Neetel Inside 文芸新都
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書き散らし駄文録
りゅうがみさまの はなし

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りゅうのかみさまのおはなし


むかしむかし、そのまたむかし

ひとがやっと、えいがをきわめようとしていたころ

たくさんのかみさまがあつまり、こういいました


ひとはおごり たかぶり かみへのおんを わすれている!

つみぶかきひとはほろぼし あらたにいのちを つくるべきだ、と

おおくのかみさまがそれにさんせいしました。

が、ただひとり、りゅうがみさまだけが、それにはんたいしたのです

「ひとがあやまちをおかしたとしても われわれがそれをいっぽうてきにほろぼすならば
 それはわれわれが おごり たかぶり そしておろかだということだ
 それがわからないのなら われわれはほろぶべきなのだ」

もちろん、ほかのかみさまはりゅうがみさまをひなんしました

われわれは かみなのだ
われわれがつくりだしたものは われわれがすきにしてよいのだ
そう、くちぐちにさけびます

りゅうがみさまはなげきます

「なぜわからないのか ひとをただしくみちびくことが
 われわれのやくめではないのか われわれのおもうとおりにならないと
 かれらをほろぼし かれらのつくるみらいをこわすことが
 あなたたちのいう せいぎなのか」

りゅうがみさまは かみがみたちに

ふかいふかい つちのなかへと ゆうへいされました

そして かみがみがひとをほろぼす やくそくのひ


りゅうがみさまにきょうかんした いちぶのかみは

りゅうがみさまをかいほうしました

「どうしても ほろぼすのなら わたしはすべてをうらぎろう」

りゅうがみさまは にんげんのため おのれのせいぎのため

じぶんのいのちをなげうち ひとのためにたたかいました



りゅうがみさまは ひとをほろぼそうとした かみがみをうちはたしました

しかし、みずからもふかくきずつき

そして りゅうがみさまとともにたたかったにんげんも

ふかくふかく きずついたのです


りゅうがみさまは おのれがすでに しにたえることを 
うけいれました そして さいごのちからをふりしぼり

のこったにんげんへと しゅくふくをあたえました

「わたしもまた みずからのえごであらそい そして ほろびるのだ
 ひとのこよ そのことをわすれてはいけない」

そして りゅうがみさまのながしたちは

ゆたかなみずうみへ

りゅうがみさまのにくは

たくさんのきをたくわえた

そうごんなやまへ

りっぱなたてがみは

たくさんのみをつける

もりへとかわりました



そして わずかにのこったにんげんは

しゅくふくをうけただいちで ほそぼそといきています


いつしか、しゅくふくをうけないだいちは

こうやへとかわり

そこには ひとをにくむ かみがみのぼうれいが

ただようようになりましたとさ



おわり






       

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