Neetel Inside ニートノベル
表紙

レイプレイプレイプ!
rap4. 葛原丘の巫女4

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 この数日の内に妖魔の気配がなくなった釜倉に、ぽつんと一匹妖魔がいた。若い男の風貌で、ぎらりと光る瞳が鋭利な刃物を思わせる。頬はこけて体は不自然に痩せていた。肉がそげ落ち、骨格が浮き出た体躯はどこか甲殻類に似ていた。
 その体を包むは七宝柄を備えた濃紺の着流し。灰の帯には蜘蛛の巣のような模様。
 神奈河は横濱を統べるホウキ、その傘下にあって唯一の雄淫魔、バクである。円角寺の隠れ身の結界を知るほどに、カイとは親交を持っていた。
 今は式者の気配もない。ぐるりとあたりを見回し、彼は結界の内に入り込んだ。
 一刹那を置き、すん、と鼻をひくつかせた。
 若い人間の雌の匂い。その中にほんの微かに混じる甘い蜜のような匂い。人間の雌が発情させられている。ざらついた舌が、渇いた唇をぺろりと舐めた。

 バクがまず入ったのは円角寺の一室、カイ達が普段茶をすすっている小さな部屋だ。座敷に大きめの木のテーブルが置かれている。いつも置かれている茶器の類は今はない。
 珍客にキョウがわずかに目を見開いた。
「バク……?」
「よぉ。久しいな」
「カイならいないよ。もうしばらく帰ってない」
「……そのことだ。旦那がしくじった」
 思わず、キョウが息を呑んだ。
「まだ死んじゃいない。が、式者にやられた傷が治らねぇ……一回目を醒ましたっきり、呻くくらいで意識が戻らん。ありゃいつまで持つかわからねぇなァ」
「……そんな……」
 今までだってずっと格上の式者と戦い、カイはその全てを振り払ってきた。それを誰より近くで見てきたのがキョウだ。死に瀕しているカイを想像も出来なかったし、その言葉も到底信じられるものではなかった。
「今はトウ姫様が面倒をみてらっしゃる。横濱も式者がうろついてるが、ホウキ様の屋敷まで潜り込めば、ひとまず安全なだろう。最後になるかもしれん。行ってやれ」
 言葉が出てこなかった。頭は思い浮かんだ現実を否定しているのに、バクの言葉が真実だと直感が告げていた。
「……結界の外に式者は?」
「釜倉に入ってから何人か殺ったなァ。今は居ないはずだ」
「……行ってくる。留守を頼めるかい?」
 他に選択肢がなかった。カイの姿を見るまで、気持ちが落ち着きそうにない。
「ああ。人間の雌は好きにさせてもらうぞ」
「勝手にしな。ただ壊すなよ、カイのなんだから」
「無論」
「ったくこんな時にもオトコってのはどうしようもねぇ……。結衣、出ておいで!」
 隣の部屋で会話を盗み聞きしていた結衣は、襖を開けてすぐに姿を見せることになった。
「アタシが戻るまで、こいつの言うことをきいてな」
 それだけを言い残し、キョウは足早に結界の出口へと向かった。拒否権はない結衣は、警戒した瞳でバクを見つめたままだ。
「ほぅ……さすがは旦那。こんな上玉を抱えているとは。巫女装束を着てるってことは式者だったのかァ?」
 バクが薄く笑う。結衣は嫌悪を隠さず、ギリと唇を噛んで見知らぬ妖魔を睨んだ。
 他にできることは、覚悟を決めるくらいしかなかった。
「くく、さっそく可愛がってやるよ。ほら、服を脱ぎな」
(……ゲスめ……)
 ふつりと憎悪の炎が揺らめく。
 感情を押し殺し、彼女は衣類をはだけた。バクに寝所へと押し込まれる。何度目かになるレイプも、決して心が順応することはなさそうだった。

