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ジョジョの奇妙な童話
10-金の斧

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ジョジョの奇妙な金の斧



ポチャン!
「あっ!しまったっ!」
おじいさんは木を切る為に長年使っている斧を、転んだ拍子に湖に落としてしまいました。長年つかっていたから、ボロボロでもうとっくに買い替え時なのだけれど、かといって新しい斧を買うお金はおじいさんには無いのでした。

ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ


???『おじいさん、アナタの落としたのは金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?』
「え?」

『私はこの泉に棲んでいる精霊です。アナタの落としたのは、この金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?』


「え?」

『・・・アナタの落としたのは、この金の斧ですかっ!それともこの銀の斧ですかっ!』

「え?」
『落・と・し・た・の・は・ど・っ・ち・の・斧・で・す・かッ!』

「イかんぞ歯科医?」
『どっちの斧を落としたんだよッ!!コラ』

「オーオー斧を拾ってくれたのか!あんたは「泉の精霊」なのか、親切じゃのォ~~~。ところで精霊さん、それはどっちもワシのじゃないんじゃがワシの斧はどこか知らんかね?」
『!――――
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

「あっ、スマン!スマン!ワシが手に持っとっ――――

『アナタはとても正直な人だ。落とした斧の他に、この金の斧と銀の斧もアナタに差し上げましょう・・・。おじいさんお体を大切に、さようなら』

ポチャン!


「(こんな斧いらないんじゃがの・・)」

おじいさんはいつもの斧と、泉の精霊にもらった金の斧と銀の斧を家に持って帰りました。
おじいさんが斧を見せると、おばあさんはとても喜びました。

――――
おばあさんはこの事を親しい人たちに自慢しました。
『ここだけの話・・』などといって話したものですから、
おじいさんが高価な斧を手に入れたという話は、瞬く間に村中に広がりました。
自慢といっても、斧をどこで手に入れたかといった事などはこの人達にも内緒です。
この話を聞いたずる賢い若者はこう思いました。
『(自分も金と銀の斧を手に入れてやろう)』
おじいさんの斧の話は村中が知っているので、盗むわけにもいきません。そこで若者は、おじいさんから斧を手に入れた場所を聞き出すことにしました。


「じいさん、あの斧をどこで手に入れたんだい?」
「え?」
「あの斧を!どこで!手に入れたんだいッ!!」
「ポッポポッポハトポッポ?」

こうして斧を手に入れた場所を聞き出した若者は、斧を持ってさっそく泉に出かけてゆきました。


「ふむ・・この泉に斧を投げ入れる訳だな。」
ポイッ
若者は持ってきた斧を泉に投げ入れました。
すると泉から金の斧と銀の斧を持った精霊が現れました。
(ゴクリ・・・・)
精霊は問いました。

「お若い人、あなたの落したのはこの金の斧ですか?それともこの銀の斧ですか?」


読者の皆さん、あなたは今こう考えている

『このずる賢い若者は今・・・欲に目がくらんで冷静に選択できる精神状態ではない・・・泉の精霊もそれを知っているはず。だのになぜこの精霊はこんなに信頼して若者に質問をしたのだろう』


理由を いおう。それは、泉の精霊が人間の本質に触れたからなのだ・・・・
この若者は選択をするまでに欲望の渦から抜け出し、自分を冷静に見つめることのできる精神の強さを持っているのをかれは知っているからだ・・・・・・・・


若者は答えました。
「金の斧にきまってるだろ――――ッ!値段がちがうぜ――――ッ」


To Be Continued・・・

       

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