Neetel Inside 文芸新都
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文芸クリスマス企画~あんち☆くりすます~
食べればメリー・クリスマス!/岩倉キノコ

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三田「悪戯好きの三田だ」
中井「同じく悪戯好きの中井だ」

三田「二人合わせてサンタ(三田)&トナイナカイ(中井)だ」
中井「三田、何だその胡散臭い付け髭は」
三田「中井、おまえこそ何だ。その胡散臭い角カチューシャ」
中井「今日は僕らでホット&クールなアンチクリスマスライフを提案してみたい」
三田「胡散臭い僕らのいでたちはスルーか」


中井「僕らは今、人里離れた国道の休憩所にいる」
三田「閑散としているな」
中井「そこへちょうどイカした爺さん(65歳くらい)がバイクで通りかかった。これから町へ向けて峠越えらしい。荷台には……、ケーキ、ケーキの箱がつんである!」
三田「嬉しそうだな中井」
中井「早速だがターゲットをあの爺さんに決定する」
三田「中井、サンタの傅きである分際で勝手に決定するな」
中井「爺さんが便所へ行っている隙に、バイクへ悪戯しに行くぞ。レッツラゴウ!」
三田「またスルーかよ」


中井「それにしても爺さんめ、忌々しいぜ。年寄りの分際でハーレイ・ダビッドソンなんかに乗りやがって。かっこいいじゃないか、ちくしょう!」
三田「中井、原付免停だったな」
中井「僕らが手を皸だらけにして働き治めた年金をこんな高級バイクにつぎ込んでいるとは許せん! 僕だって早く歳食って年金もらいたいぞ」
三田「中井、ニートのおまえは親が払っているはずだぜ」
中井「こんなバイク蹴り倒してやる。エイ!」
三田「またもやスルーかよ」


中井「おおお~、そうだ。バイクを蹴り倒す前にこのケーキだけは貰っておこう」
三田「勿体無いからな」
中井「どうせこれも可愛い孫にやるリア充ジジイのハッピーアイテムだろ。そんな物、僕が食っちゃる!」
三田「老い先短い年寄りの、唯一無二である楽しみをぶんどるその卑劣さ。中井、BJ!」


中井「おおっ、爺さんが便所から戻ってくるぞ。早くずらかれ~」
三田「僕はここに残る」
中井「どうした三田、見つかったら殺されるぞ! それともおまえ、裏切る気か?」
三田「いや、別に。ただの気まぐれだ」
中井「兎に角僕は逃げるぞ。あばよ三田! 達者でな~」



――――――小一時間後。



女の子「アン、アン、アン、アン、アン、アン、アン、アン、ア……」
三田「いや~、ご老体、全くもって感服の限りですよ。この寒い中、僕をバイクに乗せてくれたうえ、こんな素敵な歓楽街へ連れてきて下さるなんて」
爺「なぁに、わしだってたまにゃ現実逃避くらいするさ。毎年橇なんか駆って律儀にプレゼントを配ってなんかおれんよ。アホらしい」
女の子「アン、アン、アン、アン、アン、アン、アン、ア……」
三田「そのおかげで僕はこうして本物のサンタさんと風俗店めぐりができる訳ですね、ははは。楽しいな~」
爺「ラッキーじゃったね君は。わしとおればいくらでもサンタさん好きな女の子がご奉仕にきてくれるぞ、フォッフォッフォッフォッフォ~」
三田「因みにご老体、あのケーキの箱はお孫さんへの……」
爺「ああ、あげなもんどーでもよい。あれは単なるわしのウンコじゃ」
三田「そうですか~。そうでしたか~」
爺「途中よった別の休憩所でな、水道管が凍結したらしくて便所が使用禁止になっておったんじゃよ。それでとっさに見つけたケーキの箱にやちまったんじゃ」
三田「そうでしたか。なるほど」
爺「皆のアイドルであるこのわしに孫なんかおりゃせんよ。フォッフォッフォ」
三田「ですよね~」
――てことは中井のやつ今頃ウンコ……。
爺「この店の女の子にはそろそろ飽きたのう。三田君、次の店へ行こうかね」
三田「御意!」
――よかったな中井、滅多にない経験ができて。でもおまえ、もっとクリスマスが嫌いになったかもな。メリークリスマス。おめでとう中井。



おしまい





何か色々スイマセン。そして一作目では指摘コメントありがとうございました!
今日自分が此処でこうしているってことも重要な確定要素かと思い二作目を投稿しました。

キノコ

       

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