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超短編『図書館戦争マキシマムドライヴ』

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 その図書館の文庫はほとんど誰にも貸し出されないままホコリを被っていた。なぜなら、図書館にあるのは赤茶けた古典小説ばかりで、みんなそんなものは青空文庫でただで読むようになったからだ。
 文庫本好きの館長は思った。時代は変わった。ならば、時代に即した、新しい本を図書館にも置こう。最近の子どもたちはどんな本を読んでいるのだろう?
 館長は幼馴染の書店員と相談し、「新刊は入れられないから、五年前から十年前、2014年頃の文庫本を入れたらどうかという話になり、館長は即決、二週間後にはその図書館の文庫棚は2014年頃のライトノベルで一杯になった。
 愚にもつかないポルノまがいの駄作が溢れた。
 一週間もしないうちに近所のおばさんから「子どもが読む棚にこんなもの置くなんて何を考えてるんですか!?」と苦情が入り、館長は哀惜の念と共に、その図書館を閉めた。



 了
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