【雑誌名】月刊コミックニート
【作品名】時々、プリキュア
【作者名】コマンダー鼻
【作品URL】http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=15800
【プリキュアを思い出す季節に】
ドキドキプリキュア(2013年2月~)放送開始時に始まった作品。
タイトルもドキドキプリキュアにかけている。
でも元ネタは明らかにハートキャッチプリキュア。
「ツトメ=つぼみ」「ユメ=えりか」という感じで見える。
新都社らしい味付けがされており、ツトメは社畜精神あふれる真面目な30歳。ユメはニートな29歳。
ツトメはキュアシャイン、ユメはキュアニートに変身する。
第一話のタイトル「三十路でプリキュアってダメですか?」
……うん、実に新都社らしい!
そして本作は新プリキュアが放送される2~3月ごろに更新されることが多い。
今回はオールスター公開に合わせてのようだ。
本作が更新されると「ああ、新しいプリキュア始まるんだな」と思い出したりする。
ちなみに私の一番好きなプリキュアはやっぱりハートキャッチかなぁ。
初代は別格として、ハートキャッチがアニメとしては一番面白かった。
【プリキュア感が凄い】
絵は正直いって下手な部類に入るかもしれないが、良く動くし漫画としては上手い。プリキュアというと過剰なぐらいキラキラした絵が思い起こされるが、こういうシンプルな線でプリキュア感が演出できるのは大したものであり、ということはやっぱり絵が上手いんだと思う。
何よりプリキュアのお約束がちゃんと守られ、プリキュアらしい。
・プリキュアと妖精が顔をぶつけ合っての出会い。
・悪の幹部がアイテムを使ってモンスターを召喚。
・追い詰められて、精神的に立ち向かう心を見せた時に変身。
・変身直後のハイジャンプ。
といったお約束を色々と踏襲していて、「分かってるな」とニヤリとさせられる。
ポケモン、遊戯王、仮面ライダーなどなど、こういう系統の漫画にはお約束は不可欠だ。
【子供VS大人】
悪幹部は小学生の姿で、ザケンナー系の召喚モンスターも「イマイクーツ」と年齢を聞いてくる。
プリキュア側は三十路の二人で、変身アイテムも時代遅れのポケベル、更に戦った後は筋肉痛でバキバキになっている。
しかし2013年に29歳のユメはポケベルを使いこなしているが、同時期に35歳だった私でもポケベルなんてもう使いこなせんぞ…。
分かりやすすぎるぐらいに子供VS大人を演出している。
だが大人も喧嘩する。お約束のように喧嘩するプリキュア2人。
ムーンライト同様のロングスカートを履くおばさんのくせに何とも未熟というか中学生っぽい。
本作の面白いところというかテーマは、大人らしく社会人らしくあろうとするツトメに対し、子供っぽくニートなユメという対比。
2話での2人の喧嘩はそれに起因している。
3話ではツトメが仕事でイライラさせられており、ユメは親からハローワークには行ってるのか?とプレッシャーを与えられている。
子供のままではいられない。でも社会は厳しい。胸が痛くなる。
セルフサービスネタがちょっとだけあったが、三十路の悩みというか現実の辛さが身につまされるものがある。
悪役の目的は「すべての思い出を消し去って、永遠の子供時代を作ること」にある。
ある意味、魅惑的な世界かもしれないが、プリキュア2人はそれでもつまらない現実世界を守ることができるのか?
中々、深いテーマも抱えているのだ。
相川七瀬の歌詞にあったよね~「夢見る少女じゃいられない」
2人はどうするのか?
続きも楽しみである。