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『Carmilla!』は新都社ニートノベル連載中の小説。サブタイトルの『climson lip like blood』はEpisode1のタイトルを英訳した物である。作者はインギーさん。挿絵はゆげ(初代)、RK(二代目)、ヴィクター(三代目)が担当。現在は二代目であるRKが担当。 以下の項目では、Carmilla!の世界観について記述する。

吸血鬼について

本作品における吸血鬼は以下のような特徴を定義付けている。 なお、この項目では本編に登場していない裏設定も含めて触れていく。

吸血鬼

  • 吸血鬼に噛まれ、血を吸われて死んだ人間
  • 人間としては死んでいるため、生命維持機能が有機的な物から魔力的な物へと切り替わっている。
  • 魔術を扱う能力を有するが、死んだ影響で魔力の源となる血を自分の身体では生成することができないため、吸血行為で魔力を補給する。また、生殖機能を持ち合わせていないため子供を産むことができない。
  • 吸血鬼が魔術を使えるのは死の向こう側を超えた存在であるため
  • 吸血鬼は魔力が尽きれば灰になる。
  • 本作品の吸血鬼は日光を浴びても灰にならない。しかし、日光の下では生命維持に回している魔力の消耗が早くなるため、半端な魔力しか持ちあわせな

い者は日の下を避ける。日光を浴びても平然としていられる程度の魔力量を持ち合わせた吸血鬼は日の下を歩く者《デイライト・ウォーカー》と呼ばれる。

  • 発生したばかりの吸血鬼(吸血鬼に血を吸われて死んだ人間)は理性を保てず血を求める。それは血を吸われて死んだことにより魔力が著しく枯渇して

いるために起きる生理的な反応や吸血鬼としての本能(=吸血衝動)によるものである。

  • 他作品などでは味覚が狂って血以外の食事が取れなくなるという設定が存在するが、本作品の吸血鬼はその限りではない。しかし、生命維持機能が魔力

的な物に切り替わっているので必ずしも人間のような食事をする必要はないが、味覚は狂っていないので余暇の娯楽として食事を嗜む吸血鬼もいる。

真祖

  • 死んだ人間が魔力的な生命活動をしているのが吸血鬼であるのに対し、生きた吸血鬼は真祖と呼ばれている。
  • 魔術が使えるようになった人間であるが、半人半魔《ダンピィル》とは違って限りなく魔の側に寄っている存在。
  • 吸血鬼とは違って生きている吸血鬼であるため、生命維持は魔力的な方法だけではなく有機的な方法(=食事など、人間と同じ方法)を併用している。その為、日光を浴び続けていても生き続けることが可能。
  • 真祖は無限に尽きることのない魔力を持っているため、半永久的に生き続けることができる。普通の吸血鬼と違って自分で血を生成できるためである。それに加えて血の純度が高く強大な魔力を有しているため、肉体の活性が例え銀による魔力の阻害があってもスムーズに行われるために生理活動が活発で再生能力や魔術によって消費された血が生成されるのでほぼ灰になること自体がありえない。
  • 真祖を殺す方法としては、聖杯を用いて真祖としての魔力を奪うか、作中での恭介のような真祖に匹敵する魔力を用いて殺す方法が確認されている。
  • 真祖の血族はカーミラをはじめとするカルンシュタインの血と、ヴラド・ツェペシュを筆頭とするツェペシュの血に二分されている。
  • 生きた吸血鬼、つまり魔術の使える人間であるため生殖機能を有している。半人半魔《ダンピィル》は真祖と人間が交わり作られた新たな人間の種で

あり、その名の通り人間と吸血鬼のハーフである。半人半魔《ダンピィル》については後の項目で記述する。

  • 真祖の発生の方法には二種類があり、真祖と真祖の間に産まれた子であるか、元は人間であった者に魔術的な手法を施すかのどちらかである。
  • カーミラ・カルンシュタインは元は人間であったが魔術的手法により真祖となったため、正真正銘カルンシュタインの血族の始祖である。深憂の父リヒ

