文芸新都で短歌よもうぜ企画会場
あの日見た景色/朝田ニコル
蜃気楼浮かぶ向こうのあの街は違う世界と思ってた日々
背伸びして大人の視線見てみたい そんな僕らはまだまだガキだ
縁日を二人で抜け出し神楽坂 あの日の事を覚えてますか
母親に変わったわねと笑われた 過去のかあちゃんさっきのお袋
君を待つただそれだけの事なのにオーケストラは鳴り止みません
青色の空が映った雪原は昔の君の家があった場所
「ありがとう」その一言が言いたくて帰省した僕を笑ってください
好きだよと言えない僕は窓際で曇りガラスに恋文綴る
背広着て母校の土を踏みしめた 懐かしい風が吹いていました
自転車で駆け降りていた下り坂 車窓越しに見る幼き残り香