Neetel Inside 文芸新都
表紙

じんせいってなんですか?
赤い百合園

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赤い百合園
テーマ・・・同性愛 



















キャスト

美里  高2、レズビアン。一番話し掛け易く、男子に近い優子に相談を持ち掛ける。
優子  高3、いつも理科室で男装をしている奇人。通称、理科室のオナベ。
瑞帆  高2、美里の好きな人

モブA
モブB

あらすじ
舞台は女子高。美里はいつも身近にいる瑞帆に恋心を抱く。だが女子が女子を好きだという気持ちは異端だと感じ、学園内で一番男子に近い優子に相談を持ち掛ける。(優子は放課後に理科室にこもり、一人で男装をしている。)瑞帆に対して決死に取り組む美里の姿に優子は少しずつ惹かれていく。そうして優子は次第に瑞帆に嫉妬心を抱く。優子は美里に対しての対応がずさんになっていく。(もう告白しちゃったら? といったなど)美里は優子の言葉を信じて告白をするが、「女が女を好きになるなんて気持ち悪い」という理由で失恋となる。翌日学校に行くと、美里がレズであるという噂が学校中に広まっていた。瑞帆の態度も冷たくなっており、美里は絶望する。そこで優子が美里に「好きだ」と伝えるが、美里も「キモい」と言って振る。そうしてそのまま美里が去り、優子もその後を追って幕。



緞帳開く前から、美里と優子の、無理をしている、(ガハハハハ、といったような)男らしい笑い声
ほぼ開いたら、美里が大げさに咳き込む

美里「オーーゲッホ、ゲホゲホゲホ(女らしい咳)」
優子「あー、大丈夫か、ミサト(男らしく)」
美里「ゲホ、な、なんてことないですわよっ。ユウ先輩っ(男ぶって)」
優子「そう、それならいいけどよ、あー、無理しすぎて喉痛めてみろ、ホント、声でなくなるぞ」
美里「う、ごめんなさい。俺まだ変な声しか出ないですから・・」

優子、地べたにあぐらをかいて座る
美里も優子の真似をする
モブA、B、上手から通る(美里と優子の目の前で立つように)

モブA「ねーねー、こんな噂知ってる?」
モブB「え、何の噂?」
モブA「その名も・・、――理科室のオナベ!」
モブB「え?」
モブA「放課後になったら、いつも・・いつも・・男ムサーい笑い声が聞こえるの・・ ガハハハってさぁ・・」
モブB「えー、なにそれぇ。コッワーイ!」
モブA「うん、そう、こんな時間に聞こえたらしいの」
モブB「聞こえて・・?」

優子、怒り気味に立ち上がる

優子「ウー・・、ガハハハハハハハハハ!!!」

モブA/B「「ギャーーーー!!」」

モブA、B、逃げるようにして上手からハケる

優子「理科室のナベ、な。失礼なこと言いやがって。だーれがオナベだよ。こっちはユウっていうカッコイイ名前があるのにさあ」
美里「あ、アハハ」
優子「ミサトもそう思ってるってか?」
美里「そんな。私は優子さんしか頼れないのに・・、だって女子高で女の子っぽいのって優子さんだけじゃないですか、だからその、相談するのが・・」
優子「だーれが、ゆ・う・こ、だって?」
美里「ユ、ユユユユ、ユウせんぱーいっ!」
優子「それでいいんだよ。ほんともう、変な噂流れちゃって嫌になるなぁ・・」
美里「そうですね・・」
優子「ま、俺には関係ないけどさ。俺は好きでこの格好になってるわけだし」
美里「はい・・」
優子「あーあー・・、ほんと、噂に踊らされてるなんて、バカバカしい」
美里「・・」
優子「・・つーか、妙にテンション低いじゃん。ミサトどうかしたのか?」
美里「え、低いですか?! そ、そんなことないですよ」
優子「アンタの秘密は、俺は絶対に、話さないよ」
美里「えぇ、信用はしてるんですが、やっぱり、私、変ですから・・」
優子「変じゃないだろ! それがミサトなんだろ。受け入れてくれないやつなんて俺がどついてやるよ! ・・な?」
美里「優子さんは・・本当に優しいですね、ほんとーに・・」
優子「・・私は、それが正しいって思ってるだけなの。――って、優子って呼ばない約束だっただろ!」
美里「あはは・・」
優子「もう。アイツ、振り向かせるんだろ?」
美里「はい」
優子「フフッ、可愛い顔してるじゃん」
美里「そ、そうですか?」
優子「もちろんだよ」

