文芸新都で短歌よもうぜ企画会場
Vinca major(あるいは、すべては同時に起きているということ)/ ハトヤ
にちにちと絡めとられたつる草の名を知る 他者を駆逐する草
*
太陽に背いて(虹を見てるのだ)背徳者笑む 夢の狭間で
よろこんで臥せりもしよう この菌が鼻声遮るキスの罰なら
巣を編みそう根を張りそうで疎ましい髪をけれどもあなたが撫でる
カフェラテの泡のハートを啜る吾の冷蔵庫にて腐りゆく鰤
***
君は居ないお主は居ないユーは居ない汝は居ない あなたがいない
うつくしい香りのハーブティ淹れた 知らないけれど何かには効く
わかちあうものが日々しかなくっても愛を交わせるひとたちのこと
優しさの穂を苅り束ね火を点けた 目蓋が煙い、別れの支度
*
寒くとも蔓延る地表埋め尽くす花を見せてよ蔓日々草