Neetel Inside ニートノベル
表紙

セックス†ヴァルキリー
汚れちまったひとめぼれ

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 一目ぼれというのはあまり別れないらしい。
 遺伝子がパッとその個体が自分に適しているかどうか選別してしまうのだと脳科学者がテレビで言い、俺たちはそれを簡単に鵜呑みにする。
 そう、俺は藤崎琴美に一発で心を奪われた。
 そうでなければ、傷はもっと浅くて済んだのに。
 すべて、お人よしなあいつが悪いのだ。





 四時間目の体育が終わって、男子が片づけをとっとと終えて購買部に走っていき、女子はスポーツタオルで汗をふきながらのんびりと教室に戻っていく。
 ところが俺は四人の女子に両腕を掴まれ、体育倉庫へと連行されていた。倉庫に入るなり突き飛ばされ、跳び箱に激突し背中に痛みが走る。
 女子生徒にいじめられている、というスレをVIPに立てたところ誰も同情してくれなかったが、その実情はひどいものだ。
 まず俺は大抵、その場で全裸になることを強要される。
 ご褒美どころじゃない。冬は寒いし、夏は一度脱いだべとべとの服をもう一度着る羽目になる。問題はそんなことではないのだろうが、いじめっ子の女子どもに陰茎を見られるのはもう慣れてしまったのでなんとも思わない。
 そしてなにより辛いのは、俺をいじめる女子四人の顔面が残念だということ。自分たちの咲き誇りぞこないの人生の鬱憤を晴らすためにこんなことをしているのだとしか思えない。
 女子たちはニヤニヤして俺を竹刀で小突き回す。時々本気で睾丸をぶち壊しそうな突きを見舞ってくるのでなめていると生殖不能の危機に見舞われる。
 俺の身体を青タンで斑状に染め上げると、今度はポケットティッシュが飛んでくる。
 抜けということだ。俯いたり目を瞑ることは許されない。
 俺は「芸人にしてはマシかな」という感じの女子のツラをまじめくさった顔で見上げながらペニスをしごく。中途半端な固さのペニスが不本意な性欲処理に異議を唱えている。
 ばれないくらいの感覚の瞬きの闇に、俺は藤崎の顔を浮かべた。びっくりするほどの小顔、垢抜けない黒髪のショートカット、片腕で抱きかかえられるほど細い身体……なのになまめかしく張った、あの瑞々しい肌。
 きっとそのとき、俺の眼には藤崎の顔が映っていたに違いない。
「あんた、琴美のこと好きなの?」
 規則的にペニスをしごいていた右手がびくくっと震えた。ははあんとリーダー格の片桐が手の平をあわせる。
「そおなんだ。へえ。あんたがねえ」
「な、なに言ってんだよ、んなこと」
「――取り押さえろ」
 急にドスのきいた声になった片桐の命令で、虹野と古式が俺の腕を左右から組んできた。
 女とは思えないすごい力で、俺は強制的に身体をひらかれた。ペニスの先にはまだティッシュがはりついていた。
 片桐がしゃがみこんで俺のペニスをしごく。いくらブサイクの手とはいえ女の手に童貞はひとたまりもなかった。
「うっ」
 女の手が作る仮想の膣のなかで、俺のおいなりさんがしくしくと泣いた。俺も泣きたかった。
 片桐は汚れたティッシュを丸めて床に捨てると、おそろしいものをジャージから取り出した。
 携帯である。一発で俺は片桐が何をしようとしているのか悟った。
「や、やめ」
 パシャッ。
 そこから先は流れる一秒が永遠に感じた。
 片桐は俺に見えるように携帯を構えた。アドレス帳。あ行からは行まで一回ずつゆっくりとボタンをプッシュする。叫ぼうとした俺の口は古式の手でふさがれていた。は行に到達。下におりていく。林、日野、福山、
 藤崎。
「む、うっ! むううううう――――――――!!!」
 添付される新しい日付の画像ファイル。あとは送信するだけ。
 片桐はにこっと笑って、
 送信した。
 送信完了の文字を見たときにはもう、俺のおいなりさんは爪の先ほどのサイズになってしまっていた。