◆◆◆

 少女特有の、未成熟ながら瑞々しい体が惜しげもなく曝されている。手を後ろに回すように言われているため、胸も恥部も一切隠されていない。その上、淫毒に侵されている体は欲情を隠せなかった。まだまだ成長を続ける胸の上で乳頭が勃起し、淫裂からは蜜が内股へと滴っている。
 裸体をつぶさに観察された。ささやかな抵抗に、羞恥心で真っ赤になった顔を伏せる。
 視姦が終わると、味見とばかりに彼女の体に手が伸びた。柔らかさを楽しむように、乳房や臀部の肉を弄ばれる。じくじくとした性感を感じ、秘所に手が伸びると、結衣の口から「ぁ……」と蚊の鳴くような声が漏れた。触れられてしまえば、発情しきった体は従順に反応してしまう。屈辱だった。
(……くそ……)
「ははは、体は素直なのに、随分と反抗的な目をするんだなァ。気にいった。念入りに犯してやるから、覚悟しろよ?」
 バクがその手から手品のように球状の物体を取り出した。シャボン玉のようにも見えるが、割れる様子はない。結衣の胸の蕾にくっつけられる。シャボン玉は粘着性のある透明の薄膜によって構成され、その中にはやや黄味がかかった粘液がたぷんと揺れていた。薄膜が皮膚とくっついてはいるが、黄色の粘液とは接触していない状態にある。
「ソイツの中身は察しの通り淫毒だ。もっとも、包口蟲なんかとは比べものにならないくらいきっついのだがなァ。まァ発動には制約もあるから安心してくれていい。あんたが条件を満たさない限り、ソイツが割れることはない。その上三十分で消えちまう儚いシャボン玉だ」
 結衣は不審な表情を浮かべてその妖魔を見た。妖魔の話がどこまで本当なのかは疑わしいとは思っているものの、つい耳を貸してしまっている。
「シャボンが割れる条件は、あんたが自分の意志で声を出すこと。俺の命令なんかの発声じゃ条件は満たされない。ま、とにかく三十分黙ってりゃあ良いってことだ。そうすれば少なくとも今日一日はこの妖術の対象になることはない。なァ? 簡単な条件だと思うだろ?」
 そう言いながら、妖魔は大きめのシャボンを結衣の菊門に擦りつけた。
「ま、そんなところだ。何か質問はあるかい? 今なら何でも答えてやるぜ」
「…………」
 結衣は忌々しそうにバクを睨み付けた。
 質問など出来るはずがない。もうシャボンは三カ所も接着されているのだから。
「へっへっへ。そう怖い目で見るなよ。ちょっとしたジョークって奴だ。ブービートラップって程のもんでもないだろう」
 バクはにやにやと薄気味悪い笑いを浮かべた。
「まずはそこに寝転がって、脚をM字に開け」
 言われた通りにするしかない。心なしか湿気を帯びた敷き布団の感触を背に、結衣は脚を開いた。連日キョウの淫毒を体内に取り込んでいる体は貪欲に快楽を求め、秘所は愛液で湿っている。何度も見られたことはあるが、よく知りもしない輩に恥部を見られるのは、どうあっても耐え難い恥辱にしかならなかった。
 彼女の顔は紅潮していく。が、本当の恥辱が始まるのはこれからだ。
「さて、じゃあ左手の人指し指と中指を使って、クリトリスを弄くり回せ。声を上げて感じるくらい、自分の体をじっくりねちねちと慰めろ」
(ッ……この野郎……!)
 思わずそんな言葉が口から飛び出しそうになった。自らは手を下さず、公開オナニーを強要させるという下卑た命令に、反射的にあげかけた罵声を押さえ込む。
 はっとなって喉元まで出かけた文句を呑み込んだ時には、左手が秘所から愛液を掬っていた。とろりとした愛液を淫核に絡め、自らの指でその敏感な肉を蹂躙する。初めは丁寧に、撫でるようにこね回し、わずかに押しつぶす。
「んっ……!」
 出すまいと思っていた声が、どうしても堪えきれなかった。口を閉じてどうにか押し殺したものの、明らかに淫魔には聞こえていたはずだ。
 ただどうやらその程度ではシャボン玉は割れないらしい。あるいは口を閉じていたために、条件を満たさなかったのかもしれない。
 そのことに安堵の息を漏らす間もなく、少女の花芯が指責めに曝される。
 円を描くように指を蠢かせ、軽く叩き、指ではさみ込み、扱き、ひっぱり、押しつぶし、ゆするように振動させ、ぐりぐりとこねくり回す。どの動作も緩慢で、決して激しくはない。バクの命令を忠実に守り、結衣の愛欲を炙るようにねちねちと、器用に彼女の指は踊った。
(その触り方……感じる、の、にぃ……!!)
 自分がどうされれば感じるのか、気持ちいいのか、結衣はいやというほどキョウに覚え込まされている。彼女の指は憎らしいほど丁寧にそれを再現して見せた。声こそ上げていないものの、否応なしに息は乱され、体の芯に熱が溜まっていく。
(こいつ……こうやって、嬌声を上げさせる、つもりなんだ……)
 くちゅくちゅくちゅくちゅ……。
 粘液が指に絡まる音が聞こえる。意識に靄がかかり始める。もう何度も味わった。理性が溶けていく時の感覚。子宮が疼く。
(大丈夫……。感じたくらいで、声は上げない。痛みだって、声を出さずに耐えられるんだから)
「右手の中指を膣の中に入れて、肉壁をゆっくり擦り上げろ。両手ともイキそうになったら、動作を緩慢にして焦らしてやれ」