ター・カルンシュタインは人間の女との間に子を作ったが、深憂が半人半魔ではなく真祖なのはその魔術的手法を施したためである。

半人半魔《ダンピィル》

  • 真祖の項目で触れたとおり、真祖と人間が交わり作られた新たな人間の種であり、その名の通り人間と吸血鬼のハーフである。
  • 人間に魔術が使えるという毛が生えたと言える程度しか人間と違いがなく、どちらかと言えば無限の魔力の備わっていない劣化版真祖という位置づけである。吸血鬼特有の再生能力と魔術の使用はできるものの、ほぼ人間であるため吸血による魔力補給ができない欠点がある。貴族の吸血鬼として爵位を与えられている陽子については、白木の種子に自分が狩った吸血鬼の血を吸わせてそれを所持することでその欠点で生まれる他の貴族との差を補っている。
  • 半人半魔自体に魔力の保有量は少なく、陽子の白木の種子のような媒介を通さない魔術の使用では術者自身の血を使うため、場合によっては魔術の使いすぎによる失血死もありうる。例外的に恭介のように真祖の血を色濃く受け継いで強大な魔力を持って産まれてくる個体も存在するが、その場合は黒鍵(※登場人物紹介の史文陽子の項で後述)などの手法で封印を施さなければその高い魔力に身体が蝕まれ生命の維持さえ難しい。
  • 半人半魔の退魔師の家系である史文家はおよそ二百年前に真祖カーミラ・カルンシュタインと交配しているため、陽子と恭介はカーミラの子孫にあたり、恭介と深憂は遠い親戚関係にある。


魔術及び魔力について

魔術

  • 魔術とは術者の心象(空想や想像などのイメージ)に魔力を乗せて具現化させる術法、または心象を肉体に作用させる術法である
  • 心象を具現化するにあたり、その代償として魔力を支払う。
  • 半人半魔については吸血による魔力補給ができないため、媒介を利用しない限りは自らの血を代償に心象を具現化する。
  • 魔術の発動には心象を発声に込めるのが基本になっている。無詠唱での魔術の発動も可能であるが、そのためにはより多くの魔力を必要とする。


本作品における「世界」について

人間の世界(現実世界)

恭介達が暮らす世界。人間達が住まう現実。

魔術空間とは

術者の心象をそのまま小さな世界として具現化した物で、それを作る術法は空間魔術の中の小世界の魔術として分類されている。

夜の棲人の世界

真祖カーミラ・カルンシュタインの無限の魔力を用いた小世界の魔術によって空想の狭間に存在している広大な小世界。『貴族』と呼ばれる吸血鬼が棲まう魔術空間である。
人間達の「神が存在しているかもしれない」という空想を心象とし、そのイメージによって具現化されている。
『姫帝(カーミラ・カルンシュタイン)』を頂点とした貴族の吸血鬼達の序列が体系化されている。
この魔術空間が神の代行者の世界と呼ばれている理由は「本来、この世にはいない存在(=神)が居る」と信じる空想が作った心象世界であるためであり、姫帝が人間の世界での奇跡を司り人間世界の調和を図っているため(=神の奇跡の代行)。

他の魔術空間

  • Party Night "hallowe'en"
陽子の魔術空間。ハロウィンの街並みをイメージした物で、そこに置かれた者は心象を具現化する魔術に限り、全てイメージした物とは違う物(お菓子)に具現化されるという法則が課せられる。
  • 三月ウサギの庭園
陽子の魔術空間。陽子がお茶会の為だけに想像された小世界。モチーフはルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』より気違いのお茶会(A Mad Tea-Party)。
  • Sleeping Forest《茨姫の寝間》
陽子が最初に作り出した小世界。彼女の兄に対する愛情が生み出した。モチーフは『眠れる森の美女』。
  • Closed Prison《閉ざされた牢獄》
カインが対林檎用に作り出した世界。外界から一切の物の侵入を遮断することで、Leaping《空間跳躍》による武装の補充を絶った。
  • アルター・トランシルヴァニア
ラテン語でもう一つの森の彼方の国。深憂が人間の世界への絶望のあまり無意識に生み出した魔術空間で、現実世界を飲み込もうとしている。本作品における一連の事件で解決すべき問題。ルーマニア中部・北西部の歴史的地名にラテン語でAlter(もう一つの)を加えたもの。
  • Night Court《夜咲く花々の庭》
カーミラ・カルンシュタインがお茶会用に生み出した小世界。貴族の吸血鬼達にはお茶を嗜む習慣があり、夜の棲人の世界以外に彼女がこの世界を生み出しているのもそのため。現在連載中の「権謀のヴィエルジュ」の同名の舞台が存在する。


