉の方からオレの顔を再び覗き込んだ

「何をっ……てっ……えぇっ!?お前……本当に辰美なのかっ!?」
父はオレの顔に完全に驚いていた……目は見知らぬ者を見るような目であった……

「辰っちゃん……ホントに辰っちゃんなの?」
母は口を両手でおさえてオレを見つめた……

「そうだっつってんじゃんかよ~~!」
「声、完全に女の子じゃあないか……」
「辰っちゃんの声じゃないじゃないの……」

父も母も半信半疑だ……目の前の状況が飲み込めていない……
昨日まで男だったハズのオレが女になっているのだから無理もないのだろう……
だが、オレは信じてもらえないフラストレーションと男でなくなってしまったという喪失感と女になってしまったという焦りから……
半泣き状態になっていた

「だからマジだっつってんじゃんかぁ~~~~何で信じてくんねーんだよぉ~~~っ!」
オレは訳の分からない感情を爆発させて、大声で父と母と姉に訴えた……



姉と母は風呂場の脱衣場にオレを連れて行き、オレが本当に女になってしまっているのかを確認した
パジャマ姿だったオレは脱衣のついでに服に着替えようと母の意見もあり、オレの着替えと姉の着替えを持って行った

母と姉に見つめられながらオレはいやいや服を脱ぐ………
「なんか……やだな……母ちゃんと姉ちゃんに見られながらって……」

「何を言っているの!貴方は女になってるんだから、お父さんが見たらセクハラになるじゃあないの!」
オレが状況を考えていないと思ったのか母がオレを叱った
「だってオレ、まだ心は男のままなんだからよォ!女に裸見せるの抵抗あるよ!」
「まあ、何を今さら……アンタ、AVで女の裸ばっか見てる癖に……自分の番となるとコレって…なんて自己中なのかしら」
母がオレに飽きれるようにつぶやく……しかも全然関係ねー話題だし……

「かっ……関係ねーだろーっ!つーか、何で知ってんだよ!」
「あっ、ボロが出たな 貴様」
「あっ、ミスッた……」

下らないやり取りに姉があきれたのか、姉が口を開いた
「まあ分からないでもないけどサ、お母さんの言うことも間違ってないでしょ?」

姉はオレの言うことにも同意しつつも母の注意を聞こうとオレに促した……
「まあ、確かにそうかもしんないけどさ……」
そう言って、オレはパジャマの上着のボタンを外していった……

「うわっ……わっ……ホントに胸あるわねぇ~……」
「腰のくびれもあんじゃん……」

母と姉の目にオレは顔を赤らめる

「ちっとぉ~……二人共オヤジじゃあね~んだから
 んなにジロジロ見んなよ~~……いやらしいなぁ~……」

母と姉はオレの言葉を無視してそのままオレの体を見つめながら話を続けた
「……こりゃ、Dはあるわよね~~~……森下悠里ちゃんみたいねぇ~」
(えっ!?この人、森下悠里知ってるの!?
 つーか、なんで知ってる!?……もしかして、オレのおかずを見た!?)
オレが見つめると、母は上目づかいで睨みつける……
まるで、オレの全てを知っているかのような母のさり気ない一言で胸を槍でつつかれたような気分になりながらも
オレは無言でうつむいた……

姉の胸とオレの胸を見比べる母に姉がちょっと不機嫌になり、
プイッと天井を見つめながらいじけた

「悪かったわね!どうせ、アタシは小さいですよ!」
「じゃあ、下の方も見せてよ」

母の方はオレの気も知らず、若干乗り気でオレにパンツを下げるように命じた……
どうせ文句言っても無視されるか、またオレを不機嫌にさせるような言葉を返されると思ったので
オレはしぶしぶパンツをずらした………

「うわぁ~……完全に女の子ね~……」
「ナニが完全に消失してるね~~……タマタマも……」
「こりゃ、小出す時は完全に女子トイレね~」

(女ってこんなに下ネタ好きな生き物だったっけ?
 何でこんなにジロジロと人の体、見て楽しんでるんだ?)

2, 1

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