第八話 Reverberations of sweet ejaculation of skydiver
かすみゆく景色の中に、彼が最後に見た物は、高笑いとともに轟音を上げながらうなる男のチンポコだった。でかかった。
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彼の名は浩二、趣味はスカイダイビングだった。週末は何人かの友達とスカイダイビングをしに飛行場へ足を運ぶ。
スカイダイビングにはいつも心を洗われていた。自分の心が、高度が下がるにつれて浄化されていく気分がした。
眼下では下らないプライドのやりとりや、全く何の意味も持たない喧騒が絶え間なく繰り返されている。
それを今その瞬間に全てを自分だけが、見渡しているのだ。それ以上の優越感があるだろうか。
浩二にとって、スカイダイビングは、つまり音楽家の作曲に似た行為だった。それなくして、彼は生きられなかった。
明日は彼女の葉子とスカイダイビングの予定だった。しかしどうも気分がすぐれず、朝から吐き気と、
やかましくなる目覚ましのような頭痛が絶えなかった。
しかしせっかくの葉子とのスカイダイビングデートだ。断るわけには絶対行かなかった。
今日も仕事が終わり、デパートでエレベーターガールをしている彼女に逢いに行った。
彼女はここ何年間も恋人とは無縁だそうで、浩二にはべた惚れだった。浩二も同じだ。
浩二がデパートにつき、エレベーターに乗り込んだが、彼女の姿が無かった。
『おかしい』と思い、従業員の休憩室へ無断で入ると、そこに葉子がいた。
「どうしたんだよ」
顔を覗き込むと、彼女はこの世の全てに満足したような、充足感満ちた顔をしていた。
「あら、浩二、明日はスカイダイビングだっけ?楽しみね。」
浩二は『様子が変だ』と思った。ただでさえ、日常から離れた事をする事を嫌う彼女が、
こんなにも晴れ晴れとした顔で、そんな事を言うなんてとても考えられなかったのだ。
しかし、そんな事を今ここで言うのは場の雰囲気を悪くするだけだと思い、浩二は
「ああ、そうだなぁ。じゃ、空港で待ち合わせな、朝10時だぞ!」
と、元気よく返し、葉子に手を振りデパートを後にした。
家に帰り、壁のスイッチを押して、それまで暗闇に満ちていた部屋に光を与えた。
彼はソファーに深く腰掛け、オナニーをした。ドッピュドピュピュピュヂュウヂュドピュだった。むへへ。
浩二は朝起きると、急いで鏡の前に行き、顔を洗って髪をサッと整え、家をあとにして急いで飛行場へ向かった。
数十分程で飛行場に着いたが、葉子はまだ来ていないようだった。
浩二はさっそく身支度を始めた。
『葉子が来る前に一発飛んでおくか』
彼は慣れた手つきで準備を完了すると、ベテランの操縦士である野口と共に、小型セスナに乗り込んだ。
セスナはプロペラエンジンで見た目はボロいが、スカイダイビングをする上でそれほど支障はなかった。
むしろ、こちらの方が気が楽というものだった。
2人で座席につき、野口がセスナのエンジンをかけた時だった、
「しまった、時計を忘れてた!少し待っててくれ、すぐ戻るから!」
と言って、野口はセスナを降り、待機センターに走って戻って行った。
エンジンにキーは刺さったままだ。浩二は先にエンジンをかけておこうと思い、キーを時計回りに勢いよく回した。
前方のプロペラがゆっくりと時計方向に回転し始めた。
しかし、途中で回転がとまり、一瞬プロペラが反時計方向に戻された。しかしプロペラが再び回ろうとする。
しかし、また同じ所でプロペラは止められ、反時計方向に戻されてしまう。
『何かがつかっかているのか?」と思い、飛行機を降りてプロペラを確認しようとしたときだ。
「オオオオオオオオオ=====!!!!!!!」
男のあからさまな喘ぎ声が聞こえた。
浩二がおそるおそるプロペラの方を見てみると、男がチンコをプロペラにぶつけているではないか!
「あ・・・・あ・・・」
声が出なかった。その男はまぎれも無く、あの国際指名手配犯の寺田であった。
「ムヒヒ!ムヒヒ!」
寺田がそう笑い一気に腰をふってふって振りまくった。セスナが、ゴウンゴウンと前後にゆれる。
そして、一瞬、浩二の視界を何かドスグロイものが覆った、次の瞬間。
ドビューーーーーーーーーーー!!!!!!!
寺田のチンコから恐ろしい程の勢いと量の精子が飛び出した。
それは、セスナを後退させる程の勢いであった。セスナは無惨にもぶっ飛び、
数百メートルむこうの倉庫の壁に叩き付けられ、精子まみれになって、壊れていた。
浩二も勃起した。
「ムヘヘヘヘヘ」
彼の思考に別の何かが乗り移った。
浩二は飛行場を下半身裸で縦横無尽に走り回った。精子をビービー出しながら。
後にきた葉子も縦横無尽に精子を放出しながら走り回った。
それは3日間続いた。
浩二は、途中で精子を垂れ流しながらブッ倒れ、また昔の正しい自分が帰ってきた。
『俺は一体・・・』
彼のかすみゆく景色の中には、寺田のチンコしか写らなかった。
葉子はまだ元気に精子をレーザービームのように出しながら走り回っていた。