ももは色白で、ぷにぷにとした肌の美少女だ。
俺はこのももって奴を、さっき河原で拾って来たんだ。
河を流れてきたんだ。だから、ももって名前を、俺はさっきつけた。
「けほっけほっ」
ももが起きた。
実はさっきまで眠っていたんだ。俺のダニだらけの汚い布団の上でももは裸で眠っていたんだ。俺の布団はずぶ濡れのもものせいで湿り、さらに汚くなってしまったが、まあいい。
「?」
ももは体を起こすと、きょとんとしたリスみたいな顔で俺を見詰めてきた。
俺はももの大きな黒目に吸い込まれそうになって、思わず目をそらした。
「けほっ……けほっ!」
ももが咽ている。ももの白い首の中の小さな声帯から発せられる鈴の様な音色に、俺はきゅんと胸を締め付けられた。
「大丈夫か?」
3メートル離れた所から俺は声をかけた。ももが逃げない様に玄関の前に立っていたのだ。
ももはコクンと小さく頷いた。