豆知識その十四「半沢直樹チックな天上世界の人の考え方」
天上世界の神々の決定によって、出雲が天上神の統治にする事が決定しましたが、これは実際相当ゲスい決断と言えます。
ただ、一切合切のゲスい決断かと言われると、フタを開けてみれば一概にはそうとも言えない事実もあります。確かに、国を造ったのはスサノオやオオクニヌシですが、その間にも、天上世界の神々は、気付かない所でそれなりの手助けはしていたのです。
例えば、アマテラスがいたから出雲には昼があり、ツクヨミがいたから出雲には夜が訪れます。オオナムヂが死んだ時も、天上世界の神であるタガナシが人材を派遣して事なきを得ました。スクナヒコナも、実は影でタガナシが暗に「助けに行ってやってくれないか」と仄めかした、という説もあります。
まして、アマテラスが受けた報告は、富んでいるか荒んでいるか曖昧な「騒がしい」というものです。実態がわからないうちから「アマテラスに統治させよう」と決定を下した真意は、その実「やっぱりスサノオとかオオクニヌシだけじゃ心配だから、俺らも助けてやろうぜ」というものだったのかもしれません。
無論、そのような好意による意見だけではなかったのも事実です。
後ほど出て来ますが、天若日子(あめのわかひこ 以下:アメノワカヒコ)という神などは、出雲の世界を則って自分が統治してやろうと暗躍さえするのです。
それに、この後行われる国の争奪戦ですが、結構エグい事にもなります。
決定とは一つの表現であり、その裏に何が潜んでいるのかわかったもんじゃありません。やっぱり人って怖いですね。……これらは神様なのですが。