「女」
メロンを送る人
12時になった時、芽衣子はふと窓の外を見た。
午前中は分厚いカーテンのように降りていた雲がすっかり晴れて、明るい光が差し込んできている。
部屋干ししておいた洗濯物をベランダに出そうとして、膝に走った痛みに眉をしかめる。
そういえば今日は姉の命日だったが、母はきちんと仏壇におびきさんを上げたろうか。
毎朝の食事の時に温かいご飯と水を供えるのが習慣だったが、姉の七回忌が終わってからはどうもおろそかになっている気がする。
自分で見に行こうと芽衣子が腰を浮かせたところで、母の高い声が近づいてきた。
「芽衣子、芽衣子、何してるの」
「お母さん、どうしたの?」
「なにさ、この子ったらぽさっとして。はやくあれを下ろさないでどうするの」
「あれ?」
「ほら、洋介さん“さ”くれたメロン」
母に手を引かれるまま仏壇へ行くと、はたしてそこには熟れきったメロンが供えられていた。
仏壇から下ろして底を触ってみる。柔らかい感触がして、指が中へ入っていく。香りこそやや腐りかけているものの、
クリームでも添えればまだ食べられそうだった。
台所へ行ってすこし食べちゃおうかしら。そう思った芽衣子の後ろで、母が不機嫌そうなくねった声を出す。
「芽衣子、いいから裏に投げてしまいなさい」
最近、ぼけが進行してきた所為か、母は時折郷里の北海道の言葉が出るようになった。
首をかしげた芽衣子にもう一度「投げてきて」とくりかえす。そこでやっと投げる、が向こうでは捨てる、という意味だと思い出す。
言われるまま裏の木戸から庭へ出て、メロンを地面へ落とす。ぐちゃっと水音に似た音がして、メロンはその短い生を終えた。
名もなき雑草のあいまに、ぱっくり口を開けたオレンジ色の果肉が毒々しく光る。
芽衣子はしばらくそれをじっと眺めていたが、「芽衣子ぉ」と切なげに語尾を伸ばした母の声に、きびすを返して立ち去った。
死んだ姉__直子の夫だった人、洋介は毎年夏になると果物を送ってくる。
新潟に住んでいる洋介は、妻を亡くしてからますます趣味の山登りにのめりこむようになったらしく、
たまに送られてくる手紙には早池峰山の水は違うとか、御嶽山から見る雲は美しかったとか、そんなことばかり書いてあった。
罪滅ぼしのつもりか、それとも直子のことでご機嫌伺いをしているのか。
欠かさず送られてくる果物に最初は喜んでいた母も、やがて洋介の真意を悟ったのかそれを嫌がるようになった。
宅配便で送られてきたらすぐ仏壇に供えてしまい、熟して仏間に香りが漂うようになれば今日のように裏庭へ捨ててしまう。
もったいない、と思いつつなぜか芽衣子も口をつける気になれなかった。
そのわけは姉を蔑ろにしていた洋介への恨みか、それとも姉への憐憫か。それすら芽衣子には分からないことだった。
「芽衣子、お昼はにゅうめんにしようかねえ。ほれ、あの天ぷら。残ってたでしょ」
のんびりとした母の声に、はっと現実に引き戻される。
鍋の中では麺を茹でるために沸かしたお湯がぐらぐら煮えたっていた。
慌てて火を消して、長ねぎを刻む。昼はざる蕎麦にしようと思っていたが、母の希望ならしかたない。
冷蔵庫から出した春菊の天ぷらをのせると、にゅうめんもなかなか立派な一品になった。
「あんねえ、上の住吉さんがこの前畑でとれたズッキーニなんだけどねえ、
おがりすぎてもう食べれなくなったって」
「そう」
「中がスカスカになってんのよ。ズッキーニはすぐ大きくなるから早くとらないと……」
食べている間も、母はのべつまくなしに喋り続ける。70をやっと過ぎたばかりでもう頭がはっきりしないのか、
ただ一人の同居人である芽衣子は一日中母の繰り言を聞かされ、食事もろくろく喉を通らないありさまだ。
「それでね、あたしゃ言ってやったのさ。ナマコは腐ったら畑に捨てなさいって……」
母のおしゃべりは、当分終わる気配がなかった。
直子はけして人の悪口を言わなかった。
そのかわり、なにか不満があっても胸のうちにためこんで守銭奴のごとく守りぬく。
女は陰にこもった部分があると子宮を病むというが、直子はずっと月経が重かった。
それは30で洋介と結婚してからも同じで、芽衣子はまるで母親のように甲斐甲斐しく洋介の世話を焼く直子の姿を今でも覚えている。
男尊女卑のひどい北陸の一地域で生まれ育ち、なまじ成績も良かった洋介は、女にもたれかかるのを疑問に思わなかった。
いや、自分が直子に甘えているという自覚すらなかったかもしれない。なにしろ直子のほうが4つも年上だったからだ。
