誰の声も無の向こう
死だけが遠のき
俺はパチパチと目を瞬いた。そこは大草原のど真ん中だった。
俺は一体何がしたかったんだろう。
わからない。もう何もわからない。
とにかく、頑張らないといけないんだ。
俺は苦しみの中にいた。
抜け出せそうになかった。
だから、ここへきたんだ。
異世界へ。
俺は剣を下げた戦士で、
金もあったし、食料も持ってる。
恐れるものはなにもなかった。
そうとも、何も怖くなんてないんだ。
俺は……
この苦しみから解き放たれるんだったら
なんでもやる なんでもする
この痺れたような吐き気を取り消しにしてもらえるなら
なんでもする なんでもやる
俺は・・・・・・・・・
気を取り直して冒険しよう
途中で出てくる魔物を倒す
経験値とゴールドが出てきて
それをあつめて
俺たちは それを大切にする
そう それがいいことだと信じているから
身体が思うように動かなくなるなんて
思ってもみなかった でもそれはきっと
まやかしで
最初から俺の身体は 動いてなんていなかった
動いてるふりをしているだけだった
チックタックチックタック
俺は踊り続ける
行先も終焉も知らないまま
踊り続ける 踊りつづ おどり おどれ
チックタックチックタック
ああそうだなにも怖くない
もう何も怖くない 俺はすべてを失った
だからどうした それでどうした
これでいいのさ なにもないのさ
あはははははは
俺にどうすればいい?
出口なんて見えない ずっとこのまま 続いていく気がする 悪夢が
悪い夢が
吐き気がする 気分が悪い 眠れない 反吐が出る
助けは来ないまま 助けにもいけないまま
死だけが遠のき 息を吹きかけてくる
俺は負けた 負けたんだ
もうなんにも残ってない
誰の声も聞きたくない お前らなんかの
声なんか
苦しい 苦しい 苦しい
ああ地獄
聖セリカ魔術学院。
そこに俺は通っている。
だがそれもここまでだ。
俺は魔法少女たちと一緒に反旗を翻した。
俺は世界を統一する。
それだけの男になったのだ。
喰らえ、青天の霹靂。おおいなるバズーカ。
それが俺の目的だったのだから。
闘え! 闘うことだけが。
俺の全てなんだ。
いけぇ。
もうやめるんだ。俺は闘いたくない。
そして大いなる木とかそういうの願っていって
ラッキーストライクなんだ。
何をすればいい? 俺はこの世界で。
いったい何を。
永遠の苦しみ。
トライデントストーン。
ああそうだ俺は眠い
眠気がどこかへいってしまった
そうしてどうやってこの先へいけばいい
ああ そうだ
大いなる平和
安寧なる世界
そうだろ
それがほしいんだ
ばんばんばん
俺は 俺は
眠れないだ
ちきしょう