文芸新都で短歌よもうぜ企画会場
ボリスの口笛 / ハトヤ
ビー玉は坂を転がり子供らがそれを追い駆け ひるがえる昼
ページ繰る君の爪には南国の花が咲きおり1LDK
生返事寄越して横顔曇らせる「ごめんねわたしは今パリにいる」
カーテンの揺れる輪郭 お話の内と外とで小指が触れる
もし肺に蓮が咲いてもかまわずに並んで煙草を吸おうね、って
語りべが口笛吹けば静々と予定通りのさよならが来る
「あらかじめ約束されていたように終わってく恋の心象でした」
閉じられた本を取り上げおかえりを言う ただいままでの2秒を見てる
君のせいで痛む胸はいつも右 架空の心臓は蕾だろうか
こちらがわにて僕達は寝転んで恋とも言えぬ珈琲を飲む