ポケットモンスター 零
まとめて読む
『ポケモン(正式名称 ポケットモンスター)の歴史は、今尚謎が多い分野である。
その存在が確認されたのは、おおよそ人類史が誕生した時と同時期であり、人類が一番古い文明を築いた時には既に存在していたと思われる。
人間の歴史とポケモンの歴史、どちらが古いのかは、今のところ不明である。
ポケモンとは何なのか。どうやって生まれたのか。どのように今の形になったのか。それらは深い謎に包まれている。
ただ一つ分かっている事実。
それは、全てのポケモンは ”Mew"(ミュウ)より生まれたと言う事実である』
機密文章 ”零書” 末門博士より
目覚まし時計の電子音が鳴り響く。
ベッドの中から手が伸び、カチリとデジタル時計のスイッチを押した。
ズボンを履き、顔を洗う。
部屋は無機質な灰色で窓もついておらず、ただ暮らしに必要な物しか置かれていない。一見寂しい部屋だ。
モンスターボールがついているベルトを腰に巻き付けると、がちゃりと玄関の扉を開け、部屋を後にした。
世はすっかり科学が進み、自然さえも科学的に整備されるようにり、街は四角く区画整理され、長方形の中や屋上に所々人工的な緑が埋まっている。
そんなどこまでも人工的な町中を歩く。
側をすれ違う人々は皆一様にしずんだ顔をしていた。
様々なビルが立ち並ぶ中をしばらく歩くと、街の中央にある一際大きな建物、ポケモン総合管理センターの”セントラル”に到着した。
この建物の中に入ることは出来ない。
ここは、政府一の巨大機関”セントラル”の本部だ。
中には政府関係者か、セントラルに認められた政府公認のポケモントレーナーしか入ることは許されないのだ。
彼の名は”レイジ”、22歳。
フリーのポケモントレーナーだ。
昔はポケモントレーナーと言えば、大会で優勝したり、旅をしてバトルをし競いあったり、ポケモンバトル=ポケモントレーナーというのが常識だった。
しかし、この雄大にそびえる近代科学が詰まった巨大ビル、ポケモン総合管理センター”セントラル”と言う政府組織が出来てからは、ポケモントレーナーの幅は大きく広がった。
バトルだけでなく、政府が提示するテストや必要なバッチを集めれば、ポケモントレーナーとして職が与えられ、仕事が貰えるのだ。
レイジもそのテストに合格し、どこの事務所などにも属することなくフリーのポケモントレーナーとして仕事を貰っている。
セントラル前にある大きな透明の掲示板、電子モニターには、そんなフリー用の仕事がいくつも載せられていた。
”大量に発生した虫ポケモンの駆除” バッチ2つ
”街周辺に出現する危険ポケモンの退治” バッチ3つ
”スラム街に住み着くポケモンの調査” バッチ2つ
”迷子のポケモン探し” バッチ1つ
”警護依頼” バッチ4つ
小さなことから大きなことまで、ポケモンに関する問題がつきることはない。
表示されているバッチの個数は、その依頼のレベルを示している。
ポケモントレーナーとして職を得るためには、まず筆記試験に合格する必要がある。
更にその上で、セントラルが用意したジムでジムリーダーと戦い、最低一回は勝利しなければならない。
バッチは全部で8つ。数が多いほどレベルが高いということになる。
筆記試験に合格し、そしてバッチを一つでもゲットすることが出来れば、晴れてポケモントレーナーと言う職につけるのだ。
レイジは掲示板をみながら、何か気になる依頼はないかと広い電子掲示板を見渡した。
見渡しながら、やっぱりなとため息をつく。
広い掲示板のいたるところに、似たような依頼が殺到していた。
”零から守ってくれる用心棒募集” バッチ1つ
”零からの警備依頼” バッチ1つ
”強いポケモントレーナー募集 対零に備えて” バッチ6つ
思った通りに”零”と言うワードが電子板を埋め尽くしている。
零(ゼロ)とは、最近活発化してきている無差別テロ集団だ。ニュースでも毎日の様に名前があがる。
街の人々は彼らに怯え、自分を守ってくれる人を探しているのだ。
比較的バッチの数が低いのは、とにかく一人でもポケモントレーナーを確保したいからだろう。
そもそも仕事としてポケモントレーナーをしている人たちは、試験に合格しているだけあって皆それなりに強いのだ。
しかしテロリストなどに興味のないレイジは、鬱陶しく思いながら他の依頼を探した。
そこで、一つ気になる依頼を発見する。
なんだろう、これは?
