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第二話 『コンビニにて』

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第二話 ~コンビニにて~



ここは深夜のコンビニである。

店員、須藤は菓子パンの棚にパンを補充していると自動ドアの開く音がした。
客が入ってきたようだ。

こちらからは入り口は死角になっていて客の姿は確認できない。

須藤は飲料コーナーの上に掛けられている時計にちらりと目をやった。

既に2時を回っていたが、深夜のコンビニ勤めに慣れている須藤には別に不思
議でもなかった。

この時間はよく若者がビールや菓子などの買出しに来るものだ。

しかし不思議なのはここからであった。何故か自動ドアの作動音が鳴り止まないのだ。

猫か何かかと思い確認する程度に首だけをひょいと覗かせ、驚愕の光景に須藤は唖然とした。

そこにはブリッジのような体勢をした下半身裸の男がペニスを自動ドアに何度も挟めて感じていたのだ。

仰け反っていて顔は確認できないが須藤の目は男の顔よりもとにかく、その男の極太ペニスに釘付けだった。



「お、お客様、困ります!」

須藤がそう言うと男は須藤の声に気付き、おもむろに腰を上げ店内に入ってきた。

須藤は男の顔に見覚えがあった。それは先程ニュースで放映されていた
「デパートスイカ割り事件」の犯人の似顔絵と非常に酷似していたのだ。

ましてや特徴の「下半身全裸」などこの男の他無い。

そう、言うまでも無く寺田はスイカ割り事件の犯人として国際指名手配されていたのである。

寺田はペニスをしごきながら店内を闊歩し、須藤が唖然としている間に「ポテトチップスコーナー」の前で立ち止まった。

須藤が唖然としている間にも寺田の手の動きは速さを増していった。

やがて寺田は突然手の動きを止め胸元で腕を組んだ。

そして一瞬店内が静寂に包み込まれたかと思った刹那、


ビュルンビュルンビュルン!ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!


アナコンダのような陰茎が蛇口を全開にしたホースのようにしなり、暴れ狂い、

店内が再び静寂に包まれる頃にはポテトチップスコーナーは跡形も無くなり

後には謎の白い霧とイカ臭さだけが残った。

寺田は須藤を見て「ムヘヘ。」と言うと霧の中に消えていった。



この歴史的瞬間の一部始終を目の当たりにした須藤は涙を流して感動していた。

そして0.1秒でズボンとパンツを脱ぎ店の外に飛び出すと設置されている
公衆電話の「おつり」の所にチンポを突っ込み腰を激しく動かし始めた。



須藤は真面目な男であった。このコンビニのバイトも親に迷惑をかけない様、学費を自分で払うために始めたのだ。

大学に通いながら夜はバイトをする生活。第一志望の大学ではなかったがそれなりに生活も充実していた。

高校の時の担任との会話。
「ほんとにいいのか?須藤。あんなに○△大学(第一志望)に行きたがってたじゃないか。お前なら一浪すれば絶対に合格できるぞ。」
「いいんです。親に迷惑はかけたくないですし。××大学にも興味がありましたから。」
「そうか。お前は本当に親思いなんだな。」

上京する時の母親との会話。
「本当にいいのかい?仕送りしなくて。」
「うん大丈夫だよ。自分の学費は自分で稼ぐ。父さんもそうだったって言うじゃないか。」

今思えば第一志望の大学に行くのが親にとって幸せだったのかもしれない。

そんな思い出が走馬灯のように蘇っては消えていき


「ぬふぅ。」


須藤は射精し、コイン投入口と受話器の穴から精子が吹き出た。

須藤の頭の中は真っ白になった。

須藤は夜の街へ消えていった。
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