芽衣子は、はじめから洋介が気に入らなかった。
彼は、自分と同い年の義妹の芽衣子に気さくに話しかけては軽口を叩いたが、芽衣子はそれが憎らしくて仕方なかった。
洋介は休日、いつも山に入り浸った。彼が家族サービスしていたところなど見たことがない。
彼にしてみれば、家事と下半身の世話もしてくれる女中をもらったくらいの心構えだったのだろう。
事実、直子がすこしでもそれを怠るとあきらかに不機嫌になって、彼女に無言のプレッシャーをかけた。
それを見てとると、直子はまるで乳飲み子のおむつを変えてやるかのように「はいはい」とビールを注いだ。
あの時代に大学を出ていて、顔も悪くない直子に次の貰い手がないということはあるまいが、
もしかしたら洋介を心から好きだったのかもしれない。
そんな直子に子宮のガンが見つかったのは、結婚してから10年の節目の年だった。
メロンを裏庭に捨ててから2日が経った。
ゴミ出しに行く途中、芽衣子は何気なく裏庭の方を見た。
ぱっくり割れた果肉に蟻がたかっている。芽衣子にはそれが、子宮の映し身のように思えた。
ゴミを集積所に投げこんで、まだ時間があるので浜をぶらぶら歩く。
家のすぐ前が砂浜だというので、洋介は飛び上がって喜んだのを覚えている。
直子は「子供みたい」と笑っていたが、芽衣子は嫁の実家でよくもまあくつろげるものだと呆れるしかなかった。
__今日はお坊さんがやってくる。
仏壇にはきちんとビールもお供えした。住職が来たらビールを、平のお坊さんだったらお菓子を一つだけあげようと、
母は冗談交じりで言った。
海は今日も静かに流れている。あたたかみのある太平洋は、波も静かだ。
水平線を眺める芽衣子の心は、また直子を思い浮かべていた。
「めいちゃん、お願いだからお母さんには言わないで」
もう集中治療しかないと入院させられた千葉のホスピス。
やせ細った直子の第一声が、それだった。
「お母さん、可哀想。去年お父さんをガンでなくしたのに、今度は長女がなんて……
お願いよめいちゃん、わたしの具合が悪いってこと、お母さんには内緒にして。ね?」
必死で頼みこむ直子の隣で、洋介はおろおろしている。
芽衣子は頭にかあっと血が昇るのを感じた。
__この野郎。今まで姉さんを放っておいたくせに、いまさら夫づらなんかして……。
そんな思いが、あぶくのように浮かんでは消える。
芽衣子はやっとうなずいて、洋介をうながし病室を出て待合室へ行った。
「はじめは」
スポーツマンでよく通る洋介の声はだいぶかすれていた。
「はじめは、近所の婦人科に行ったんだ……そしたら、ただの子宮筋腫だというから、
放っておいたら……どんどん具合が悪くなって、とうとう朝起きられなくなった。
お義父さんがガンをやったというから、もしかしたら家系なのかもしれないと__」
「それで、どこの病院に行ったの」
「石川の、有名なところに……最初の病院の医者が間違えたんだ。
そこでガンだと分かっていたら、手のうちようがあったと言われた……」
芽衣子にガンの知識はなかったが、それでもホスピスが末期患者を収容する場所ということだけは
知っていた。直子は、おそらく来年までは持つまいとも、どこかで理解した。
「ありがとう。お姉さんの面倒はあたしが見るから、
洋介さんはお仕事がんばって」
洋介は、そこでやっと安心したように笑顔を見せた。
本音では妻の世話などしたくないのだろう。ただガーゼを湿らしたりタオルを持ってきたりする程度の
看護が、そんなに面倒なのだろうか。仕事が忙しいというのは重々承知していたが、
それでも週に一度も会いにこない洋介は、なんと冷たい夫だろうと思った。
直子は、芽衣子が来たことでほっと気が抜けたのか、みるみる弱っていった。
まだ40を少し過ぎたばかりで死ぬなんて、と芽衣子は陰で泣いていたが、
忙しい合間に電話をよこす洋介は思いの外落ち着いていた。
このホスピスはどうやら、ぎりぎりまでモルヒネを使わない主義らしく、直子以外の患者もそれでひどく苦しめられていた。
看護婦たちは夜中に何度も「痛い、痛い」とナースコールを押す直子を、ただ黙ってさすってやるしか能がなかった。
放射線もワクチンも、もはや直子の体をいたずらに傷つけるだけだった。まるで直子があと何十年も生きるかのように、
医師はモルヒネを出し惜しんだ。芽衣子が土下座せんばかりの勢いでお願いして、ようやくモルヒネが打たれるようになったのは、
死ぬ一ヶ月前くらいだったかと思う。なにしろ毎日忙しく、記憶があやふやなのだ。