 言われるまま、結衣の中指が膣に潜っていく。数日間待ちわびた秘所への刺激に、たまらずイキそうになり、ぴたりと結衣の指が止まった。
 キョウにも絶頂を止められ、その上強制オナニーでも焦らされる。より絶頂に近い状態での寸止めが、結衣の精神を容赦なく追い込んでいく。
(う、うぅ……)
 息は乱されたまま、陰部への指の注挿が再開された。柔らかな肉のひだを一つ一つ確かめるように這い、撫で上げていく。
「はぁっ……くぅ……んっ!」
 真一文字に閉ざされた口からは、喉の奥に押し込まれた嬌声が漏れだそうとしていた。淫核を二指がきゅっとつまみ、残酷なほど甘い快楽を体に注ぎ込む。イキそうになれば、緩やかに撫で、絶頂の波が引けばすぐさま肉芽を扱きだす。
(感じてる、ぅ……ぁ……声を、上げなければ……いい……それだけ……)
 朦朧とし始めた意識の中で、自己暗示を掛けるように、言葉を繰り返す。祈りのように。
「おいおい、指が頻繁に止まってるぞ。自分のまんこがどうやって弄くりまわされてるか、その目でよくみてみろ」
 首をあげ、自分の両手が伸びる秘所を覗き込まされる。左手は軟体動物のように蠢いてクリトリスを責めたて、右手の中指は愛液をてろてろと光りながら、何度も秘所に出入りしていた。
(あ……ああ、あぁ……)
 その光景を見て、結衣の心にひびが入る。
(こんなの……こんなの我慢できるわけない……女の子の、雌の、下半身を……こんな風にされて……)
 誰よりも自分の悦ばせ方を知っている指が、的確に雌の部分を、雌の肉だけを辱めている。まるで自分自身に犯されているような倒錯的な感情が、精神を支配していく気がした。
「いい顔になってきたなァ。イキそうになったら、そうだなァ……おまんこイクって言ってみろ。なァに、これは命令だからシャボンは割れねぇ。何も気にせず叫ぶと良い」
 また卑語だ、と結衣は思う。卑語を言わされることは最も恥辱に感じることの一つだった。言う度に、自分が人間として持っているべき尊厳が失われていく感覚がするのだ。妖魔がそれを分かった上で言わせているのに、抵抗の術がないことがなにより悔しい。それに、眼前で自分の両腕が秘所に殺到し、その細い指で秘所がめちゃめちゃに責められているという扇情的な光景が飛び込んでくる状況ではすぐに……。
「おまんこ、い、イク……」
 そう言ったところで、結衣の指は決して彼女を満足をさせてくれない。味覚以外の全ての感覚が、自分が責められ、発情していることを叩きつけてくるだけ。絶頂の波がひくとすぐに淫核を弄び、膣を掻き混ぜ、決して彼女を休ませてはくれない。
「へへへ。いい鳴き声だァ。もうちっと聞かせてくれよ。まだまだ時間はあるしなァ」
 少女には一心不乱に秘所を悦ばす両手の先が、何か別の生き物のように見えた。
「……おまんこイク、イクぅ……」
「はっはっはっはっは!!! こいつは傑作だァ! こんな強気な嬢ちゃんがアヘ顔晒しながら、公開オナニーたァな! しかも実況付きときた。我ながら良い思いつきだったぜぇ!」
(ちくしょう……! ちくしょうちくしょうちくしょう!!)
 そんな苛立ちも、憎悪も、すぐに快楽に押し流されて消えてしまう。
(……指が、くそ……う……あ……)
 激情が快楽に溶かされていく。きっと睨んだ瞳が焦点をぼかしていく。
 次第に悦楽に溺れていく少女を見ながら、バクの顔に薄汚い笑みが広がる。
(やだ……やだ、やだ……! もういっそイカせてよ……何度も、言いたくない……!)
「ふぁ……ん……ぁ……おまんこイク……!」
 指が止まる。じりじりと蠢く。また止まり、程なくして終わらない陵辱が再開される。
 一回寸止めされる度に、確実に結衣の心は蝕まれていった。
「淫毒とか媚薬ってものにはなァ、二つの種類があるんだ」
 耳を貸す余裕などないのに、バクの言葉は自然と頭に残った。
「一つは体の感度を上げるもの。お前さんの体にくっついてるシャボンの中身なんかがそうだな。もう一つは脳に働き掛けるもの。淫魔の精液なんかだな。本来、人間の雌にとって快楽信号は選択的だ。同じ触られ方をしたって、感情一つで刺激に対する認識は全く違うものになる。ところがこの手の淫毒に侵されると、脳が快楽信号を全て強烈な快感に変換する。今のお前さんなら良くわかるだろう?」
 それは問いかけの形をとっただけの、断定だった。自慰を命令され、為す術もなく痴態を晒している少女に、反駁(はんばく)の言葉などあるはずもない。
 右手が上下に動く度、膣から愛液が掻き出され、ひくひく陰唇がわなないた。左手はねぶりつくすように肉芽を弄り回し、少女の体を悦ばし続ける。すでに忍耐の限界を超えた華奢な体は、まだまだ快楽責めから解放されそうにない。
「妖魔のレイプは、チンポを突っ込んで精液をはき出すことじゃねぇ。毒を使い、雌の理性を剥ぎ取って、とろとろになったまんこと剥き出しの本能に、性欲処理専用の家畜だってことを思い知らせる、理性的な暴力だ。雌犬、今後のお前の未来をちゃんと理解したかァ?」