 そしていま、俺は飛び箱の中にいる。最後の仕上げに四人衆に放り込まれたのだ。服はない。上履きと靴下だけ残されたのがみじめだった。なぜか携帯もちゃんと返してくれた。万一放置して死なれては困るということかもしれない。
 倉庫には鍵がかけられてしまった。なので、俺が発見されるのは放課後、女子バスケ部がボールを取り出しにきたときだろう。
 おいなりさんの先端についたティッシュの破片がどうしても取れない。これを見たら女子バスケ部の連中がどう思うか、いまから気が重い。
 空腹に耐えながら最悪の時を待つという素敵な青春を受け入れようと、跳び箱の中で身体を伸ばしたとき、鍵の開く音がした。
 片桐だろうか。俺は身を起こして、跳び箱の隙間から外を覗いた。
 西日が逆光して、よく見えない。が、女子二人が何か小声で言い争っている。大声を出してしまうとなにもかも爆発してしまうので、辛抱して囁いている、そんな声だった。
 肉を打つ音がした。どっと一人が倒れこみ、カシャンと何かが落ちた。眼鏡だろう、と俺はあたりをつけた。
 殴った方の女が鼻で笑った。片桐たちではない。隣のクラスの清川だ。
「あんた、あんなやつが好きだったなんてね」
 そういうと、なんと清川は倒れこんだ女子のまたぐらに顔をいきなり突っ込んだ。当然相手は抵抗する。俺の下腹部にふたたび血が集まり始めた。
 清川は突然の狂乱の末に、相手のパンツを奪い取ることに成功した。
 高々とレースのついた白いパンツを掲げる。
「かえして!」
 清川もAV出演拒否クラスの顔で十六年も生きてきたために頭が狂ったのだろう。俺にはそうとしか思えない。
 けたけた笑った清川はパンツを制服のポケットに仕舞うと携帯を取り出した。もう携帯会社は写メール機能を撤廃すべきである。
 清川は、眼鏡を落とした女子のスカートの中身を無理やり撮影した。あまりにもシュールな光景で俺が笑いそうになったのは言うまでもない。
「これ、あいつに送りつけてやったらどんな顔するだろうね如月?」
 やめて、と如月が言ったときにはもう、倉庫の扉に鍵がかかったところだった。
 如月の伸ばした手がむなしく閉じた扉をこする。
 どうやら隣のクラスの如月も俺と同じように性的いじめを受けていたらしい。ただし同性に。
 同じ日に似たような形で失恋した如月に俺は同情せざるをえなかった。
 狭い隙間から見える視界のなかで、如月は眼鏡を拾って膝を抱えて座り込み、しくしく泣き始めた。おそらく前方からはお宝が丸見えだろう。俺は跳び箱の配置を恨んだ。こうなっては役得のひとつくらい頂かなくては今日という日が割に合わない。
 それにしても如月は誰が好きだったのだろう。
 確か彼女は美術部員で、美術部には女子しかいないし顧問も女性だ。まァなんにせよイケメン野郎に違いない。死ねばいいのだ。
 そのとき、俺の足元で携帯から大音量で『天体観測』が流れ出し、俺は驚いて跳び箱の上段をぶち破って外に転がり出た。マッパだった。
「きゃあ!」
「うわあ!」
 俺と如月はM字開脚で向かい合った。
「……矢島くん」
 如月の目が俺の下腹部に釘づけになっていた。頬にどんどん赤みがさしてくる。
 気がついていないようだったが、そのときの如月も俺と同じようにお宝大開帳だったのである。
 薄かった。
 何かが俺の中で外れた。
 上履きと靴下の一張羅に自慢のイチモツをそそり立たせて、俺は如月に覆いかぶさった。如月は思い出したように足を閉じ、顔をそむけた。
 如月の胸は高校一年生にしては大きい。いつも見ていた俺だからわかるが藤崎の五倍はある。制服とブラの上からでも、押しつけた手の平が沈んでいくのがわかる。
 このとき、俺が考えていたのは、本当に如月が俺のことをすきなのかどうか、いつからすきなのか、どこがすきなのか、処女なのか、そんなことではなかった。
 ――いまを逃したら、一生童貞かもしれない。
 それだけだった。
 もうどうにでもなれと思った。
 俺は両手でブレザーの合わせ目をつかむと、「あっあっ」と抵抗する如月を無視して制服を破り壊した。上着、ブラウス、ブラと次々とぶっ壊して、
 青い静脈の浮いた大きなおっぱいを掘り当てた。




