文芸新都で短歌よもうぜ企画会場
景色と男子/ピヨヒコ
難解な言葉を弄して並べても愚直な例の五文字に勝てない
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静謐な 雪のきらめき沈む街 ガスをはべらし 除雪車が喰う
(叫ぶ人 幼稚な殺意 憂う夜 涙ぐむ床 ラジアルな朝)
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ささやかな 恋の終わりの たまゆらに 折れる慕情を 微笑む悪逆
コーヒーを飲みませんか と引き止めて時計の針を戻すたくらみ
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「キスが好き」 すすり泣きする隙にキス 「またキスする気?」 (僕を見てない)
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「いつまでも何かが続くと信じたらなんにもしない理由になった」
なぁ、友よ 息切れするまで喋るなよ 黙るこちらを見抜けぬままに
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夜の浜 髪のまにまに漁火が 風のまにまにきみの匂いが
「いつの日か笑って許してしまおうよ」 それまで二人 恨んで憎んで