Neetel Inside 文芸新都
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新都社作家でParanoia
その3.行くぜっ!運命のダイスロール

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切法師「さて、プレイ前に皆さんに注意事項があります」
K(おや? なにかな)
切法師「今回のプレイは初心者ばかりという事なので簡単なルールで行います。なので、初期配布される一部アイテムと秘密結社、SG(サービスグループ)からの特別配給品も無しとなりますのでご了承ください」
K「ま、そっちのほうがやりやすいか」
ジョー「よくわからんが。それでいいならそれでいい」
切法師「さあ以後、私のことはUV(ウルトラバイオレット)様と呼ぶように」
K「さー! ウルトラバイオレット様!」
切法師「よろしい。ではここはTS(トラブルシューター)の宿舎。コンピューター様の計らいにより四人には完璧な居住環境が用意されており、ベッドにはR&D(調査開発の意)の技術を集めて作られた特別安眠素材が使われておりTSは心地よい眠りにつくことができる」
K(いきなりR&D製のベッドってどこが初心者向けなんだよ……)
切法師「さあ起床時間が迫っている。全員敏捷でロール!」
ジョー・皇帝・7(ロール?)
K<コロコロ……>
切法師「ああ、ロールというのはサイコロを転がす行為のことを言います。サイコロは数字が1から20刻まれた20面ダイスを使用します。PL(プレーヤー)はダイスの目によってスキルの仕様やそのた行動の成功などを判定するんだ」
ジョー「なるほど<コロコロ……>」
切法師「判定は下方ロールといって、目標値以下の数値を出すと成功となる。つまり、この場合は自分の敏捷値以下を出せば成功となる」
皇帝「よーし<コロコロ……>」
7<コロコロ……>
K「あっ……」
結果:目標値>>>>結果
皇帝13>>>>11 ジョー9>>>>1 720>>>>18 K20>>>>20
皇帝「全員成功か」
切法師「いえ」
K「俺だけファンブルだ。20を出したら目標値に関係なくファンブルになる」
皇帝「ファンブルって言うと失敗?」
ジョー「初っ端ファンブルとかwwwwうっすうっすwww先輩流石っスwwww」
K(イラッ)
切法師「ちょうどジョーは1でクリティカルだし説明は実際にシナリオを進めてどうなるか見てみようか」
K(早々にクローンナンバー+1か……)
切法師「市民ジョーはアラームがなるより早く起きる事ができた。と、ここで足元にチョコレートが落ちているのに気がついた。他の市民はまだ目覚める様子はない。どうする?」
K(開始早々チョコレートだと?!)
ジョー「チョコレートの包み紙の色は?(罠なんだろ? わかってるぜ)」
切法師「銀です」
ジョー「銀・・・だと・・・?(セキュリティクリアランスに該当する色がないだと? こいつはやっぱり罠に違いねえ!)」
K(ドキドキ)
ジョー「掃除ボットを呼んで部屋の清掃を頼みます。清潔は市民の義務ですからね!(ドヤ」
K(ちょぉぉぉぉ?!)
切法師「ふむ。優秀な市民ジョーの報告により掃除ボットがチョコレートをごみと一緒に回収していき、部屋は一段と清潔になりました」
ジョー「最高に完璧です<したり顔>」
皇帝「おーナイス回避ー」
K(ちがう、ちがうんやで……チョコレートはこのゲームで最高級品に指定されてるアイテムなんやで……)
切法師「さて、清掃ボットが清掃をしている間に他の市民が起きてきたようです」
ジョー「あれ? クリティカルなのに幸運がなかった!?」
切法師「市民? 今幸運でないという声が聞こえたようですが?!」
ジョー「ぷ、プレーヤー発言で」
切法師「以後気をつけるように」
ジョー「は、はい(こえー)」
切法師「市民皇帝、7は無事アラームと同時に起床することが出来た。近くでは市民ジョーが一足先に起きていたようで身支度をしている。時刻は7時だ。完璧なる市民は朝食をとるために食堂に向かわなくてはいけない。食事開始が8時で食堂がしまるのが8時30分だ。さて、どうする?」
ジョー「どうする?」
皇帝「とりあえず食堂に向かおうよ」
7「そうだね」
ジョー「じゃあ食堂に向かいます」
切法師「どの食堂ですか?」
皇帝「は?」