 上を攻めているときは獣のごとくだったが、下をという段になって手も足も出なくなった。それまで押し潰すように胸をもみしだいていた手がハムスターでもさわるようなおっかなびっくりで黒い茂みをそろそろ撫でるにいたって、如月がついにプッと噴出した。俺は赤面したはずだ。
 如月の冷たい手が俺の腕を掴み、動かした。
「そのへん……だと思う」
 まともに言葉を交わしたのはそれが最初だった。
 俺は、ん、と言葉にもならない返事をして、暗がりのなか、カンを頼りに突き進んだ。
 入った。
「……っ」
 びく、と如月のからだが跳ねる。息遣いが荒くなる。
 もっと痛がってくれていたら罪悪感で我に返っていたかもしれない。
 でも、そのときの痛みにこらえる如月は、桃色の唇をあさく噛んで、目を瞑って身をよじって、オスの暴走を煽っているとしか思えなかった。
 なにかで濡れた中を俺はゆっくりと動いて調子を確かめてから、いきなりスピードをあげた。
「あっ、んっ」
 揺れる如月をどこか冷めた自分が見下ろしている。身体の支配権を股間に奪われてしまったので、脳が退屈しているのかもしれない。
 如月に対して激しい軽蔑の情が湧いた。こんな風によがっている女は汚らわしいと思った。
 そう思えば思うほど、股間に力が集まっていく。
「やっ、な、なかで、おっ、きくなっ、あっあっ、ああっ!」
「はあはあはあはあ――――!」
 俺はそれまでL字型だった体位を変えた。上体を折り曲げ、足を後方に伸ばし、如月のおっぱいを二人の間で押し潰す形になった。
 すぐそばに、眼鏡を外した如月の上気した顔がある。戸惑ったような顔が狂おしく、いとおしい。
 ピストンの調子を速めた。それは俺自身のためというより、どんどん気持ちよくなっていく如月の顔が見たいがためだった。
「あっあっあっあっあっ」
 そのとき、いまのいままで忘れていた顔が俺の脳裏をよぎった。
 藤崎。
 自分はいま藤崎と繋がっているのだ、という妄想を考えた途端またおいなりさんが膨らんだ。
 見つめあいながらするべき妄想ではなかった。
 如月が真夜中に柱の影から顔を出しているお化けを見たような顔をして、俺はなにが起こったのか悟った。
 じわ――と如月の目にみるみる涙が盛り上がっていく。快感でこぼれていた喘ぎが、嗚咽に変わる。
 如月が手の平で俺の胸を押してどけようとした。俺はその手を掴んでマットに押しつけた。
 はじめて、如月が心の底から「嫌ッ!」と俺を拒否する叫びをあげた。
 それがまた俺のおいなりさんに火をつけた。
 いままで一番の興奮だった。身もだえして逃れようとする肉を上から圧迫して固定する。それでも抵抗はやまない。膣までもが俺のペニスを拒むような動きをしているよう。
 そして、如月は泣きながら腰を振った。屈辱と悲哀に襲われながらも、肉欲に身を委ね、肩から力を抜いた。目尻から流れる涙が真珠のように綺麗だ。
 綺麗でないわけがない。
 俺のために流された涙だ。
 さあフィニッシュだ、と俺の腰が勢いよく如月を突こうとしたとき、
 ガラッと扉が開いた。
「矢島く――」
 藤崎琴美がそこにいた。
 手には開いたままの携帯を持って。
 そこには、体育倉庫で射精したばかりのへなったおいなりさんをさらした俺が映っている。
 そうだった。
 藤崎琴美は、お人よしで有名なのだ。
「ふじさ」
 き、と言おうとしたとき、身体の下から伸びてきた手が俺の背中を抱きかかえて、如月の方に引き寄せた。抵抗できない力だった。
 それがとどめとなった。
「うっ――――」
 俺はおっぱいの中に口をうずめた。
 如月が恍惚とした表情で俺を見ている。繋がったペニスから伝った精液が、膣の外に零れだし、俺の足を汚した。
 繋がったまま、朦朧とした意識で、ちらっと開かれた扉を見ると、藤崎琴美の姿はもうどこにもなかった。幻だったのかもしれない。最初から俺と如月は体育倉庫を開けっ放しで、五時間目の真っ最中に擬似青姦していただけなのかもしれない。
 どちらにしても、同じことだ。
 俺と藤崎の間にある縁は、完全に絶たれてしまったのだから。
「うっ、うっ、うっ」
 射精の呻きではない。
 俺は如月のおっぱいに胸を埋めて、男泣きした。目玉が零れ落ちてしまうのではないかというくらい、声を押し殺して泣きに泣いた。
 俺が泣き止むまで、如月は俺の頭をなでてくれていた。


       

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淫夢あい(16) 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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