Neetel Inside 文芸新都
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ある男の叫び
1.ある男の叫び

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一瞬も信じられない。
自信を持つ?
僕にどうしろというのか
何もできない。
何もしたくない。
このまま一つの生物としてこの人生を終えたい。
しかし社会は厳しく、
他人の役に立たねば生きていくことを許されないらしい。
ならば社会を捨てるか?
いや、社会に捨てられるのか。


他人からの評価に関心を持たないまま、今までの人生を過ごしてきた。
自分を好きな人が、何故自分を好きなのかがわからない。
自分を嫌いな人が、何故自分を嫌いなのかがわからない。
それで良いと思っていた。そんなものだと思っていた。


どうせ自分の考えは自分にしか理解できないものだし、
他人の考えの本当のところは、他人にしか分からないのだから。


基本的に、人に好かれなかった。嫌われもしなかった。
空気のように存在感が希薄で、むしろ周囲からほのかな憐れみすら受けていた。
そのことに気付いたのすら、最近になってのことだった。
世の中は優しく僕を腐らせた。
いや、自ら腐ったのは自分自身か。


今さらどうすればいい?
今になって、過去何年間も人間関係を積み上げてきた人に、僕は至れるのか?
その間に何をするわけでもなく、ただ無為に時間を潰してきた自分が?
何をするにも飽きっぽく、大雑把にしか物事を解決できない自分が?


誰か、僕を導いてくれ。
僕は僕の面倒を見ることができない。
誰か僕に命令してくれ。
誰か、僕に救いを求めてくれ。
僕は自分のために生きられない。


僕の命は、僕にとって限りなく軽い。
最近、自分以外のみんなを殺したいという思いと、自分が死にたいという思いがしょっちゅう頭に浮かぶ。


誰か助けてくれ。

       

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