登場人物

撫蘭高校オカルト研究部

史文恭介(しもんきょうすけ)
本作の主人公。17歳、森彼方市立撫蘭高校二年生。身長172㎝。
細身で眼鏡をかけている茶髪の少年。半人半魔《ダンピィル》の退魔師の家系に産まれ、真祖をも殺すことのできる強大な魔力を持って生まれてきたが、黒鍵(この場合、実妹である陽子)によって封印され強大な魔力によって身体が蝕まれることを防いでいる。
オカルト研究部の活動で森彼方市吸血鬼事件を追うことになるが、それを発端としてNegatorsというバチカン市国の対魔討伐部隊に追われ、その結果深憂が真祖として目覚め現実世界を自分の理想的な吸血鬼の世界に変えてしまおうとする事件や深憂の血筋であるカルンシュタインの血族に纏わる因縁に巻き込まれていく。
ヒロインである神良深憂に恋愛感情を抱いているが、二人は恋人関係というわけではなく、友達以上恋人未満の関係。
名前の由来は悪魔城ドラキュラシリーズの「シモン・ベルモンド」から。
神良深憂(かみらみう)
本作のヒロイン。17歳、撫蘭高校二年生。身長162cm、スリーサイズは87(E)/58/83。
腰まで伸びるストレートの銀髪(アッシュブロンド)と、時折紅に染まる碧眼が特徴。真祖の力に目覚めてからは完全に紅の瞳に変わる。幼い頃から吸血鬼としての素養が表に出ていたために周囲の人間達との違いに孤独感を感じ、また人間達から恐れられたり差別を受けてきたために人間の世界に不信感と恐怖を抱いて育った。
高校2年生に上がるまでは周囲の人間に不信感を抱く生活をしてきたが、恭介に出会うことで性格も快活に向かっていた。
恭介のことが好きで、たびたび恭介を誘惑する。満月の夜になると吸血鬼としての魔力が溢れるのか、碧眼が紅に染まる。恭介に対して抱く感情が強いせいか吸血衝動が抑えられず、彼を噛もうとした。
吸血鬼と人間の間に産まれ自分は吸血鬼のハーフと自覚していたが、実際には真祖の吸血鬼であることがロニの口から知らされた。抱え込んでいた人間の世界に対する不信感を絶望に変え、人間の世界を吸血鬼の世界に変えるよう思うようになり真祖の無限の魔力によって生じさせた無意識の空間魔術によって現実を飲み込んでいくようにした。
父親であるリヒター・カルンシュタインは、一連の事件の流れへ持って行く事を目論んだアルカードの権謀術数によって殺され、母親に関しても作中では語っていないが病死ということになっている。
真名はミウ・カーミラ・カルンシュタインで、アルター・トランシルヴァニア建国の際にその名を名乗っている。
苗字はジョゼフ・シャルダン・レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」から、名はマイナーな吸血鬼作品のヒロイン名をもじった物。
史文陽子(しもんようこ)
主人公の妹。16歳、撫蘭高校一年生。身長142cm、スリーサイズは73(A)/56/74。チビで貧乳。
肩までの黒髪の片方を三つ編みに縛った髪型が特徴。オカルト研究部(以下、オカ部と呼称)の部長で、兄からは極度のオカルトマニアと見なされている。また、行動力がかなりあるお陰でオカ部の活動のほとんどは彼女の思いつきによって発案されている。
女の口から言うには恥じらいを伴うような言葉を平然と言ってのけると称されている通り、兄に対して逆セクハラのような発言ばかりを繰り返すが、それは兄に対しての激流のような愛情があるためである。つまり、極度のブラコンである。
しかし、その愛情は片思いでしかない為か、林檎に脚を撃たれて倒れていた兄を介抱するついでに性的な悪戯をする(本当にしたかは不明)、眠ったままの兄に対して情事を貪るなどの行動に走っている。
実は貴族の吸血鬼として爵位を与えられており、夜の棲人の世界で二十八位の序列を与えられている。夜の棲人の世界での呼び名は「黒の姫君」。姫帝――カーミラ・カルンシュタインに予言を受けており、彼女のもとで恭介と深憂の様子を近くで観測していた。
カーミラ・カルンシュタインとは友人関係のような主従関係がある。
並の半人半魔であるため、他の貴族ほど強い魔力は持ち合わせていないが、類い稀に豊かな想像力による多彩な魔術、また小世界の魔術や召還系魔術に長け、それの大規模な同時発動を軽くやってのける点は彼女の貴族としての実力の高さを如実に表している。
史文の家は退魔師の業は廃業しているが、好奇心と暇潰しに吸血鬼狩りをしていた過去があり、夜の棲人の世界の貴族からは「灰被り」と呼ばれている。
名前の由来は悪魔城ドラキュラシリーズの「ヨーコ・フェルナンデス」から。