 したはずがない。したいはずがない。だが、結衣が見ることを強要されている、その眼前の光景が、彼女の反抗心を根こそぎ薙ぎ倒していく。少女の秘所を犯す、自分自身の腕、手、指に、悦ばされている丸裸の雌の本能。
(誰か……助けて……)
 どこの世界にも、請われ現れる神などいない。
 言わされる。
「おまんこイク……おまんこイク……!」
 イク寸前で刺激が止まる。
 当然だ。徹底的に犯し、雌の理性をぶち壊すという純粋な理性に、妖魔の本能など一欠片もない。このレイプは少女の精神的敗北によってしか終わりえない。あるいは――。
「へへっそろそろ限界かァ? イカさせて欲しいだろう? 家畜らしく媚びろ」
 命令だ。だから、結衣に自由意志はない。
「……い……」
「ああ?」
「……イカせて、ください……」
「ダメだな。もっと雌犬らしくしろよ」
 重なる命令。
「……結衣の……おまんこ……イカせてください……お願いします……」
 キョウに言わされたことと同じ台詞が、口から零れていく。
「もう一回聞きてぇなァ!」
「……結衣の」             、、、、
 とっくに限界だった。全てを諦めて、そう口にした瞬間だった。
「へへへ、ミスったな」
 バクが得意げに笑う。
 一瞬、なんのことか分からなかった。気付いたのは胸に暖かい粘液が触れたその時だった。
「あ……ああ……!」
 シャボン玉の接着した部分が消え失せ、皮膚から吸収される淫毒が体を侵していく。両の胸、特に桃色の蕾はちりちりと熱を持ち始めた。尻穴も、ひくひくと小さく痙攣している。
(最後のだけ、命令じゃなかった)
 何もかもがもう遅い。黄色の粘液はすっかり浸透し、両胸の先や菊門が熱く疼き始めていた。
「手を止めろ。良いと言うまで動くな」
 どうしようもなかった。両手を腰の横に置き、裸体を曝すしか。
 控えめな結衣の胸の膨らみ、その一方にバクの手が伸び、柔らかな肉をぐにゃりと掴んだ。
「ひっ……ぁ……!」
 乳房から全身に広がる快楽は、もはや質が違っていた。鈍く芯に溜まるような快楽ではなく、さながら性器の肉を撫で回されたような鮮烈な愉悦だ。
(これ……ダメだ……胸で、絶頂できちゃう……イかされちゃう……)
 絶望的な悦びだった。人間ではあり得ない快楽の享受は、妖魔の家畜であることの証明のように感じた。
 けれど動けない。逃げ出せない。その性感を受け続ける以外に選択肢はない。
「胸を揉まれるだけで、まんこを抉られるよりも気持ちいいだろ? だがまァ安心しろよ、淫毒が直接染みこんだ乳首は、クリでも比べものにならないほどえげつない肉悦を喰らわすからなァ……!」
「……やだ、ゆるして……やだぁ……!」
 初めて懇願する。プライドも何もかも投げ捨て、ただ怖くて許しを請う。
 そうなった雌を嬲り尽くすのが妖魔の言うレイプなのだ。
 少女の体は自身の指にいたぶられ、すでに限界だった。その上でさらに陵辱される。乳房の肉がバクの手の中で弄ばれるだけで、頭にバチバチ快楽が弾けた。
 バクの口内に乳頭が呑み込まれる。どろどろの唾液がかかり、舌が触れ、吸われ、ねぶられ、蹂躙される。
「や、だ……イク……イク、イクイクイクイクっ!!!!!」
 頭が真っ白になった。膣が痙攣を繰り返し、子宮がきゅうっと締まる。背中を力の限り仰け反らせ、結衣は果てた。絶頂の波は幾度も訪れ、その度に体を震わせた。秘所から濁った愛液が垂れ流され、焦点の失われた瞳は中空を捉えるだけだ。
(……うそだ……胸だけでイカされた……こんなの……)
 ぐにゃっと手つかずの方の胸が揉まれた。何度も繰り返し。
「ふぁあ……! あんっ……! やぁ……っくぅう!」
 膣をペニスで何度も何度も突かれているような、耐え難い快楽が襲った。
「何を呆けてやがるんだァ? こっちの胸でもだらしないアヘ顔を晒せよ」
「……お願い、だっ……から……許して……」
 聞く耳など持つはずがない。
「ははははは! 冗談が過ぎるぜ、まだまだここで楽しませて貰うに決まってるだろ?」
 乳首はクリトリスよりもずっと嬲りやすい形状で、なおかついたぶりやすい位置にある。さらに口で咥えやすく、同時に乳房を愛撫出来る。性器以上の性感帯に作り替えられたそんな部位が、二カ所も露出している。
(性欲処理専用の……家畜……)
 バクに言われた言葉が、どうしようもなく頭を過ぎった。
「へへ、こうしてみるとプリプリしてて、なかなか旨そうな肉だなァ」
 チュプ……。
 未成熟な胸の蕾が、口淫陵辱の中に呑み込まれた。
「はぁぅ……あっ、あっ……ぁんんっ……無理ぃ……我慢……できるわけないよぉ……!」
(イク……イク……家畜にされちゃう……妖魔の家畜……)
「いやぁ……! やだ、やだ……や……あっあっあっ……! ひぅ……ひぃん……! やだよぉ……いや……ひっ、んっ……いやあああああああああああ!!!!!!」
 二度目の絶頂。胸でイかされるという人外の肉悦を受けいれることは、少女に性奴隷としての実感を植え付けるに十分過ぎた。
「さて……次は尻だな」
 雄淫魔は心底愉快そうに唇の端を釣り上げた。

