愛物語 (仮称)
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序
薄暗い街灯が照らす車道を幼い少女の手を握り締めながら走っている。
後ろを一瞬振り返ってみると、警察が追いかけてくる。僕たちはなぜ逃げてるのだろうか。もし僕がこの子と出会っていなかったら、もし僕がもっとちゃんとはっきりしていたら、こんなことにはならなかっただろう。つまりは僕の未熟さゆえの過ちなのだ。そんなことを考えて、後悔したときもあったが、もはや今はもう変えれない。僕はありのままの今を受け入れることを決意したけれど……。
今では走ることに集中するために思考を停止させている。警察から逃れるために無我夢中で。あいつらは血眼になって僕たちを探して捕まえようとしている。それもそうだ、僕は今、誘拐犯なるもので、手を握っている少女はその被害者にあたるのだから。
気がついたら、警察は追ってこなくなってきた。流石に走りすぎた。彼女にも負担をかけるわけにはいかない。今日もまた野宿だ。こんな騒ぎなのだから、ろくにお金を稼ぐこともできない。ふかふかのベッドで寝たのはいつごろだろうか。今日も、彼女と二人で誰もいない廃墟で硬い石の床で寝ることになった。
彼女はもはや限界だった。そりゃそうだ。ろくに食事も水分もとってない。僕たちはこれからどうなっていくのだろう。不安と共に彼女と抱き合って寝ることにした。
続く
香山悠は厳しい受験戦争を戦い抜き、無事に大学へと進学することになった。
今はその戦争を共に戦った、幼少時代から付き合いがある小鳥遊沙智と一緒に溜まりに溜まった疲労とストレスをとるために、温泉に入っていた。いわゆる卒業旅行というやつだ。
温泉も堪能して、マッサージチェアで十分に体を癒し、自販機で買ったアイスを口にくわえながら家族への、いや、恐らく大部分は姉とか妹とかだろうか? お土産を、ご当地キーホルダーやらぬいぐるみやら一応検討してみたが、お菓子が妥当だろうという結果が導きだされた。だれかを優遇すればだれかが不満をもらすのは当たり前のことだ。
ひとつの任務も完了し、二人は部屋へと戻ることにした。時刻は夜の十一時だ。まだ夜は始まったばかりである。といっても突発的な旅行だったので特にやることもなく、話す話題も無くなっていった。
少しの沈黙があり、沙智がなにかアルバイトをしないか。と話を切り出してきた。悠はお金もないし二つ返事で引き受けた。
「んで、なにをするんだよ 」
「そうだなぁ。王道でいくと、コンビニ? 」
「うーん、コンビニはクラスのやつがクレーマー多いからやめとけって言ってたな。仕事は楽だけどストレス溜まるって」
なるほどね。と沙智は頷き、また会話がなくなり夜風が聞こえようとしたとき沙智がそうだ!と言いながら手を叩いた。悠は寝転びながら沙智がなにを思い出したか聞いた。
「家庭教師とかどうよ。 知り合いにな、家庭教師を探してる人に紹介する人がいるんだ。その人が沙智君は賢いしやってみないかって言われてたんだ。どう? 一緒にやらない? 」
悠は一瞬悩んだが、教えることは別に嫌いじゃなかったこともあり、ちゃんと教えることができるのだろうかという不安も少々あったが、なんとかなるだろうと思いその話に乗った。
「りょーかい。 それじゃあ、帰ったらさっそく頼んでおくよ。うわっ、もうこんな時間か。そろそろ寝るわ」
時計を見てみると午前三時だった。明日のバスは夕方だし、昼まで寝れるが歳のせいかオールがだんだんつらくなってきたのもあり二人は眠りについた。
夜が明ける。
今はその戦争を共に戦った、幼少時代から付き合いがある小鳥遊沙智と一緒に溜まりに溜まった疲労とストレスをとるために、温泉に入っていた。いわゆる卒業旅行というやつだ。
温泉も堪能して、マッサージチェアで十分に体を癒し、自販機で買ったアイスを口にくわえながら家族への、いや、恐らく大部分は姉とか妹とかだろうか? お土産を、ご当地キーホルダーやらぬいぐるみやら一応検討してみたが、お菓子が妥当だろうという結果が導きだされた。だれかを優遇すればだれかが不満をもらすのは当たり前のことだ。
ひとつの任務も完了し、二人は部屋へと戻ることにした。時刻は夜の十一時だ。まだ夜は始まったばかりである。といっても突発的な旅行だったので特にやることもなく、話す話題も無くなっていった。
少しの沈黙があり、沙智がなにかアルバイトをしないか。と話を切り出してきた。悠はお金もないし二つ返事で引き受けた。
「んで、なにをするんだよ 」
「そうだなぁ。王道でいくと、コンビニ? 」
「うーん、コンビニはクラスのやつがクレーマー多いからやめとけって言ってたな。仕事は楽だけどストレス溜まるって」
なるほどね。と沙智は頷き、また会話がなくなり夜風が聞こえようとしたとき沙智がそうだ!と言いながら手を叩いた。悠は寝転びながら沙智がなにを思い出したか聞いた。
「家庭教師とかどうよ。 知り合いにな、家庭教師を探してる人に紹介する人がいるんだ。その人が沙智君は賢いしやってみないかって言われてたんだ。どう? 一緒にやらない? 」
悠は一瞬悩んだが、教えることは別に嫌いじゃなかったこともあり、ちゃんと教えることができるのだろうかという不安も少々あったが、なんとかなるだろうと思いその話に乗った。
「りょーかい。 それじゃあ、帰ったらさっそく頼んでおくよ。うわっ、もうこんな時間か。そろそろ寝るわ」
時計を見てみると午前三時だった。明日のバスは夕方だし、昼まで寝れるが歳のせいかオールがだんだんつらくなってきたのもあり二人は眠りについた。
夜が明ける。