”協力者募集 依頼内容非公開のため 引き受けてくれる者のみに内容提示" バッチ数未定
バッチ数未定、とは、依頼主とトレーナーとの話し合いで後々決まる場合に使われる。
バッチ数が高いほど報酬金額も高くなり、またバッチ数に到達していないトレーナーはその依頼を受けることができない。
レイジはそんなことよりも、依頼内容が非公開なことや、”協力者”と言う物言いに興味を持った。
大抵の場合はトレーナーが依頼されたことを実行するだけなのだが、それなのに依頼主と協力するとは一体どんな内容だろう?
久々に好奇心が疼き、住所を確認してこの依頼主の元へ行ってみることにした。
そうさ、どうせつまらなそうな依頼なら断ればいいんだと心の中で呟く。
テロリストによって街を暗い空気が包む中、レイジは一人、鼻歌気分で無責任に陽気に歩いた。
ベッドの中から手が伸び、カチリとデジタル時計のスイッチを押した。
ズボンを履き、顔を洗う。
部屋は無機質な灰色で窓もついておらず、ただ暮らしに必要な物しか置かれていない。一見寂しい部屋だ。
モンスターボールがついているベルトを腰に巻き付けると、がちゃりと玄関の扉を開け、部屋を後にした。
世はすっかり科学が進み、自然さえも科学的に整備されるようにり、街は四角く区画整理され、長方形の中や屋上に所々人工的な緑が埋まっている。
そんなどこまでも人工的な町中を歩く。
側をすれ違う人々は皆一様にしずんだ顔をしていた。
様々なビルが立ち並ぶ中をしばらく歩くと、街の中央にある一際大きな建物、ポケモン総合管理センターの”セントラル”に到着した。
この建物の中に入ることは出来ない。
ここは、政府一の巨大機関”セントラル”の本部だ。
中には政府関係者か、セントラルに認められた政府公認のポケモントレーナーしか入ることは許されないのだ。
彼の名は”レイジ”、22歳。
フリーのポケモントレーナーだ。
昔はポケモントレーナーと言えば、大会で優勝したり、旅をしてバトルをし競いあったり、ポケモンバトル=ポケモントレーナーというのが常識だった。
しかし、この雄大にそびえる近代科学が詰まった巨大ビル、ポケモン総合管理センター”セントラル”と言う政府組織が出来てからは、ポケモントレーナーの幅は大きく広がった。
バトルだけでなく、政府が提示するテストや必要なバッチを集めれば、ポケモントレーナーとして職が与えられ、仕事が貰えるのだ。
レイジもそのテストに合格し、どこの事務所などにも属することなくフリーのポケモントレーナーとして仕事を貰っている。
セントラル前にある大きな透明の掲示板、電子モニターには、そんなフリー用の仕事がいくつも載せられていた。
”大量に発生した虫ポケモンの駆除” バッチ2つ
”街周辺に出現する危険ポケモンの退治” バッチ3つ
”スラム街に住み着くポケモンの調査” バッチ2つ
”迷子のポケモン探し” バッチ1つ
”警護依頼” バッチ4つ
小さなことから大きなことまで、ポケモンに関する問題がつきることはない。
表示されているバッチの個数は、その依頼のレベルを示している。
ポケモントレーナーとして職を得るためには、まず筆記試験に合格する必要がある。
更にその上で、セントラルが用意したジムでジムリーダーと戦い、最低一回は勝利しなければならない。
バッチは全部で8つ。数が多いほどレベルが高いということになる。
筆記試験に合格し、そしてバッチを一つでもゲットすることが出来れば、晴れてポケモントレーナーと言う職につけるのだ。
レイジは掲示板をみながら、何か気になる依頼はないかと広い電子掲示板を見渡した。
見渡しながら、やっぱりなとため息をつく。
広い掲示板のいたるところに、似たような依頼が殺到していた。
”零から守ってくれる用心棒募集” バッチ1つ
”零からの警備依頼” バッチ1つ
”強いポケモントレーナー募集 対零に備えて” バッチ6つ
思った通りに”零”と言うワードが電子板を埋め尽くしている。
零(ゼロ)とは、最近活発化してきている無差別テロ集団だ。ニュースでも毎日の様に名前があがる。
街の人々は彼らに怯え、自分を守ってくれる人を探しているのだ。
比較的バッチの数が低いのは、とにかく一人でもポケモントレーナーを確保したいからだろう。
そもそも仕事としてポケモントレーナーをしている人たちは、試験に合格しているだけあって皆それなりに強いのだ。
しかしテロリストなどに興味のないレイジは、鬱陶しく思いながら他の依頼を探した。
そこで、一つ気になる依頼を発見する。
なんだろう、これは?
