思いつき短編臭
ある人の息子
~ある人の息子~
父ちゃん父ちゃん聞いてくれや。
今日な、友達にガンダムの話したねん。
そしたらなシードデスティニー?
あれおもろいなぁとか言うてんねん。
だから僕な言うたんや。
何が種や。
男がファースト見ないでどないすんねん! て。
だってな、だってな。
シャアのいないガンダムなんかガンダムやあらへん!
て父ちゃん言うとったやんか。
僕もそう思う。
あんなもんガンダムやあらへん。
ンダや!
ウガンダみたいなもんや。
ウガのないウガンダや!
そういやな、ウガンダどこいったん?
井出らっきょはどこ行ってしもたん?
たけし軍団はどうなってしもうたん?
ビートきよしも悲しんどるで。
ちゃうちゃう。
違うねん。
こんなこと言いたかったのと違うんや。
あんな、あんな。
このまえ運動会あったやんか。
友達のお父ちゃん皆仕事でなぁ。
んでな来てくれなかったのになぁ。
お父ちゃんな、来てくれたやんかぁ。
日曜日も遊んでくれるやんか。
ゲームとかガンダムとか遊んでくれるやんか。
あと、あとな、あとなぁ…
ゲームとかしてくれるやんか。
だからなぁ…
だからなぁ…ありがとう。
そう言って息子がくれたのは、
もちろんヴェルタースオリジナル。
何故なら私もまた、
彼にとって特別な存在だからです。