 

バチカン市国

音無林檎(おとなしりんご)
バチカン市国対魔討伐部隊『Negators』第十三小隊隊長。18歳。身長160cm。スリーサイズは79/59/80。本作のサブ主人公的な位置付け。
森彼方市撫蘭高校に転校してきた。表向きの身分は一年間海外留学をしてきた18歳の日本国籍の高校生となっているが、実際にはバチカン市国の国籍を持った元日本人。森彼方市で起こった吸血鬼事件の犯人として、神良深憂が犯人であると見込んで日本に潜入する。
本編中で、深憂を抹殺するもその遺灰を持ち帰った第十三小隊の離反者の手によって深憂は復活、真祖として覚醒する。
吸血鬼狩りのエクソシストでありながら吸血鬼であり、実際の年齢は118歳。およそ百年前の18歳の頃、恋人だった男に噛まれ吸血鬼になった為に姿はその当時のままを維持している。また両親を吸血鬼に殺された過去があり、その事からか自分が吸血鬼である事に拒否感がある。人間であることに固執し、鑢で牙を削って吸血行為を頑なに拒んでいる。
愛用の銃はコルトドラグーンというパーカッション式の装飾銃。ロニが第十三小隊に任命される以前に彼女にプレゼントした物で、パリのアンティークフェアで購入された。イロワーズ海域の沈没船からの引き上げ品で、中の機構が錆び付いていたものを林檎自身が手直しして使用している。
副隊長であるロニと恋人関係。
過去に自分を吸血鬼にした男を憎んでいる。その男は百年前のイギリスへの海外留学中に出会い駆け落ちをした画家を夢見る青年ロノウェ・ランスロットだった。その彼がここ十年の間恋人関係にあったロニ(ロナルド・ジェイムス・ディオ)だった事をカインに知らされ、アルタートランシルヴァニア建国以降彼を追うことを目的に陽子と共闘関係を結ぶ。
使用する魔術は吸血行為による魔力補給が十分になされていないためかLeaping《空間跳躍》以外を使うことがない。
バチカンで名乗っていた偽名のアイリス・トゥーン・ホーガンは音無林檎をアルファベットにして並べ変えたアナグラム。本作品の元ネタである吸血鬼カーミラや他の吸血鬼作品でもアナグラムを利用しているため定番の手法である。
名前の由来は椎名林檎とらき☆すたの音無りんこから。由来が本作の主要登場人物の中で唯一吸血鬼と関係がない。
ロナルド・ジェイムス・ディオ
バチカン市国対魔討伐部隊『Negators』第十三小隊副隊長。28歳。身長178cm。小隊では参謀を担当。イタリア人。愛称は「ロニ」。
森彼方市の吸血鬼事件の件で、林檎の副官として日本に潜入。外来医として健康診断に潜入、恭介や深憂達の血を採取する。
その裏ではアダカール・アルパ枢機卿(アルカード・ツェペシュ)の手配により、かねてから計画されていたカーミラ・カルンシュタインの孫娘である神良深憂を利用した人間世界の吸血鬼化を実行に移す。本作中の一連の事件の参謀として実動していた。本編冒頭の森彼方市吸血鬼事件を起こしたのも彼の作為によるもの。
聖杯によって深憂を真祖に目覚めさせ、新たな神の代行者として彼女に人間の世界を吸血鬼の王国に変えさせようとした。
その正体は姿と声、そして人格さえも変える虚色の伯爵。真の姿を誰にも晒さず、数千の仮面と偽りの名を持ち、夜の棲人の世界の序列の首位にあるカーミラにさえ素顔と本名を知られていなかったという元貴族の吸血鬼。真か偽か、それさえも区別がつかぬほどに巧みな言葉で多くの人間の女を愛という嘘に酔わせたという逸話がある。
少なくとも三百年は生きており、カーミラが彼の爵位を知っていたことから高位の序列にいた事は確か。彼が名乗り、姿を見せていたイギリス人の青年ロノウェ・ランスロットが真の姿であるようだが、それが真名であるかどうかも定かではない。
