Neetel Inside ニートノベル
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魔法少女は血を失う、みたいな
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 要するに、持ち腐れってやつですよ。


 人を超えた能力は略して超能力と称されますが、通常人と超能力者のラインは明確ではありません。
 平均から大きく外れているという意味として捉えるならば、トップアスリートの方々や棋聖さんはもはや人外だと思われます。褒め言葉ですよ。爆薬は使い道次第であるように、人外にも方向性がありますから。
 しかし現に、それらの方々はエスパー扱いされおらず、単によくできた人物としての評価を受けています。
 それはなぜか。
 私はこう結論付けます。超能力とは俗にいう神様や妖怪さんと似たり寄ったりで、神秘や不可解と仲の良い代物なのでしょう。人を超える、というのはつまり、現人類の範疇外であるということ。それは人の想像に留まるからこそ成立する概念であり、仮にくっきりとした形で現世に顕現したとなれば、希少価値の高い超能力者はナードなプログラマーと一絡げにされ、わんさかいれば国語ができる子供たちのごとく、一般教養程度の扱いを受けるに違いありません。便利であれば、ですけれど。
 しかし現に……いやいや仮に、超能力者が存在したとして、それでも超能力が超能力であり続けているのならば、それは一般的に認知されていないことを意味します。
 あまりに希少でミーム的な増殖を見せることなく噂の段階で潰えてしまう、UMA的存在である可能性。 
 あるいは、噂になったとたんに宇宙開発組織みたいな裏のありそうな組織に実験体として連れ去られ、周囲の人々は赤い光とかをぴゃっと出す装置とかでピンポイントに記憶を引っこ抜かれ、超能力者の存在は潜在意識にうすぼんやりとしたイメージを残すのみ、なんて仕組みであったりして。
 あ、これは黙っていた方がよさそうですね。真相は特定できませんが、どのパターンにおいてもメリットは不在そうですし。映画などでも口が軽い人間は真っ先に退場するものです。
 でも、できれば希少なものであって欲しい。欲を言えば第一人者であって欲しい。
 真夏の昼下がりに栓ないことを夢想しながら数学の授業を精神ボイコットする私、茅根知咲子なのでした。
 ああ、今日はとても良い天気です。雷どーん。

       

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