対談「原案者と執筆者」
G.E.(以下略「G」)::今日はわざわざすいません……。
橘圭郎(以下略「橘」):いえいえ、こちらこそ。
◇奇◇怪獣王
G:突然ですが、橘先生がツイッターでゴジラについてツイートしてたのを思い出したのですが、ファンなのですか?
橘:ファンと言えば、ファンですね。
G:ほう。自分もゴジラファンなのですが、どうしてまたこの時期に見返そうと?
橘:自分の好きなものを省みたときに、見つかったものの一つが「怪獣」だったんです。それで今は、ゴジラシリーズ28作品を改めて見直すというゴジラマラソンをやってます。いずれ怪獣ものを書きたいという想いもありますしね。
G:おお、前作制覇ですか!
橘:98年のハリウッド版は飛ばしてますが(笑)
G:やっぱりマグロを食ってるやつはダメなんですかね(笑)
橘:あれを観て落胆した人曰く「ただのでっかいイグアナですよ」とか。
G:自分はそうですね、まだあの頃は小さかったってのもあったのですが、素直に「カッコイイ!」って思ってみてました(笑) 今は……(笑)
橘:来年公開予定の新ハリウッド版には期待してますが、どうなることやら。
G:来年のゴジラはそうですね、それなりのカタチにはなってると……信じてます。
橘:見た目と鳴き声は日本のものを踏襲してるっぽいですね。
G:一応日本のスタッフも関わってるみたいで、その辺は安心していいと思うのですが、ただ敵が宇宙人? らしく。なんか雲域が怪しいなと。
橘:昭和シリーズ中後期は、宇宙人ばっかり出てきましたからね。それを聞くと、ちょっと不安が……。
G:あれは時代的にしかたなかったんでしょうね……。ミレニアムシリーズが再開した時もオルガって宇宙人が敵でしたし。なんだかんだでゴジラシリーズは宇宙人が好きなのかもしれませんね。
橘:平成VSシリーズは宇宙人なしで良い物が作られていましたので、極力、宇宙人無しの方向でいってほしいですねー。
◇衝◇守護神
G:ところでガメラの方は興味ないんですか?
橘:ガメラシリーズは観てこなかったんですよ。ただ、知人にオススメされてるタイトルではあるので、初代と平成三部作は後で押さえておこうかなと思ってます。
G:なるほど。自分は平成シリーズしか観たことがないのですが、ガメラはいいですよ。オススメです。ガメラとは何かを書ききっているので、本当にオススメです。
橘:やはり、テーマがはっきりしている作品は観てい気持ちがいいですよね。
G:いいですね。ゴジラって意外と「ゴジラとは」って明確に書ききれてないシリーズが多いと思うんですよ。それをガメラ(平成三部作)だとちゃんと消化してくれてるので、正直ガメラの方が好きです。
橘:というよりもゴジラの場合、そのテーマ性全てを1954年の初代で描ききってると思うんですよ。そのあとの続編はそれぞれに違った魅力がありますが、初代の重厚さには敵わないんでしょうね。
G:正直なところ初代意外はビジネスとしての映画ですしね……。
◇癲◇書きたいモノ。
G:先ほど怪獣モノを書きたいと言っていましたが、やはり小説として書く予定なのでしょうか?
橘:はい。いずれ書きたい、書かなきゃいけないと思う怪獣の話があります。
G:ほほほ。小説で怪獣書くってとてつもなく大変だと思うのですが、さすがです……。
橘:ただ、怪獣にばかり感情移入してしまって、それにまつわる人間たちの感情がほぼ空っぽだということに気づいてしまったんですよ。
G:初代ゴジラの原作者の方が、映画が完成した時にゴジラの逝くシーンで涙を流したって話ですし、やはり主人公は怪獣なんですよね。
橘:だから今書き始めると、おそらく、ニンゲンが作者の都合で動く人形になってしまうので、実際に書くのはまだまだ先になると思います。
G:なるほどなるほど……出来上がったら是非拝見させてもらいたいです。
◇缺◇書かれたモノ。
G:それではそろそろロンスカの話を……。
橘:愛憎会、ですね。
G:ですです。そもそも自分がツイッターで不特定多数のフォロワーさんに「合作しませんか?」とツイートしたのが始まりだったのですが、何故、受けてくれたのかなと。
橘:あのときは丁度、自分で書き進めているもののスケジュールも窮屈ではなかったですから、ここはひとつ修業の一環として挑戦してみようかな、と。
G:あれは確か去年の六月あたりでしたっけ。
橘:話があったのは、そのくらいでしたかね。そして実際に設定等の具体的なものを受け取ったのが、秋くらいだったかと。
G:でしたね。
橘:二次創作には慣れていなかったので、他人が作ったキャラや世界で話を動かすのは、とても難易度が高いんですよね。だからこそやってみたかったという気持ちでした。
G:なるほど。
橘:だもんで、まずはあれが原作者さんのお眼鏡にかなっているかが心配ですが……。
G:いやいやいや! 確実にヘンタイシリーズで一番デス。自分のペラペラなプロットであそこまで物語を組み立ててくれるなんで、正直思ってもいませんでした。
橘:あのサメジマが「ヘンタイ」と言えればいいんですが。そう言っていただけると良かったです。
G:あれでいいんです。ヘンタイよいう名を背負ったサイコパス。そんな狂気ある主人公を書いてもらっちゃって、頭が下がります。自分で書いてたら中途半端なキャラクターになっていたと思うので。
橘:サメジマ父は「ヘンタイ性癖」と通り越して「ヘンタイ信仰」の域に入っちゃいましたね。もはや教祖ですよ。
G:宗教でいいんです。教祖なんです。サメジマ父の目的は人を○○から○○するってレベルにまで達してるので、それでいいんです。(ネタバレのため一部伏せます)
橘:なるほど。自分としては、ちょっと独り語りが多かったかなと思いましが……あとは、あのサメジマ父を本編で大暴れさせてやってください。
G:そうですね。撲滅もまだ半分ってところで一応完結ってことにしちゃってますが……。
橘:装い新たに「制服撲滅委員会Z」が始まるんですね。察します。
G:Zいいですね。撲滅委員会は準備期間が長すぎて肝心な本編がごちゃごちゃし過ぎているので、一度自分の中で綺麗にまとめてから復活させたいと思います。タイトルはもちろん「制服撲滅委員会Z」で(笑)
橘:いずれG.E.先生のヘンタイシリーズが真の完結を迎えることをお祈りします。
G:ありがとうございます。がんまります。
――二〇一三年八月某日。