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友達

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高校二年の夏休みが終わり今日からまた嫌な学校生活始まる。
長い長い校長の話を右耳から左耳へと受け流す。
一時間、聞いて終わった終業式。
俺は、自分の教室へと向かう。
三階の教室から見える景色は、海が見える。
海が見えるが近くは、ない。
歩いても30分は、かかる距離。

俺の名前は、山元 修一。
不良って呼ばれて周りから白い目で見られてきた。
だから、友達なんかいない。いないが、仲がいい奴が一人いる。
不良って呼ばれているが昔は、こんなんじゃなかった。
成績は、いつも上位。友達もたくさんいた。

あんな、事が起きなければ・・・


「は~い、席につけ~」
嫌な担任がやって来た。
どうせこれからなんか話するんだろ?
聞くかそんなの。
立ち上がると周りの奴らが俺を見る。
「俺、帰るから」
そう言うと、担任は。
「あぁ」
この一言しか言わない。
教室を出る。が、今帰っても暇だ。
「屋上行くか」
ポケットに手を入れて屋上に向かう。

屋上の扉を開ける。
周りを見る。誰もいない。
「誰もいないか、まぁ当たり前かこんな時間に来るの俺だけだからな」
真ん中ぐらいで歩き立ち止まり座って横になる。
「すこし、寝るか~」
俺は、眠りについた。




目を開けると周りは、夕暮れだった。
携帯を取り出し時間を確認する。
「五時か・・・寝たな、ずいぶん」
あくびをしながら屋上を出た。
靴を履いて学校から出る。
歩いていると隣の体育館から、ボールの弾む音と足音が聞こえてきた。
なんとなく気になり進行方向を、体育館に切り替えて歩く。
扉を開けると。
広い体育館に何人かの女子バスケ部が活動していた。
「・・・自主練してるのか」
扉によっかかり練習風景を眺める。
うまいパスからのシュート。
ドリブルで突破しようとするのを阻止しようとする。
なぜ、帰らないで見ているのかというと。
練習をしている中に仲がいい奴がいるからだ。
こんな俺に話をしてくれる女子。


すると、修一を発見し向かって来る一人の女子。
修一は、隣に置いてあったカゴの中からタオルを取り女子に投げた。
「あ、ありがとう。しゅう」
「あのさ~そのしゅうって呼び方やめてくんない?」
「やだよ~」
修一と会話する彼女は、山中 瑞紀(やまなか みずき)。
誰も修一に話を中、瑞紀だけ修一と話をする。
同じクラスで隣の席だったりする。
「自主練?」
「そう、三年生が引退したからこれからは、私たち二年生の時代だから」
「ほかの奴らにポジションとられるなよ」
「だから、頑張ってるんでしょ」
腰に手を当て、黒髪のポニーテール揺らして修一の顔を覗き込むようにして見る。
ずっと、顔を見る瑞紀。
「な、なんだよ」
瑞紀がニッコリ笑い。
「別に~」
二人が楽しそうに話してる時、残りのバスケ部が自主練習をやめ二人を見てひそひそ話をし始めていた。
『ねぇねぇ、あれ不良の山元じゃない?』
『そうそう』
『何してるのかな?』
『なんか瑞紀に脅迫してるんじゃない?』
『え~最低』

修一と瑞紀が話をしているところに一人近づいて来た。
「ねぇ、出てってくれる?アンタがいると練習の邪魔になるんだけど、ウザいから」
修一達に声をかけて来たのは、バスケ部の部長。田村 夏海(たむら なつみ)。
「ちょ、夏海。そんな事言わないで!」
夏海の顔を睨みつけるように見る瑞紀。
「いいんだよ、瑞紀。じゃ、俺行くから頑張れよ」
「待って、しゅう!」
瑞紀が呼ぶが修一は、帰って行ってしまった。
学校を出て家へと向かう修一。
坂を下りて平坦な道を歩く。
商店街を歩いていると、周りの人たちが修一を睨みつけるようにして、見始め話をし始める。
どんなことを話しているのか修一には、分かっていた。
家に着くと家の塀、扉に色んな張り紙が張りついていた。
『出て行け』『悪魔』『人殺し』『カス』などが至るところに張り付いている。
修一は、慣れたように張り紙を一つ一つはがして家に入っていった。
「ただいま、母さん」
仏壇の前に座り小さな写真に帰りの報告する。