ともかく、なんとかモルヒネで痛みを遠ざけられた直子は、今度はうとうと眠るようになった。
時折ふっと目覚めては、もう卒業した小学校の工作の宿題を気にしたり、昔母と旅行した札幌テレビ塔から見た大通公園の話をしたり、教員だった父について北海道の函館に住んでいた頃、隣で写真館をしていたおじさんのことを話したり、
神戸の大学を受験した時の、試験官が眼帯をしていたのがおかしかった話などを、ぶつぶつとつぶやく。よくもまあここまで覚えているものだと思うくらい、細かいところまではっきりと話すのだ。芽衣子はそれが姉の命の残滓だと思い、すべて看護日記に書き写した。
「……めいちゃん、おっかさんに会いたい。おっかさんを呼んで」
それは、死ぬ一週間前の事だった。
姉はうわごとのなかで、田舎くさくて恥ずかしいと嫌がっていた幼子の頃の呼び方で、母を呼んだ。
母は、可愛い長女の病状がここまで深刻とは知らなかったのか、
のんきにおみまいの夕張メロンを持ってきた。しかしベッドの上で直子を見た時も、
医師から説明を受けた時も、母は一見するといつもどおりにみえた。
動揺も悲しみもなく、気丈な態度を崩さなかった。
直子は大好きだったメロンを見ても弱々しく「いらない」と言うだけで、
母の顔をいっときたりとも見逃すまいとばかりにじっと見つめた。
親子は、涙もなくただ見つめ合っていた。
そうして六日が過ぎて、最後の夜。
ベッドの横で、芽衣子と交替で直子を看ていた母が、ふと「おっかさん」と呼ぶ声に目を覚ました。
「ああ、直子や。どうしたんだい」
「おっかさん……喉が渇いたの。メロンをちょうだい」
やけにはっきりした声で、母はたいそう驚いたが、「ああ、メロンだね」と
自分の持ってきた夕張メロンに包丁をつきたて、直子の目の前で切ってやった。
「こうしたほうがおいしいんだよ」
フルーツパーラーで盛り合わせとして出る時のように綺麗に切らないで、
スプーンですくって、直子の口にはこんでやる。柔らかい果肉は、
すでに噛む機能を失った直子の口の中ですうっと溶けていく。何度も何度も、そうして食べさせてやった。
やがてメロンが青い皮ばかりになった時。直子は首を振って「もういいわ」と笑った。
「ああ……おいしい……」
最後の「い」はすうっと消えていった。直子は目を閉じて、メロンの甘みを噛みしめようとするような
安らかな表情のまま、息を引き取ったのだった。
そして今日、洋介が4年ぶりに我が家を訪れる。直子の位牌に手を合わせて、思い出話をするために。
「あら、洋ちゃんじゃないの」
母は、従兄弟の洋一と勘違いしているのか、玄関先に立った大柄なスーツの男の体を
べたべたと馴れ馴れしく触って、笑った。芽衣子が気まずそうに笑いかけたが、
洋介は笑わなかった。お辞儀をして、到来物の包みを芽衣子に差し出す。
「どうぞ、うちの特産です。中身は塩ですが」
「まあ……ありがとうございます」
他人行儀だが丁寧な言葉づかいで隔てられる関係。直子が亡くなった後、
二人の繋がりが切れたと考えれば不自然でもないのだが。
芽衣子は堂々とした洋介のたたずまいに、10年の時のへだたりを感じた。
洋介はトランクを廊下において仏間に上がっていくと、ゆっくりと正座して、天井と壁のすきまにかけられた
親戚一同の位牌を見た。最初に母の母、つまり芽衣子にとっての祖母、それからその祖母より
すこし若い姿の、祖父の遺影。50代の若さで死んだ叔父、第二次大戦のおり、シベリアで病死した叔父の双子の兄、
叔父の嫁、と来て最後に一番新しい直子の遺影をじっと見つめる。
成人式の時、一人だけ紺の振り袖だったわと舌を出した直子。その直後にまだ生きていた叔父がカメラを向けた時、
嫌がって身をよじった。なので写真の中の直子はすこしだけ右を向いている。
だが正面で映った写真よりずっと美しく見えるし、本人もやつれた後の姿は使われたくないだろうとのことで、
20年以上も若い遺影が使われたのだった。洋介はマッチを擦ってろうそくに火をつけると、
お鈴を鳴らして「南妙法蓮華経……」と何度も唱えた。徐々に背中が曲がって、深々とお辞儀をするように
仏壇に向かう。何分かして、ようやく洋介は顔を上げた。手で風を送って火を消すと、こちらを向いて
もう一度拝むように手を合わせる。
「芽衣子さんは今日、お暇ですか」
「え、ええ……」
「突然お邪魔したものですから、何か予定があっては大変だと道々悩んでました。