     

「うっぐ……ひゃだぁ……やめてよぉ……」
 哀願だった。ぼろぼろ涙を流しながら、結衣が必死に訴えている。
「なんだ、もう降参かァ? 気合いが足りねぇなァ!」
 耳に届くざらついた哄笑が、結衣の不安を加速させる。
「仕方ねぇなァ……。まァとりあえず誠意はみせろや」
 バクの浴衣の裾から、凶悪な形のペニスが露出した。太さや長さはキョウのモノとそれほど変わらないが、棹の形状が人間のそれとは明らかに異なっている。亀頭を連ねたようにカリのような反り返しが幾段もあり、それぞれの反り返しも段が高い。
 挿入されたら……、と思うと恐怖がこみ上げると同時に、無意識下で期待もしてしまっていた。あの形状で肉ひだを擦られ、秘所を蹂躙されたら、すぐに達してしまうことは容易に想像できた。
「舐めろよ」
 抵抗は出来ない。
 結衣は仁王立ちするバクの前に正座するように腰を落とし、恐る恐るその剛直に手を伸ばした。触れた肉棒は熱を持って熱く、脈動を繰り返している。おっかなびっくり口に含み、舌を這わせると、淫魔独特の精液の味がした。雄淫魔の精液は、雌を犯すことに特化しているためか、不快感はない。人間のように生臭さもなく、精神的な不快感を除けば、不思議といつまでも味わいたくなるような味がした。麻薬のようだった。
 ペニスの形状を確かめるように、結衣は唇とすぼめて、ゆっくりと肉棒を呑み込んでいった。口の中に唾液を溜め、吸いつきながら、唇と舌を使って丹念に奉仕した。限度一杯まで呑み込み、精液を絞りとるように口淫を施す。
「おうおう、中々上手いじゃねぇか。キョウによく教育されたみたいだなァ」
 これ以上の陵辱を受けたくない一心だった。そんな少女の健気な抵抗を嘲るように、バクはこっそりと手の内に生物を召還した。濁った緑の体は全てゲル状で、中心に赤い核のようなものがある。放つ匂いは不思議と良く、花の蜜のように微かに甘い香りがした。バクのお気に入りのスライムだ。体中の硬度を自由に変えることが出来るこの生物は、雌の性器などに入り込み、人間はもちろんのこと、妖魔さえ実現できない快楽地獄に堕とすことが出来る。何せ軟体生物だ。子宮を揺さぶるピストンをしながら、GスポットやPを抉り、膣全体の肉ひだを舐め回すことができたりする。こと雌を陵辱することにかけては最高峰の生物だった。
「そのまま咥えてろよ」
 ペニスにしゃぶり付く結衣の背後に、べちゃりとスライムを落とした。驚く結衣は口から陰茎を離せず、振り返ることはできない。その間にスライムは結衣の秘所から腰にかけてにからみつき、ちょうど下着のようにその肌を覆った。
「ちょっと風変わりなスライムだ。まァじっくり味わえや」
 まとわりついたスライムは、まず結衣の皮に覆われた肉芽を剥き出しにした。花芯にねっとりとその体を絡みつかせると、淫核の根本をほんのかすかにバイブレーションさせ、それ自体をこねくり回し始めた。
「あ……ふぁ……! ひっ……う……ぁああ……!」
 精密機械のような淫核責めに、たまらず嬌声が上がった。スライムにとってはほんのささやかな愛撫だったが、発情させられた結衣にとっては耐え難い快楽だ。
 絶頂するようなものではないものの、結衣の秘所から蜜が滴るのに時間はかからなかった。
 人外の快楽に曝されながら、口での奉仕を強要される。その状況だけでも、結衣の目に涙が溜まるのも不思議ではない。
 だが状況はまだまだ悪くなっていく。
 バクの強力な催淫液が塗り込まれた尻穴に、不意にビー玉大のスライムが入り込んだ。ゴムのような触感。異物が侵入したアナルから、感じたこともない刺激が襲う。遅れてそれが今まで知らなかった快楽だと気付いた。
(な……え……?)
