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2010/06/16/23:38(水)「彼と晩ご飯」

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 こんばんは。
 千世子です。
 
 
 山崎くんとお付き合い始めて数日。憂鬱な朝、混雑する通勤も、職場に行けば彼の顔が見れると思うと、多少元気になれちゃいます。この感覚は最初だけなので、大事に感じないといけませんね。
 いざ仕事が始まると、お互いやっていることが違うのであんまり絡みはないのですが……あえて別のことをしているほうが気が楽ですよね。
 
 と、思ったのも月曜日だけでした。
 
 一緒にランチ! と思っていたものの、お互いタイミングが合わなくて……しかも、帰る時間すら合いません……
 やっぱり社会人同士というのは、こんなもんですよね……同じ職場でもこうですから。
 
 ですが、夜寝る前の「おやすみ」メールの交換っ。これで心がポカポカです。布団の中でニヘニヘ笑って、ちょっと転がっちゃいますっ。
 
 夜はともかく、仕事中はモヤモヤしながらも迎えた水曜日。定時帰り推奨の日です。
 
 ぺこっ。
 
『ご飯食べに行かない?』
『作業が少し残っているんで、あと1時間ぐらい待ってもらえますか?』
『いいよー(^ー^)』
 
 私も少し作業をして、そのあとは会社の外で待ちました。
 ちょうど会社の外に中庭があって、そこのベンチに座っていました。
 
 こうして恋人を待つというのもひさしぶりです。昔はもっとそわそわしたものですが、今はもう、それなりに落ち着きがあると思っています。自己の判断はあまり信用できませんが……
 
「千世子さんっ」
 
 今日は何を食べようかなぁと考えていると、山崎くんが来ました。
 
「すみません、お待たせしました」
「ううん、待ってないよ」
 
 これ、今思ったんですが……この言葉って、お互い別のところから待ち合わせたときに使えば効果的ですが、同じ職場の人にはまるで意味ありませんね……
 
「どこに行くか決めてますか?」
「最初に行った焼き鳥屋」
「ああ、あそこですね」
 
 夕食に誘われて行った、焼き鳥屋。あそこはビール⇒芋焼酎ロックをしていないので、恨みが溜まっていたのですよ……!
 お店に行くまで、あたかも同僚と仕事帰り、という感じで歩きました。職場近くで手を繋いだりすると、どこで見られているかわかりませんからね。
 
 
 
「ビール2つっ」
 
 私はきっと、すごいニコニコしながら注文したと思います。焼き鳥でビール。ああ、何とステキな組み合わせでしょうっ。
 ビールのジョッキが2つと、お通し(今日は砂肝に煮付けでした)とキャベツ(先に出てきました)。
 来ました、さあ、来たところでっ。
 
「かんぱぁいっ」
「かんぱい」
 
 ごく、ごきゅ、ゴクッ。
 
「んー、んんん、くぅ~」
 
 まだ梅雨なのに、去年の夏を思い出すような感動っ。ビールは味の違いはわかりませんが、仕事終りのビールほど格別なものはないでしょうっ。
 
「この一杯がたまらないよねっ」
「はは、そうですね」
 
 乾杯からジョッキを置くまでに、お互い半分以上呑んでいるあたり、ビール好きが伺えます。
 
 コリコリとおいしい砂肝を食べていると、来ました来ました、焼き鳥がっ。
 
 ゴクゴクッ、ゴクッ。(←呑み干しました)
 
「芋焼酎、ロックで」
「男前ですねぇ」
 
 変な茶々を無視しつつ、さっそくネギマをいただきます。そう言えば、皆さんはお肉とネギ、一緒に食べますか? それとも別で食べますか?
 私は最初は別々に食べて、串の後ろのほうは一緒に食べます。
 
 それはさておき。
 
 芋焼酎ロックが来ましたよっ。そっと顔に近づけると……ああ、この芋焼酎の香り。好き嫌いは分かれますが、このツンとして、鼻の奥ではどこかトロンとする香りがたまりませんっ。
 
 こくんっ。
 
「あふっ」
 
 喉を通る刺激。鼻から抜ける香り。そして直後に食べる焼き鳥。
 うう、コレですコレ。コレがしたかったんですっ。
 
「……どしたの、山崎くん」
「あ、いえ……何でもないです」
「えー、なになに?」
 
 私はシャツの裾をキュっと握って尋ねます。ふふふ、男性はこんな仕草に弱いことを知っているのです。
 
「え、えーとですね」
「んー?」
「その……焼酎呑んだとき、ちょっとエロかったなって」
 
 とりあえず足を蹴っておきました。
 
 
 
 何杯かおかわりして満足したあと、お店から出ました。
 出て直後、山崎くんは別の道を指さしました。
 
「駅まではちょっと遠回りですが、こちらから帰りませんか?」
 
 と言って、手を差し伸べてきました。
 私はその手をきゅっと握って、一緒に帰りました。……あはは、ちょっと恥ずかしいですね。
 
 
 うっ、また塩の種類を覚えるの忘れてました……海外のナントカ成分のナントカ塩だったような……て、前と同じですね(汗)。
 
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