Neetel Inside 文芸新都
表紙

じんせいってなんですか?
将来の夢は死ぬこと!21歳!(ハハハ)

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空が青かった。晴れてるから、すごく。でも何もしたくなくて煙草を吸った。隣の笑い声がする。何に対して笑ってるんだろうか。私も一緒に笑いたい。空が青いから一緒に笑おうぜ! って、そういう度胸もない。引きこもってる部屋だけが私の見える世界で、それ以外は知らない。狭くて苦しくて白い煙だけが燃え上がって白い壁に染み付く。隣の笑い声。部屋のポストにはキャバクラの勧誘と地域誌。興味もなかったからすぐに捨てた。無音が苦痛だったから曲を流す。何故か頭が詰め込まれて泣きそうになった。怖かった。人がまともに生きて私はその違いに苦しくなった。死にたくなる。死にたい。死にたくなって頭が詰め込まれていたものが流れて足の人差し指が痛いことに気付いた。痛い。頭も痛い。目も痛い。布団が煙草臭くて汗臭かった。そのまま布団に潜る。部屋が涼しいので、涼しくて、そのまま死ねる気がしたので、死にたくて、私がいなくてもこのままみんな何食わぬ顔で生きてることが気に食わなくて死にたくて生きたくない泣いて喉奥が痛くてきっと喉が渇いているんです、私だって生きてるんですもの、生きてるけど人に自慢に顔見せできるほどの人間ではなくて、正論をずっと人に言って、自分は何も出来ない口だけの人間で生きてきました。喉奥が痛いんです、喉奥じゃないかもしれない、布団が濡れた。眼鏡のレンズも濡れた。すごく悲しくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて、死にたいが検索履歴に残りました。嫌いなヤツらが死ねばいいのにね。皆死んでしまったらいいのにね。それはダメだから私が死にたい。ねー、お父さん、お母さん、私、もう、二十歳になりました。なんで生きてるかわからないんですー。私の顔、見る度に嫌になってませんか? 嫌になっていたら言ってください。私はお父さんとお母さんのこと大好きです、でもお父さんとお母さんは私のこと嫌いになるかもしれなくてそれが怖いんです。私は弱い人間なので、何に対しても怯えて生きているんです。皆のように強い人間になれたら幸せだったんでしょうか、そう思うのなら今までの時間、間違えた。空の色は青い。でもそろそろ日が落ちて真っ黒になるから、すごく。あ、目が乾いた。
「俺は、お前の親じゃない」と口を揃えて言う。また言われたな。この言葉は呪いだ。私をずっと追い詰めてくる呪いだ。お前は大人になってないんだよっていう分からせてくる呪い。呪いの言葉を聞くと記憶が飛ぶ。頭ん中が真っ白になって胃のものがせりあがってくる。やめろ。私は大人になれているんだ。私を自覚させて何が楽しいんだ。やめろ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。記憶が飛んで、ある記憶は、「お母さん、助けて」と泣いてる自分。助けてくれるわけがないよ。だってお母さんは私に興味が無いから。いい加減、気付け。気付いて、さっさと死んだ方がいい。幸せなうちに死んだ方が幸せだ、と記憶のある私が言っていた気がする。でも奥歯を食いしばりすぎて、磨り減ったけど。私の記憶も、無くなってるけど。記憶、無くなってるね。記憶無くなるの、嫌だな。途切れ途切れで、楽しい記憶もなくなるの嫌だな。そろそろ死ぬのかな。せめて楽しい記憶だけでも残せて死なせてくださいお母さん。そう願いますよ。本当に……。

       

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