 戸惑う結衣に、さらにスライムが侵入する。次第に侵入するスライムは大きくなり、お尻の活躍筋が押し広げられていく。その度に不可解な快楽信号が駆け抜けた。それは紛れもなく「慣らし」で、その手の性知識に乏しい結衣でもお尻を開発調教されていることくらいは分かった。
「やだ……やめて……! さっきやめるって言ったのに……」
「そんなこと言ってねーよバァーカ」
 バクは渇いた笑い声をあげる。
「口は堪能させてもらったからもういいなァ。ていうか、お前自分が家畜だって自覚ないだろ? よく身の程を思い知れよ」
 両足はスライムに拘束され、ぴくりとも動かすことは出来なかった。腕もすぐに絡めとられ、後ろ手に拘束される。体の自由を完全に奪われると、更なる肛虐が始まった。
 十数個のビー玉大スライムが入ると、結衣の腸の中はスライムで充満した。粗食しか口にしなかった結衣の中にはほとんど便がなかったが、わずかに残ったそれらはスライムによって分子レベルで分解された。綺麗に洗浄された腸内は蜜の匂いが染みついていく。こうして少女の体を慰み物として改善していくのだ。さながら人間が食用の動物を品種改良でもするように。
 十分匂いが染みつくと、スライムは数珠状になってはい出ていく。先ほどよりもやや大きな球の形をとり、結衣の菊門から一個ずつ取り出されていく。
「ひぅ……うう……うあ……」
 その度に喘ぎ声が漏れる。抜き出される時の感覚は形容しがたく、ただ一個取り出されるごとにずしりと重い肉悦が体に溜まるような心地がした。
 全てが抜きだされると、再度スライムが肛門に入る。やはり先ほどよりもやや大きい珠になって、結衣の括約筋を緩めていく。
「うぐぅ……ぐ……あ、づぅ……」
 そして引き抜かれる。今度はいくつかの珠が連なって排出されたりもした。
「ひゃ……あが……ふぁ、ああ、あ、あ、あ、あ……」
 ヒクと、膣が締まった。ほんの数回アナルを責められただけだというのに、もう絶頂の気配がしていた。
 そんな彼女の事情などおかまいなしに、今度は螺旋状に硬化したスライムがアナルにねじ込まれていく。そのアナル開発の間もクリ責めは継続されていて、菊門から感じる肉悦と花芯からの快楽が混じり合い、結衣から理性を削ぎ落としていた。
「あっ、えぅ……はっ、……あああああああああああああぁぁぁぁ……」
 仕上げに細長いペニス形状のスライムが出てくる。
「ふぇ……あ、ひ……あ、あ、あああああ……っくぅ……!」
 カリが引っかかり、ちゅぽんと音を立てて結衣の肛門からはき出された。何度もスライムの肛虐を受けた尻穴は、塞がらずにひくひくと蠢きながら虚空の穴を曝していた。
(最後……本当にイっちゃいそうだった……)
「呆けてないでケツをこっちに向けろよ」
 ガチガチに勃起したバクのペニスが目に映る。ここにきてようやく結衣はあの形状が雌の尻を責めるためのモノだと気が付いた。一瞬前の絶頂の予感を思い出し、ぶるりと体が震える。
 抵抗することは叶わない。四つん這いになって、括約筋の緩んだお尻の穴をバクに向けた。
 結衣の腰にバクの病的に細い手が置かれ、ペニスの先端がアナルに触れたと思った時だった。
「あ、あっ……! や……ふ……太いぃ……! あがっ……ぐぅ……」
 バクのペニスの一部が、結衣の菊門から呑み込まれている。ちょうど亀頭二つ分ほどの長さが少女の体の中に侵入していた。
「もっと……! 入るだろ……!」
 にゅちり……、また亀頭一つ分が押し入っていく。亀頭が連なったような形状で、カリの段がいくつもあるバクのペニスは、挿入するだけで少女の尻穴を開発していく。さらにバクのペニスが押し入っていく。
「ぐぅ……!」
 にゅち、にゅちにゅちにゅち……。
「う……あ……ああ……!」
 ずっぽりとバクのペニスが結衣の直腸に埋まった。体内の異様な圧迫感。そしてそれ以上にバクの淫毒に侵された菊門が疼く。