本編中で使用した魔術はLeaping《空間跳躍》と闇色の雲。
名前の由来はブラックサバスのロニー・ジェイムス・ディオ。ちなみに、ジョジョの奇妙な冒険のディオの名前の由来である。
また、ロノウェ・ランスロットの名の由来はソロモン72柱の悪魔「ロノウェ」と聖杯物語から裏切りの騎士である「ランスロット」。ランスロットは円卓の13番目の椅子(イスカリオテのユダの席)に座り、呪いを打ち解いた事で有名。余談ではあるが伝説のオウガバトルというゲームで登場するランスロットというキャラクターはプレイの仕方によってはあまりに強くなりすぎてクラスチェンジができなくなり、結局ヴァンパイアにされるという悲惨な現象があったりする。
カイン
バチカン市国対魔討伐部隊『Negators』第十三小隊第二班班長。32歳。身長180cm。
森彼方市吸血鬼事件に隊員として参加。普段はロニと同じく人間として振る舞っているが、彼もまた吸血鬼だった。
元は貴族の吸血鬼だったが、ツェペシュの血族が追放された折に彼もまた夜の棲人の世界を追放されており、ツェペシュ家の配下の吸血鬼だった模様。アルカード・ツェペシュの呼びかけに答えた形でアルター・トランシルヴァニア建国の計画に参加。
狡猾な性格で、林檎に百年前の真相を語って動揺を誘おうとし、死灰に擬態して陽子の目を欺き、偽者の恭介を人質に取って貴族の吸血鬼である陽子を裸に剥いて優位を取ろうとするなど手段を厭わない。
Closed Prison《閉ざされた牢獄》で林檎の残弾の補給を絶ち一時的に優位に立ったが、銀製のスローインングナイフを粉砕して作り出した銀粉を血液中に流し込まれ死亡。 
ちなみにカインは本名ではなく、暗号(コードネーム)。由来は旧約聖書の創世記より「カイン」。余談ではあるが、カインは最初の吸血鬼という説がある。
アベル
バチカン市国対魔討伐部隊『Negators』第十三小隊第一班班長。人間。
アルタートランシルヴァニア建国の折、カインにより殺害される。
セト
バチカン市国対魔討伐部隊『Negators』第十三小隊第三班班長。
ロニがロナルド・ジェイムス・ディオを名乗り初めてからの古い友人であり同僚。
アルター・トランシルヴァニア建国に参加していることから人間ではなく吸血鬼である。
カインやアベルと同様に本名ではなく暗号。由来も同様である。
アダカール・アルパ
バチカン市国司祭枢機卿。対魔討伐部隊『Negators』を統括。
アルター・トランシルヴァニア建国の黒幕。
その正体は真祖アルカード・ツェペシュ。後述のアルカード・ツェペシュの項で詳しく記述する。
アダカールはアルカードの英字読みのアナグラム。
アルカード・ツェペシュ
夜の棲人の世界の元貴族。当時の爵位は「悪魔公の孫」。
元は真祖の吸血鬼だったが、聖杯の力によってただの人間に成り下がる。ツェペシュの血族を追放したカーミラ・カルンシュタインに憎悪を抱いており、復讐のために真祖から見れば下位である吸血鬼となる。彼女の孫である神良深憂の真祖の魔力に目を付け、彼女を神の代行者として君臨させ人間世界を吸血鬼の世界にすることで夜の棲人の世界の存在を打ち消そうとした。
カーミラ・カルンシュタインは彼の父であるヴラド・ツェペシュと伴侶としての関係にあったため、カーミラとは義母と義息子の関係だった。
激情家であり、どこか小物臭が漂う。
使用魔術はBlackSmith《武工》。
名前の由来は吸血鬼作品ではおなじみのドラキュラの逆さ読みのアナグラム。