切法師「食堂は無数にありますのでどこに向かうかを指定していただかないといけません」
皇帝「じゃあここから一番近い食堂に向かいます」
切法師「どうやって移動しますか?」
皇帝「えと、じゃあ徒歩で」
7「ちょっと待ってください」
切法師「どうしましたか。市民7」
7「その一番近い食堂までの距離を教えてください」
切法師「残念。その上方はあなた方のセキュリティクリアランスに開示されていません」
ジョー「なん・・・だと・・・?」
K(え? まじで?)
7「じゃ、じゃあ歩いたらどれくらいかかりそうかはわかりますか」
切法師「それもあなたのクリアランスには開示されていない情報です」
7「と、とりあえず外に出て聞いてみるってのはどうです?」
皇帝「そうだね。と、言う事で外に出ます」
切法師「それでよろしいですか?」
皇帝「はい」
切法師「では三人のシーンはいったんここで切ります。次に敏捷ロールに失敗した市民Kを見てみましょう」
皇帝・ジョー・7(ワクワク)
切法師「起床のアラームがなりましたが市民Kはそれに気づく事ができず、起床することができませんでした。がしかし、なんとかおきる事はできたようで現在時刻は8時です」
K「え?」
切法師「なにか?」
K「い、いえ。(ファンブルなのに死なないとかそうとう甘々なGMだなこれは)」
切法師「現在時刻は食事開始時刻をすでに回っており、このままでは遅刻してしまうかもしれません。さあどうしますか」
K「えと、私に食堂の位置はわかりますか?」
切法師「はい。たくさんの食堂があなたには把握する事ができます」
K「では、*私のクリアランスが食事をする事のできる*食堂の位置はわかりますか」
切法師「もちろんです。ここから徒歩で1時間の距離にあります」
K「では急いで外に出ます」
切法師「*本当に*よろしいですか?」
K「え? もちろん」
切法師「市民Kが外に向かおうと一歩踏み出したそのとき、不幸にも足元に落ちていた何かのスイッチを踏んでしまいました。それは対ミュータント用にベッドに備え付けられた自爆スイッチだったようで、ベッドを含む半径15mは消し炭になってしまいました。市民K、クローンナンバー+1です」
K-2(そっちかぁぁぁぁぁぁ)
皇帝・ジョー<爆笑>
7(ふ、ファンブルは出さないようにしよう)
切法師「こちらもこれでいったんシーンを切ります。さて、外に出た三人。今日もアルファコンプレックスは活気であふれ、みな幸せそうな顔をしています」
7「えと、近くに人はいますか?」
切法師「はい。たくさんいます」
7「では一番近い人に話しかけ……」
ジョー「ちょっと待ちな。その人の服の色は?」
切法師「青ですね」
ジョー『服の色を聞かないとは少しうかつすぎるんじゃないのかい?』
7『あ、ありがとうございます(完璧にファンブルに気をとられてた)』
ジョー「近くにIR市民はいる?」
切法師「B市民の近くに一人IR市民がいますね」
ジョー「ではそのIR市民に近づきます」
切法師「IR市民は市民ジョーの姿を確認するとあわてて丁寧に挨拶をしてきました」
ジョー「そのIR市民にここから一番近くにある食堂の位置を聞きます」
切法師<コロコロ……>「IR市民はどうやら場所を知っているようですがなぜか困ったような表情をして口を開こうとしません」
ジョー「*レーザー銃を突きつけて*もう一度聞きます」
切法師「なるほど。よいロールプレイです。必死にあたりを見回しながらIR市民はおびえた表情でここから一番近い食堂の位置を口にしました」
ジョー「そうか……聞きたいことは聞けた。という事でZAPZAPZAP>>>IR市民」
皇帝(なんだって?!)
ジョー「ふふふ……IRのごみ屑めRであるわしの時間を無駄に浪費させた罰だ!!!」
K-2(ひゅう)
ジョー「さて、場所もわかった事だし行こうか(最高にハイってやつだぜ!)」
皇帝「そ、そうだね」
切法師「と、ここで市民ジョーの元にブルーの服を着た一人の市民が近寄ってきます」
ジョー「え?」
切法師「B市民は言います。「さきほどお前が処刑したIR市民だが、私の車を番させていた*運転手*なのにどうして殺してしまったんだ。これでは私の移動が困難になる」と。B市民はとても怒っているようで、今にもホルスターのレーザー銃に手を伸ばしそうです」
ジョー「土下座します」
皇帝「プライドないのかよ!」
ジョー「うるさい! 命あってのもんだろうが!」
