Neetel Inside 文芸新都
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ミルクセーキ
夏休みは終わらない

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今日も僕は生きている、絵描きになるなんて夢みたいなことを言い続けて何年になるだろう。それでもあきらめられないんだ。
たいした創作意欲なんてない、それももうわかっている、才能がない、それを認めるのが怖いのかもしれない
「ああ、なんだかつかれたな」
独り言を言ってみる。
自然に物語がわいてきたのは一体いつのころだろうか…
「漫画家になるか、なれなければ乞食にでもなってやろうか」
そのくらいの覚悟はある、というか漫画家以外の仕事ができる気がしない
むなしい
それでも今日も日は過ぎていく
「トップになりてえなあ」
たかしは言った
「何のだよ?」
僕は聞き返す
「なんでもいいよ、別に何かのトップに立ちてえ」
「はは、漠然としすぎだよ」
正直僕はそんなたかしが嫌いじゃなかった
どんな小物でも腹に野望くらい抱いたっていいだろう
それすら許されないのなら人は生きる価値もないんじゃないのだろうか
僕の中身は一体どれくらいの勝ちがあるのだろうか
何もない青春を過ごしたと思う、友達とくだらない話なんかしたこともない
たかしは僕のことを可哀想に思って一緒にいる
たかしには結構、友人がいる
僕とは違う、僕は人に見下されるのが嫌いだ
それでも僕の実力では馬鹿にされても仕方ないのだろう
そんな自分が嫌いだった
僕は絵が得意だった、絵の世界でならだれにも馬鹿にされないことに気付いたのだ
これは大きな発見だった僕は絵を描いた誰にも馬鹿にされない世界は気持ちいい
何にもかけないそれが悩みになったのはいつごろだろうか
正直に言って才能がない、この一言に尽きるのだろう
「お前まだ漫画家なんか目指してんのかよ、俺は就職したぜ」
たかしはいつのまにか就職したしまった
僕はたかしが小説家の夢をあきらめたのだと知って悲しくなった
トップに立ちたいと言っていたたかしはかっこよかった
これが大人になるということだろうか
僕だけがいつまでも子供のままだ
僕の夏休みは終わらない。

       

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