第十話 FREE PEACE AND LOVE
葉子は幼い頃から茶道をたしなんでおり、入った高校にはちょうど茶道部があったため、
高三にもなると部長を任されていた。
茶道は別になにかきっかけがあって始めたのではなく、親がなにか部活に入れとうるさいので最も楽そうで、女らしい茶道部に入る事にしたのだ。
楽しかった訳ではないが、心が落ち着くのでやめる気を起こしたりはしなかった。
ある日、部活が終わり葉子が部室で一人で後片付けをしていると突然音も無くふすまが開き、一人の男が入ってきた。
男は、完全に裸だった。
このとき葉子は何故か恐怖を感じない自分自身に驚きを隠せなかった。
そしてさらに驚くべきことにこの男は全裸であるにもかかわらず、正座をし、ふすまを閉め、礼をする等という
茶道の礼儀作法を完璧にこなして見せたのだ。
しかし、勃起したちんぽこだけは、正座をしたり立ち上がったりするたびに激しくベッコベッコ揺れていた。
男はその度に感じているようにも見えた。つか感じてた。透明な液が激しく滴っているのが良い証拠だ。
葉子も彼にお辞儀をする等の作法をして、茶を作る動作に移った。
椀に入った、茶をかき回し、泡が立つ前に止めて相手に差し出す。
葉子が椀をとろうとした時、とっさに男のチンカスだらけの左手が葉子ののばした右手をつかんだ。
葉子はパッと男の顔を見ると、それに見入られたように動きが止まってしまった。
後に明らかになる事だが、その男は寺田だった。
男は葉子の目を見てニヤリと笑うと、葉子がとろうとしていた椀を手に取り、突如精子をぶちまけた。
感動の光景だった。葉子は脳内におかしな分泌液が出て、全身から力が抜けて行くのを確かに感じた。
彼女を完全に別の人間に造りかえてしまった。
葉子は口の右端からよだれをダラダラとたらし、着ていた茶道部の和服を一気に脱ぎ、マンゲをいじりまくった。
寄り合わせて、おかしな形をした毛の塔ができた。
それを見て寺田は、椀に入った精子を自分の亀頭にかけ、ぐちゅぐちゅと、まるで飛行機ゲームのフライトスティックのようにかき回した。ちょっと痛い感じがたまらなそう。
葉子が叫んだ。
「あきょーーー!!!!!」
そんな彼女を尻目に、寺田は表情一つ変えずにきちんと座礼をして、背後にあった小さなふすまを開け、
精子をちろりちろりと垂らしながら出て行った。
明らかに葉子は変わっていた。
マンゲが硬化していた。パンツに穴が開いてしまった。笑った。大爆笑だった。
人生でこれほどまでに笑った事があっただろうか。世の中にこれほど楽しい事があったとは。
葉子は誰もいない壁に向かって礼儀正しく座礼をし、誰もいない書道部から半紙、文鎮、墨汁などの書道に必要な道具一式を、茶道部の部室に持って来た。
彼女はマンゲの先に墨汁をつけて、半紙に文字を書き始めた。
出来上がった。
「ムフムヒムヒミイヒヒムヒ」
そこには
「精子ビーム発射3秒前!」
と、とても威勢のよい字で書かれていた。彼女はその半紙を丸めると、マンゲが立った状態でそのまま外に出て、郵便局のポストを探しに出た。
気付けば時間はすでに深夜1時を回っていた。
誇らしげな顔で街を闊歩した。
郵便ポストだ。葉子はゆっくりとした足取りで近づいた。よく見ると、何か大きな木のようなものがポストの投書口にぶっ刺さっていた。
どう見ても寺田のチンコだった。彼女は駆け寄った。マンゲをチンコにすりつけた。快感だった。
もう書道コンクールに送るつもりだった作品等どうでもよくなった。
彼女は手に持っていた半紙を捨てて、マンゲ擦りに専念した。
「ムヒヒッ!」
出た。