「ま、ケツ穴抉られてみっともなく絶頂すりゃあ、家畜だってことも身に染みるだろ?」
(そんな……やだ……そんなの、やだ、やだやだやだ……)
 じゅぽ。
 亀頭一つ分、引き抜かれた瞬間、
「ひっぅ……!」
 内側の肉が引き抜かれるような、どうしようもなく受け入れてしまう肉悦が襲った。
 じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ……! 
 最初の一度を皮切りに、一気にペニスが引き抜かれた。
「ふっ、ぐ、あ、ひぃ……ん!!」
 ひくひくと結衣の秘所が痙攣する。絶頂で頭が真っ白になる直前だった。もういつ果ててもおかしくない状態。
 生まれたての生き物みたいに腿がぷるぷると震えていた。呼吸は大きく乱れ、誘うように甘い声が漏れだしている。
 完全に結衣の体は発情していて、彼女の意志などでは到底その肉体を制御できない。
 それでも少女に容赦なくバクのペニスが挿入っていく。
「うぐぅぅぅ……」
 再度結衣の直腸にペニスが収まり、引き抜かれる。
「ふ……あ、あ、あ、ああああああああああああああああ!!!!」
 卑猥な音を立てて引き抜かれ、絶頂を少女が襲った。膣と肛門が収縮し、体が何度も小刻みに震える。オーガズムの余韻が想像以上に長い。性快楽に浸った脳と体は気怠さを訴えるだけで動いてはくれない。
「良いねぇ。お前アナル専用性奴隷の素質あるぜ! ひゃっはっはっは!」
 平手で結衣の臀部を叩き、バクは哄笑する。
 淫毒に侵されているとはいえ、肛門で絶頂を迎えたという事実がたまらない自己嫌悪を掻き立てる。だが結衣には、そんな感傷にひたる時間すら殆どなかった。
 にゅちにゅちんにゅちにゅちぃ……。
「……ふぐぅぅぅ!!?」
 ペニスが再度菊門を襲う。絶頂の残り香が消えていない体は、貪欲にその刺激を快楽と受け止めてしまう。
 じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ。粘液の音が聞こえた。ゆっくり引き出したペニスのカリが、一つ一つ結衣の肛門を捲り上げる音。
「あ……あっ……! ぅ……ひ……あっあっ……!」
 ペニスが引き出される度に、結衣から悲鳴とも嬌声とも突かない声が漏れた。
「や、だぁ……やめてぇ……! もうやめてよぉ!」
「お前は家畜なんだよ! チンポ入れられたら『ありがとうございます』だろ? ほら、言え」
 バクが腰を結衣の尻に打ち付ける。
「あ、が、ぅ……あ、ありがとうござい……ぅあああああああああ!」
 刻印のせいで逆らえない、その命令に従っている最中に、今度はペニスは引き出されてた。
「はい、もう一回」
「ぐうううう……あり、が、と、う……ございます……ひぃんんん……!」
 剛直が引き抜かれる。入る。引き抜かれる。入る……。
 繰り返す。
 何度も。
 何度も何度も。
「おら! ケツでイけ雌犬!!」
「いや……いやぁ! ぃあああああああああああ……!!!」
 肛虐による二度目の絶頂を迎えると同時に、バクの精液が腸内にはき出された。
「ひ……あ……ぅ……ぐす……えぐ……」
 アナル責めで体を、言葉で精神をずたぼろにされ、強気な少女の面影は見る影もなくなっていた。頬を伝う涙が、ぽとぽと絶え間なく畳に落ちては染みを作っていく。
 少女を蹂躙し尽くしたバクがペニスを引き抜くと、結衣の菊門からぼとぼと溢れた精液がこぼれ落ちた。自分の体を支えることが出来ずに、結衣は倒れ込むように体を横たえた。
「やっぱ人間の雌を犯すってのは最高の気分だなァ! まァしばらく楽にしてろ。一杯水を飲んだら、今度はまんこで家畜だってことを教えてやらないとなァ」
 見上げた目でみた妖魔は、悪魔めいた薄い笑いを浮かべていた。