東京に来られることはめったにないので、出張のついでに寄ろうと常々思っていたんです」
「はあ……では、こちらにはお仕事で?」
「はい。一昨日お電話を差し上げましたが、なにかと準備もあるでしょうと」
前はぎこちなく、北陸の訛りが色濃く残っていた洋介の共通語は、だいぶ洗練されたように思った。
黒くつやつやしていた髪には白いものがまざり、目尻や頬には深い小じわがいくつも刻まれている。
歩く姿もぎくしゃくして、若いころに山を駆け巡っていた溌剌さはだいぶ失われていた。
「少し、歩きましょうか」
「ええ」
昼食を食べていけとせっつく母をなんとかあしらって、芽衣子が頷く。
洋介は母に丁寧なお辞儀をして、また靴を履いた。トランクはそのままに、
手ぶらで散歩でもするように外へ出る。
「この海は変わりませんね。僕が好きなままだ。
……そうだ、このへんにホテルなどありますか」
「向こうのほうに迎賓館が」
「それはいい。冬にでもまた来ようかな」
洋介の言葉はだいぶ砕けてきたが、それでも10年前までの不躾な感じはない。
そろそろ定年を見すえる年になったからか、それとも直子という『母』がいなくなったからか。
二人は何をするでもなく浜を歩いて、適当な場所に腰を下ろした。今日も、波は静かだ。
「お家のことは、ぜんぶお一人でなさってるんですか」
「いえ、去年までは母が……」
そこで洋介は言葉を切った。続きを目だけでうながすと、重々しい口を開く。
「実は……母は認知症がひどいんです」
「まあ」
「直子が死んでから、両親が次々にぼけてしまって……今はふたりとも施設にいます。
もう私のことも分かりませんよ」
「まだお若いのに」
「ええ……70の坂を越える前に、ふたりとも……」
聡明そうな白髪をたたえた舅と、上品な物腰の姑を思い出す。
あの二人が、今はもう下の世話すら人に頼らなければ生きていけないようになって
施設で日々を生きている姿は想像できなかった。
葬式の時の、二人を思い出す。
直子が死んだのはまるで自分たちの息子が妻を放って山で遊びまわっていたからだ、
夫の自覚がなかったからだと言わんばかりの口ぶりだった。
芽衣子は腹の底ではなんとなくそれに同意していたが、表立って二人に言うことはなかった。
もしあの時、その気持ちを伝えていたらどうなっていたのだろう?
義理の両親は、直子と同じように腹の中へその悲しみを抱え込み、そしてとうとう年に似合わず
右も左も分からないようになってしまった。
「あのメロン、食べていただけましたか」
「えっ」
芽衣子は突然話を変えられて驚いた。
洋介はその反応で何もかも悟ったのか、「すみません」と目を伏せた。
「今は、あのお家にお一人で?」
「……はい。慣れない台所仕事ですよ。
男子厨房に入らずで育てられたのに、今は一生懸命味噌を溶いてます」
それきり、二人の間で果物の話は出なかった。
きっと洋介は、母が果物を捨てていることなどとうに知っていたのだろう。
それでも毎年送り続けていたのは、彼岸に行った直子との間のわずかな繋がりを断ち切りたくなかったのか。
それともただの自己満足か。洋介は昼食を御馳走になると、すぐにトランクを持って街へ行くバスへ乗り込んだ。
見送りに来た芽衣子に、彼は何度も手を振った。バスが見えなくなるまで、芽衣子もずっと手を振り続けた。
「芽衣子ぉ、洋介さんさ次いつ来るって?」
洋介を見送って家に帰ると、母は上機嫌でお茶を飲んでいた。
「……聞いてないわ」
「わたしあの人好きよ」
「お母さん?」
「きっといい旦那様になるって、直子にも言ったの。
あの人はおじいちゃんになったら、きっといい人よって。
足が悪くなって山に行けなくなるまで粘ってやりなさいって」
芽衣子は、どんな顔をしていいのかわからなかった。
母もだいぶ足元がおぼつかなくなって、子供のように穏やかになってきた。
そろそろ施設に入れろと近所のおせっかいなおばさんが言うが、
ほんとうにその時が近づいているのかもしれない。
そういえば、ぼけの進んだ老人は本音で生きるようになるという。
洋介が結婚の挨拶に来た時の、母の優しいまなざしを、いまさらになって芽衣子は思い出した。
しかしそれでどうなるというのか。
もう直子はいない。洋介も、一生直子を背中におぶって生きていくだろう。
そして自分も、この家で姉の亡霊と共に生きていくしかない。
「お母さん、ぶどう食べる?洋介さんがくれたのよ」
「ああ、食べようかねえ」
芽衣子は笑って、ぶどうを下ろすために仏間へ歩いて行った。