 

夜の棲人の世界

カーミラ・カルンシュタイン
夜の棲人の世界、序列首位。真祖。爵位は姫帝を名乗っている。少なくとも1000歳を越えている(見た目年齢は20歳)。身長163cm。
プラチナブロンドと紅の瞳の持ち主。真祖の無限の魔力で吸血鬼の貴族の世界(=神の代行者の世界)である夜の棲人の世界を維持している。
今回の事件を予見していたが、夜の棲人の世界の議会制の政治であったために直接的には事件を阻止することができなかった。そのため、陽子や他の貴族に深憂と恭介の観測を任せた。また、自身も史文家のペットの烏に成り変わって観測者としての立場を取った。
かつて、アルカード・ツェペシュの父親であるヴラド・ツェペシュと伴侶関係を結び、序列の首位を彼に譲っていた。しかし、ツェペシュの血に潜む獣性を理由にツェペシュの血を聖杯の力をもって断絶させ、ツェペシュの血族の真祖達を人間として人間の世界に追放した。それがアルタートランシルヴァニア建国の原因となったカルンシュタインの血族に纏わる因縁を生む。
本編中では予見の能力と、無詠唱でのDe-Spellを行使している。
名前の由来はジョゼフ・シャルダン・レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」からカーミラ・カルンシュタイン。
余談ではあるが、本編では友人関係と記述しているものの、陽子とはいわゆる百合の関係であるという設定があった。本編では結局未出。本編EpisodeⅢ第二節でカーミラが陽子の胸元に触れるシーンはその設定がまだ使われる予定だった名残。
赤髭の男爵(あかひげのだんしゃく)
序列31位の貴族。真名はクラレンス・ギルボア・スカーレット。見た目年齢は55歳の初老の男。
情熱の赤髭と称される程に、多くの女を口説き愛しているという逸話がある。
現在は陽子に興味を示しているのか事ある毎に彼女を口説いているが、当の本人からは相手にされていない。本編中では触れていないが陽子のような幼く未発達な容姿をしている異性が好みらしく、陽子曰く「変態ロリコンジジイ」。
得意な魔術はCharm《魅了》。陽子への贈り物に罠のように仕込んだり見つめる視線に込めたりとやり方が老獪なスケベジジイであるが、その全ての策が陽子に見抜かれている。
名前の由来はマイナーな吸血鬼作品に登場していた人物の名前から。また、ファミリーネームは東方の吸血鬼姉妹から。

その他

岡田道彦(おかだみちひこ)
恭介のクラスメイトであり、悪友。森彼方市立撫蘭高校2年生、17歳。身長173cm。
典型的なスケベバカだが、情熱派。
実は貴族の吸血鬼だったが、満を持して登場した折、もうその手の展開に慣れてしまっていた恭介に軽くあしらわれる。
爵位は不明。本人は言いたがっているが、作者自身が彼の爵位を本編中に登場させる気がない。
渡辺結子(わたなべゆうこ)
道彦が好きな女子。森彼方市撫蘭高校2年生、16歳。
本当は本編中に絡ませる予定だったが、道彦関係のシナリオが都合上改変になったので一切の登場機会がなくなった。
窓に向かって机を飛ばすだけが今のところの個性。
金内環(かねうちたまき)
恭介のクラスの担任。国語教師。31歳既婚。
過去作品(未完)の登場人物で、これまた過去作品の登場人物と半ば強制的に既成事実を作って結婚したという設定で登場させている。

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