文芸新都で短歌よもうぜ企画会場
喪失に際しての留意点/つばき
喪失に際しての留意点って、
恐れないこと?
忘れないこと?
・・・
つま先が騒ぐの知った忘れたい吐息が脳に染みついてった
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たとえばの未来の話をするうちに 絡まった心臓はがす、痛い
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やわらかな雨降る場所の記憶まで憧れだけで走る黒い馬
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光滲む雨を手のひらにすくいとる 忘れがたいほど透明なまま
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「辛い、もう、知りたくないの」「それまでは世界と一体だったのにね?」
・・
糸を結び続けていたい ほどいては結ぶ、かじかみ汚れた指で
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あなたには知らせないまま失った剥がれた爪を月夜に埋めた
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傷や血をやさしさと呼ぶ君の横、私は一人で姿勢を正す
・・・
影のないことに泣かないで
あなたなら、
わたしのまぶたの裏庭にいる。