さよなら絶望先生
講談社刊 作者:久米田康治
「かってに改蔵」で人気を得た久米田康治最新作。小学館の週刊少年サンデーから講談社の週刊少年マガジンへ移籍しての連載。
-内容
主人公である糸色望先生(いとしきのぞむ)と赴任中の高校の生徒らで展開されるギャグ漫画で、時事的社会風刺、流行モノのネタ、あらゆる媒体による創作物からのパロディなど様々な要素で構成されている。ギャグとして話題に出てくるもの以外にも背景などにネタが隠されており、その量は膨大。一人ですべてのネタがわかる人はまずいない。そのためネタ解析が盛んに行われている。
前作「かってに改蔵」と比較するとネタの向きがやや異なり、単純な面白さでも劣っているとされるがそれでもファンは多い。ネガティブを前面に売り出した上でギャグにすることで痛快さを出している。また「かってに改蔵」では赤松健の作品「ラブひな」のネタが多かったが、今作では男の先生に多数の女子生徒と言う状況が「ネギま!」と似ていたりする。ただ実際それと関連させたかは疑問。
単行本でのおまけが比較的充実しており、本体の表紙にネタをしのばせたり、おまけページで各話のテーマにあわせたネガティブな話を綴った「紙ブログ」を掲載している。読者コーナーも痛快である。
-作者
ネタがネタだけに作者もキテる人かと思われたりするが、実際に作者が「紙ブログ」のようなネガティブマンかというとそうでもなく、結構普通の人らしい。アシスタントにはやさしいとか何とか。詳細はわからないが…。しかも読者ページを見ればわかるが、どちらかというとオタクやネガティブな人間はバカにしている。漫画もしばしそういった態度が感じられる。
そのため、「一般人ともオタクとも距離を置く斜に構える人」から共感を受けやすい。作者のネガティブさに共感を持つ人も居るが、これは「ネガティブなネタ」に共感してしまっているだけなので注意。紙ブログも基本的にネタ半分らしい。
何にせよ「変人・奇人」であることに変わりは無い。
あと赤松健と仲がいい。
新都社に登場するさよなら絶望先生