君は何人目だろうか。
僕は何番目だろうか。
何度目の挨拶を交わしただろうか。
このコミュニケーションを繰り返すのは何回目だろうか。
お別れを後幾つ乗り越えれば慣れるのだろうか。
本当の愛を見つけられる事とは回数に比例するものなのだろうか。
僕達は同じ一年を繰り返す。
僕達が住んでいるこの街で人は年を取る事がない。
ずっと十六歳の僕。
僕達の街を覆うようにぐるりと張り巡らされている高い壁。
その向こうにはなにがあるのだろうか。
一年中降り続けるこの雪はまるで僕達を凍らせてどこにも行かせようとしているようだった。
白い世界の中で吐き出される白い息。
僕達は永遠の中に存在する。そしてそれは昨日と変わらない虚しさと言い換える事も出来る。
意味のない明日。
そういう事も。