◆◆◆

 残酷だった。
 結衣を囲む小さな世界、結界の内の全てが酷薄なものに思えた。
 許して欲しいと、やめて欲しいと何度も言ったのに。哀願し、懇願し、自尊心も投げ捨てて泣いても、結局何一つ結果は変わらないのだ。当たり前のことに過ぎないとは分かっている。暴力の論理だから。結衣だって妖魔ならばと切り捨ててきた。
 たとえ妖魔から解放されたとして、その先になにがあるのか。壊された心とぼろぼろにされた体で、一体どこに戻るというのか。
 何もないのだ。泣き叫び、哀切に嘆くこの道の先には何もない。
 あの夜の敗北で、全てが決定的に終わっていた。これからの全ての可能性が、あの夜にねじ曲げられたのだ。
(私には何もない……)
 そう言葉にした瞬間に、かちりとパズルのピースが組み上がった感覚が奔った。
 言葉が心を変性していく。
 諦観が、苦悩が、悲哀が、嫌悪が、空虚が、憎悪に。
 バラバラのベクトルが収束していく。
 砕けた心が淀んで昏く染まる。
 心象風景。その漆黒に揺れていた。その闇よりなお暗く紅い憎悪の、激情の火炎。
 それを、手に掴んだような――幻想。       、、、、、、、、
 そして木乃峰結衣はその瞬間に理解した。直感した。それがなんなのか。
 左手にスミレ色の燐光が、散っていた。
 脳裏に、七つのあざな。知らないはずの字も余すことなく解った。

 扉の向こうに雄淫魔の気配。手に取るようにわかる。
 気持ち悪いくらい、鮮明に。








――ほら、今その襖に手をかけた。





「『戒』」
 結衣の小さな呟きは、けれど、確かにバクの耳へと届いた。
 驚愕する、その刹那、腕が絡め取られる。脚も。抜け出せない。血の気が引く。一切の身動きを制限される。理解が追いつかない。バクの知る限り、その妖術を使えるのは昏睡しているはずのカイしかいない。他の選択肢はあり得ない。
 だがその気配すらない。妖気の気配すら。
 数瞬の間に思考が混迷する。

 それでもう十分、致命的に遅れていた。

 結衣は跳ねるように立ち上がり、そのまま、その左腕を引いた。肩の位置まで。
 突進する。
 バクが対面する襖へと。
 距離が零になる。
「ぅあああああああああああ!!」
 咆哮は衝動的、体内の熱をはき出すように。
 左腕が唸り、殴打の姿勢が出来上がる。
「『潰』れろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 燐光が散乱する左手が、ひときわ輝きを増す。
 襖を突き破り、その先にバクの頭部。驚愕に見開かれた目。自由に動くはずの首が、硬直して動かなかった。
 ぐしゃりと。
 左手に。
 骨を砕く感触が伝わった。びりびりと脳に訴えかける。
 性的絶頂よりも鮮烈な、未だに味わったことがない本能的な刺激。
 殺戮の快楽。
 頭部を粉砕され、脳漿と頭蓋骨が飛散し、バクの体が床に倒れた。確認するまでもなく絶命している。
 しん、と静寂が降りた。
「あは、なんだ、殺せるじゃん……あはははは」
 なぜか、笑いが堪えられない。
「あはははは!」
――だってほら、こんなに楽しい。
「あははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!」
――おかしい。
 可笑しい。
――おかしいね。
 それでも囁く理性が。
 追いついてくる。
――わかってるよ。
「……はは」
 渇いていた。感情も、感覚も、何もかも。
 声が枯れた。
 何も変わってなどいない。
 結衣を取り囲む状況は何も変わっていない・
 契約は、命令は覆せない。
 逃げることも、死ぬこともできない。
――狂うしかないと思ったのに。
 狂うもできなかった。
 絶望することすら許されてはいないから?
――ああ、でもそんなことはどうでもいい。
 妖魔の檻の中、木乃峰結衣が呪ったのは己の無力さ。
「逃げることも、狂うことも、絶望することも……死ぬこともできないなら」
 掌を握る。煌めき、こぼれ落ちていくスミレの燐光。
 それは妖気の顕現だ。
 あざなは七つ。
 呪字は六つ。
 改、戒、回、潰、界、獪。
 最後の一つは、妖魔カイが最初に与えられたもの。
 だから単なる名前に過ぎない。何か妖術の根源を為すわけでもなく、また『獪』のように加護が与えられるわけでもない。
 ただその在り方を決めるだけの真名。『解』
「……自分の解(こた)えに辿り着いてやる。この力で」


【残り22日】
【織田原会戦まで、残り2日】

       

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