”協力者募集 依頼内容非公開のため 引き受けてくれる者のみに内容提示" バッチ数未定
バッチ数未定、とは、依頼主とトレーナーとの話し合いで後々決まる場合に使われる。
バッチ数が高いほど報酬金額も高くなり、またバッチ数に到達していないトレーナーはその依頼を受けることができない。
レイジはそんなことよりも、依頼内容が非公開なことや、”協力者”と言う物言いに興味を持った。
大抵の場合はトレーナーが依頼されたことを実行するだけなのだが、それなのに依頼主と協力するとは一体どんな内容だろう?
久々に好奇心が疼き、住所を確認してこの依頼主の元へ行ってみることにした。
そうさ、どうせつまらなそうな依頼なら断ればいいんだと心の中で呟く。
テロリストによって街を暗い空気が包む中、レイジは一人、鼻歌気分で無責任に陽気に歩いた。
『我々人類は、本来ポケットモンスターに対抗する術を持っていなかった。
彼らは熊程大きいポケモンから、肩に乗るような小さなサイズまでいるが、その殆どの場合は熊よりも強い。
あるポケモンは電気を放ち、あるポケモンは風を起こし、あるポケモンは光線をはく。
一番弱いとされる跳ねるしか出来ないコイキングでさえ、育てればコンクリートをも突き破る力を持つ。
ポケモンが直接人間を攻めに来る事は殆どないが、反対に我々人類には土地が必要である。
また、食物などの資源と安心して暮らすことが出来るだけの安全も人間には必要である。
その為にはポケモン達の住処へと侵略する必要がある。そしてポケモンの秘めたる力も捨てがく、なるべく生け捕りが望ましい。
そこで秘密裏に始まったのが、”ポケモントレーナープログラム”である。
我々はポケモントレーナーと言うものを考えだし、メディアの力を総動員しポケモントレーナーの素晴らしさを伝え、またポケモンバトルをスポーツにすることにより、爆発的にポケモントレーナーの人数を増やした。
それに比例してポケモンの捕獲数、発見数も増加し、ポケモンの研究が飛躍的に進められるようになった。
その要となったのが、ポケモンを捕獲するための道具”モンスターボール”である。
モンスターボールは、我々がポケモンに対抗出来る唯一の手段であり、そして希望である』
機密文章 ”零書” 末門博士より
彼らは熊程大きいポケモンから、肩に乗るような小さなサイズまでいるが、その殆どの場合は熊よりも強い。
あるポケモンは電気を放ち、あるポケモンは風を起こし、あるポケモンは光線をはく。
一番弱いとされる跳ねるしか出来ないコイキングでさえ、育てればコンクリートをも突き破る力を持つ。
ポケモンが直接人間を攻めに来る事は殆どないが、反対に我々人類には土地が必要である。
また、食物などの資源と安心して暮らすことが出来るだけの安全も人間には必要である。
その為にはポケモン達の住処へと侵略する必要がある。そしてポケモンの秘めたる力も捨てがく、なるべく生け捕りが望ましい。
そこで秘密裏に始まったのが、”ポケモントレーナープログラム”である。
我々はポケモントレーナーと言うものを考えだし、メディアの力を総動員しポケモントレーナーの素晴らしさを伝え、またポケモンバトルをスポーツにすることにより、爆発的にポケモントレーナーの人数を増やした。
それに比例してポケモンの捕獲数、発見数も増加し、ポケモンの研究が飛躍的に進められるようになった。
その要となったのが、ポケモンを捕獲するための道具”モンスターボール”である。
モンスターボールは、我々がポケモンに対抗出来る唯一の手段であり、そして希望である』
機密文章 ”零書” 末門博士より