切法師「B市民は無言のまま手にかけたレーザー銃で市民ジョーを一瞬のうちに消し炭にしてしまいました。市民ジョーはクローンナンバーを+1してください」
ジョー-2「えぇぇぇぇぇ。なんで? 謝ったじゃん」
切法師「謝るという事は自分の非を認めたということで問答無用のZAPです」
ジョー-2「くそー」
切法師「その場で市民ジョーの新しいクローンが送られてきます。今度はきっともっとうまくやってくれるでしょう」
ジョー「ちくしょー次は間違えないぜ」
K(……)
切法師「……」
ジョー-2「え? 何この沈黙。わし悪い事した?」
切法師「いえ、いいんです。それより、さきほどの問答により10分の時間が経ち、現在時刻は7時40分となりました」
皇帝「やばい。いそごう」
ジョー-2「せやな」
7「*走って*移動します」
切法師「ふむ<コロコロ……コロコロ……コロコロ……>チッ。さて、優秀な市民達は無事食堂にたどり着くことができたようです」
皇帝「現在時刻派はわかりますか?(いま舌打ちしたよね?)」
切法師「7時50分です」
皇帝「あれ? 移動時間は15分だから55分なんじゃ?」
切法師「先ほど市民7が走ってと宣言したので移動は徒歩から走るに変更され移動速度が向上しました」
皇帝「なるほど」
ジョー-2「やるじゃん」
7「えへー///」
切法師「まだ食事開始には時間がありますがどうしますか?」
皇帝「ここはさっきファインプレーをした7君が決めていいよ」
ジョー-2「わしもそれでいいよ」
7「えと、じゃあ優秀な市民である私たちは時間厳守! 早めに食堂に入り食事の時間を待ちます」
切法師「よろしいですか?」
皇帝・ジョー-2・7「はい」
切法師「三人が食堂へと足を踏み入れた瞬間、扉付近に設置されていたレーザー銃がピカッと光り、三人は消し炭となりました。三人ともクローンナンバー+1してください」
7-2「え? ちょ、ちょっとまってくださいよ。何もしてませんよ?!」
切法師「気になりますか?」
7「もちろん!」
切法師「いいでしょう。今回は説明して差し上げます」
ジョー-3「わかったぞ! 糞っ! あのIR市民め。騙しやがったな!」
切法師「いえ、市民ジョーがIRから手に入れた情報。これは間違いではありません」
ジョー-3「なんやて?」
切法師「始め、市民皇帝が食堂までの距離を聞きましたが、その時情報はセキュリティクリアランスにふれるのでといって開示されなかったのは覚えていますか」
皇帝-2「はい」
切法師「では、なぜあなた方よりクリアランスの低いIR市民がその情報を持っていたのでしょうか」
皇帝-2「?」
K-2(……あぁ、そういう事か)
切法師「さらに、そのIR市民はB市民の車番をしていたそうです。しかも、ドライバー」
皇帝-2「それで?」
切法師「あなた方の知らない情報を持っていたIR市民はつまりB市民をある目的地に連れて行くためのドライバーで、かつあなた方は*食堂に入った瞬間*死んでしまった」
7-2「あっ!」
皇帝-2「わかったの7君?」
7-2「ここまでの情報で推察するに、あのIR市民が教えてくれた一番近い食堂というのはB市民専用の食堂だった……ちがいますか?」
切法師「Exactly(イグザクトリィ)! その通りです。B市民専用の食堂なので扉はもちろん床の色もすべて青色です。そこに足を踏み入れてしまったあなた方は一瞬で蒸発してしまったというわけですね」
皇帝-2「くそー」
切法師「と、言う事でその場で三人の新しいクローンが送られてきます。次のクローンはきっとうまくやってくれるでしょう」
K-2(デスルーラ無しだと?!)
切法師「……」
K「……」
皇帝-2「なにさ?」
K-2「いや、別に(こりゃチャンスだな)」
切法師「さて、幸いにも先ほどから時間はそれほどたっておらず、時刻は7時55分です。急がなければ遅刻してしまいます。もちろん、遅刻は即処刑となります」
ジョー(圧倒的! 圧倒的絶望!)
皇帝(いったいどうすれば……)



今回のクローンナンバーまとめ
・ジョー+2 反逆行為によるZAP クリアランス違反によるZAP
・皇帝+1 クリアランス違反によるZAP
・7+1 クリアランス違反によるZAP
・K+1 爆発に巻き込まれ死亡



次回 続・食堂に向かえ!

       

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