Neetel Inside ニートノベル
表紙

こうして世界は回っていくのかもしれない
あなたならどうします?

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 子供の頃夢見た俺は、その夢通りになっているのだろうか? 答えはおそらくノーだろう。
 そもそも子供の頃に何を夢見たか覚えてはいないが、少なくても今の俺になりたいと思っていたわけではないだろう。
 牢獄に囚われ3年。住めば都と言う訳でもなく、日に一度太陽を浴び、そしてまた牢獄に戻される。
 食事は質素。贅肉と言う贅肉はそぎ落とされ、筋肉も落ちた。
 毎日が同じ。同じ毎日を繰り返し、この環境を享受している俺がいる。
 そして俺は思う。俺は何を夢見て、何になりたかったと。
 こうして、また無為に1日は過ぎていく。変わらない日常を、変わらない速度で、俺の時間はゆるやかに進んでいく。


 目が覚める。いや無理やり覚醒させられたと言った方が正しいのだろうか。
 ――爆発音。
 そして、辺りに響き渡る喧噪。
 二度、三度轟く爆発。
 俺は気怠く体を起こし耳を澄ませる。
 ……なるほど、テロリストか。他にも物好きがいるもんだな。
 帝国の第一刑務所に特攻をかける命知らずか……。まぁそれだけの価値は確かにここにはある。
 帝国に逆らったレジスタンスから凶悪犯罪者から魔術師まで選り取り見取りだ。
 この瞬間に便乗して、脱獄でもしようかとも考えったがすぐに諦めた。そもそも、この牢獄を開ける手段がない。
 そして、看守が睨んでる。そんな目で見るな、俺にはそんなやる気はない。逃げねぇよ、安心しろ。

 っと、手段がないと思ったとたんこれだ。左の方で爆発音が轟く。そして石壁が崩れた。
 あぁ、奥まで続いて貫通している。これは逃げれるんじゃないか。
 看守を見る。あ、首をかき斬られ死んでやがる。ひでぇなんだよ、ポーカー仲間が減っちまった。どうする脱獄するか?
 というか、首をかき斬った奴はどこに行ったのだろうか? まぁいいか。
 とりあえず、崩れた壁の方を覗く。ちらほら脱獄してるな。
 こうなると変わらない日常から抜け出すのが怖くなる。このまま動かず、別の監獄に収監されようか。
 ……そうしよう。もしかしたら刑期が短くなるかもしれないしな。
 そうと決まったので瓦礫に埋もれたベットを掘り起し仰向けになる。
 どうやら今日は曇りみたいだ。
 

       

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