昔、修一の家族は、三人暮らしだった。
だが、ある時だった。学校から帰った来た当時高校一年生だった修一に飛び込んで来たのは。
母の死だった。病気で死んだのではなく、父に殺されたのである。
父は、修一の母を殺した後近所の人を襲い逮捕された。
それからの修一の人生は、一気に変わってしまった。
周りからは、酷い非難。友達が消える。
そして、不良になってしまった修一。

一人で食べる夕食。食べ終わるとテレビをつけるがすぐに消す。
不意に携帯が鳴り開けると、瑞紀からの電話だった。
「もしもし」
『あ、しゅう?今日は、ごめんね』
「え?何が?」
『だから、体育館で夏海が言ったこと・・・』
「あぁ、あれか別に気にしてねぇよ、いつものことだから」
『・・・・・』
「どうした?急に黙って」
『どうして・・・どうして、しゅうが責められなきゃいけないの?』
「瑞紀・・・お前が気にするようなことじゃないだろ?」
『そんなこと言わないでよ・・・』
「俺の事より自分のこと心配しろよ、あの場所に俺がいたからってこっち来なくてよかったのに」
すこし、笑いながら修一が言うと。
『バカ!しゅうが心配だから・・・心配だから私は、しゅうの傍に行くの!しゅうの周りに敵しかいないかもしれないでも、私は、しゅうの味方なの!友達なの!』
瑞紀の[友達]という言葉を聞いた瞬間修一は、声に出せなかった。
「瑞紀、なんかすまん、それと、サンキューな」
『なんで、謝るの?』
修一は、笑ってこう言った。
「俺が謝りたいからだよ、じゃあな」
電話を切って冷蔵庫を開けて、コーラを飲み干し布団に入って。
「・・・友達か」


翌日。征服に着替えて母の写真に。
「母さん行ってきます」
玄関を開け学校へと向かう修一。
今日から六時間授業が始まる。一時間早く学校に着くのが修一の癖だった。
まじめに勉強に励んでいた一年のなごりが残っているのだ。
体育館の横を通る。なんとなく体育館の方に行き扉を開けると。
一人でシュート練習している瑞紀がいた。
膝を柔らかく曲げ両手でボールを持ってシュートする。
が、ボールは、輪に当たり地面に落ちる。
「はぁ~うまくいかないな」
ボールを手に取り溜息をつく瑞紀。
すると、扉の方から誰かが走って来る足音が聞こえてきて。
「瑞紀!ダンクするからパスよこせ!」
凄い勢いで走って来る修一。
「え!?しゅう!ダンクって」
突然のことで焦る瑞紀。
しかし、修一が走って来る距離が縮まるにつれてパスのタイミングを計る。
瑞紀は、バスケ部でパスの達人と言われている。
パスがとても正確で試合の時も要注意人物で相手に知れ渡るぐらい。
瑞紀は、修一とゴールの距離が三メートルぐらいになった瞬間に。
ゴールの右側に向かってボールを叩きつける。
思いっきりジャンプする修一。
ジャンプした修一が右手を伸ばすところに、絶妙のタイミングでボールが上がって来てゴールへダンクした。
「ナイスパス!」
ボールを持って瑞紀に近づく修一。
「ビックリしたよ」
笑いながら汗を拭う瑞紀。
「ねぇねぇ、しゅう!シュートうまくいかないから教えて」
「え?なんで俺、友達とか先生とかに教えてもらえよ」
ボールを弾ませる。
「友達でしょ?私たち」
手を後ろに回して修一の顔を覗き込む。
弾ませるのをやめて瑞紀の顔を見る。
「そうだったな・・・友達だったな」
瑞紀の顔を見てニッコリ笑い頭を撫でた。
2, 1

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