Neetel Inside 文芸新都
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赤い小瓶
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まだ私たちが小学生だった頃のことです。
仲の良かった私と彼は卒業式の日に校門の前で、十年後またここで会う約束をしました。そして、一緒になろうと。
今日がちょうどその日です。
もう道路の向こうには学校が見えています。
私は校門の方を見ました。
行きかうトラックや車の隙間から彼の姿が見えました。
あの頃と全く何も変わっていません。
私は懐かしさのあまり、そのまますぐに彼に駆け寄りました。

彼は抱きついてきた私を優しく受け止めてくれました。










解説
小学校の頃から全く変わっていないのはおかしい。
また、トラックや車が行きかっている道路に駆け出して行って無事なわけはない。
彼はとうの昔に死んでいて、女性もその後を追った。

     

16/51点とか、マジやばい。
今回の小テスト補習かも。
あれ?ってかこのテスト向き逆じゃね?
あのせんせー文字カクカクしてるからわかりにくいんだよな。
…つまり本当の点は91点か!
俺マジやべえ。









解説
16→91
51→15
さらにふたつの数字の位置も入れ替わるので、正しくは15/91点。
補習は確定。

     

俺がこの島に流れ着いてからもう二ヶ月が経つ。着の身着のまま、何も持ってきていない。
助けが来る気配はない。
この島に人はいないようだ。それどころか鳥も動物も見当たらない。綺麗な小川もあるというのに魚さえいない。
まあ、見たことのある山菜や果物が山ほどあるおかげで食うには困らないのだけれど。でもずっと一人でいると、頭がおかしくなりそうだ。

ある日、ひとつのスーツケースが島に流れ着いた。
作りがしっかりしているので、中身は濡れていない。食料は入っていない。でも、ライト、ラジオなど役立ちそうなものがたくさん入っている。
あっ、ライターとナイフまである!
今日は久々に肉でも焼いて食うか。









解説
島にある肉は男性自身のみ。
男性は自分の肉体を食べようとしている。
過ごしやすい環境の島なのに何もいないのは、他の動物達も同じように…?
前に、男性は頭がおかしくなりそうだと言っている。それは孤独のせいではなく、その島のせいかも。

     

私最近一人暮らし始めたんだけどさ、なんか最近変な気配とか感じるわけ。
昨日顔洗ってる時もさ、あっなんかいるって思ったんだよね。
で、恐る恐る顔を上げたの。
でも、鏡の写っているのは私の笑顔だけだったんだよね。









解説
恐る恐る顔を上げたはずなのに笑顔。
気が狂っているか、写ってはいけないものが写っている。

       

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