昼魔太陽という男が道を歩いている。彼の将来の夢は、世界を恐怖のどん底におとしいれることだ。もちろん、そんなことは家族にだって言ってはいない。表向きは学業成績優秀で、運動神経抜群の優等生。だが、ちょっとおっちょこちょいだった。あるとき、彼は1冊のノートを拾った。
「ゴッドノート? 直訳すると神のノートか」
表紙をめくると英語で説明書きが書かれている。
「このノートに名前を書かれた人間は善良になります。なんだ、そりゃ。バカバカしい」
「やめてください!」
バイクに乗ったモヒカン姿でトゲがついた肩パットをつけた男たちが女性につきまとい、服をはぎとっている。
「いいじゃねえかよ、減るもんじゃねえし。この甘井四角頭様のものになれよ。断ったら、服ごとこの火炎焼却砲で炭にしちゃうぞ」
太陽はその名前を書き込むとすぐに変化が現れた。「汚物は消毒だー」と叫びながら、仲間を焼却し始めた。モヒカンの群れが蜘蛛の子を散らしたように散らばるが、甘井の火炎焼却砲により焼かれていく。まさに地獄絵図だった。
(ほ、ほんものだ! これがあれば世界を恐怖のどん底におとしいれられるぞ)
太陽は家に帰ってゴッドノートを使い、新世界の悪魔になるための第一歩を踏み始めようとしていた。太陽はノートを見て、あることに気づいた。
「大切なものだから名前を書いておかなきゃな。昼魔太陽っと」
1000年後、昼魔太陽は世界統一宗教の創始者として崇められていた。