美里、優子、賑やかに雑談
照明を少しずつ暗くしていく

美里「・・あ、暗くなってきた」
優子「そうだな。そろそろ、アイツも帰る時間じゃないのか?」
美里「あ、え、えぇ。そうですね。私、帰ります、で、ではーっ」

美里、慌てて鞄を持って上手からハケる

優子「恋する乙女、ってやつかもね」

優子、物思いにふけりながら上手からハケる



照明、夕方(話が進むにつれ、暗くしていく)
瑞帆、上手から歩いて出てくる
それを追うようにして、美里も出る

美里「み、み、瑞帆!」

瑞帆、美里に気付いて立ち止まる

瑞帆「あ、美里ー。今、帰りなの?」
美里「うん。あの・・」
瑞帆「一緒に、帰ろうか」
美里「うん!」
瑞帆「・・今日ね、みずほ、数学の課題あるの忘れててさ、んで、もー困っちゃって、当てられて、適当に答え言ったわけ――」
美里「うん・・」
瑞帆「教師さ、みずほがやってないの分かってて当てたんだよ、ほんと卑怯だよ」
美里「そうだね・・」
瑞帆「あと、ちょっと、風邪ひいてね」
美里「大変だよ、病院行かなくちゃ」
瑞帆「そんなに大事じゃないけど、最近本当に寒くて」
美里「もう、冬だもんね」
瑞帆「そー。寒くて寒くてー・・」
美里「もう少ししたら、私たちも三年生になって、すぐ卒業だよ」
瑞帆「みずほ、ちゃんと卒業できるかなー」
美里「できるよ、卒業式。一緒に卒業、出来るよ。あ、私と一緒に写真撮ってね、あと、卒アルに何か書いてほしいの」
瑞帆「おいおい、まだまだ先の話でしょー? 流石に、気が早いよー」
美里「・・そんなことしてる間に、時間はあっという間に過ぎるよ」
瑞帆「はは、そーかもね、ほんとーに」
美里「うん、そろそろあったかくなって・・、またクラス替え。瑞帆と離れちゃうかも」
瑞帆「みずほも美里と同じクラスがいいなー」
美里「ほんと? 嬉しい」
瑞帆「だーって、宿題見せてもらえるでしょ?」
美里「もう、瑞帆」
瑞帆「あはは、冗談だよ。でも、美里と同じクラスだったらいいなぁー」
美里「私もそう思ってるよ、瑞帆」
瑞帆「・・あ、ていうか、みずほ、こっちだ。んじゃ、また明日ね」
美里「うん、瑞帆、また明日。ばいばい」

瑞帆、手を振りながら上手から出る

美里「・・一緒のクラスかぁ、いいなぁ、一緒になりたいなぁ・・」

美里、嬉しそうにうろうろする

美里「ほんとーに、幸せだぁ・・」

美里、上手から出る



美里、入る

美里「こんにちはー・・って、まだ来てないんですね」

美里、何もすることもなく座る

美里「昨日あったこと話したいのになあ・・」

優子、入る

優子「おーっす、おーっす、今日も寒いねぇ・・」
美里「ユウ先輩、こんにちはー、寒いですね」
優子「こんな日は、なーんもしたくないな」
美里「もー、そんなこと言わないでください、今日も私を男にする特訓、してくれるんですよね?」
優子「あー、するする。でも、部屋が温まってからな」
美里「う、動き回ったら温かくなりますよ」
優子「むりむり、俺インドア派」
美里「そういう問題なんですか?」
優子「そういう問題だ、本当に俺、冬苦手なんだよ・・」
美里「私は冬、好きですけどね。だって、静かで綺麗ですもん」
優子「ロマンチスト?」
美里「えへへ、そうかもしれません」
優子「あれは、デネブ・・アルタイル、ベガ!」
美里「それ、夏の大三角形ですよ」
優子「冬の大三角形は?」
美里「シリウス、プロキオン、ベテルギウス、です」
優子「へー、ここ、見れんのかな」
美里「えぇ、見れると思いますよ」
優子「ふーん・・そっか・・」
美里「北斗七星、とか私好きです」
優子「おおぐま座の?」
美里「ドゥーベ、メラク、フェクダ、メグレズ、アリオト、ミザール、アルカイド、ベネトナシュ・・」
優子「星の一つ一つに、名前付いてるんだ」
美里「素敵、ですよね」
優子「あぁ、そうだなぁ・・・・、あ、そう、それなら、今日俺と一緒に帰ろうよ」
美里「え、どうしてですか?」
優子「星、見れそうじゃん」
美里「・・あ、でも、今日は私、瑞帆と帰る約束してて」

優子、顔には出さないが機嫌が悪くなる

優子「あ、そうか。うん、それなら仕方がないな・・」
美里「すいません」
優子「いや別に、責めてるわけじゃないだろ」
美里「明日なら、明日なら、帰れると思いますけど」
優子「・・いいよ、別に」
美里「そう、そうですか・・」
優子「あぁ、べつに、別に・・いいよ・・、あ、その、今日もう、帰ろうぜ」
美里「は、はい・・」

美里、優子、上手からハケる

照明、夜
美里、瑞帆、入る


美里「・・今日、星がすごくきれいなんだよ。ほら、上、見て!」
瑞帆「ほし?」



強い風の音
優子、上手から入る

優子「おー、さむっ、さむさむっ」

優子、鞄から水筒を出し飲む

優子「あったか・・、あー、ホントここ寒い」

優子、飲む

優子「そろそろ、来る時間かな・・」

優子、腕時計を見る

優子「来るはずなんだけどなぁ・・」

暫くの間

優子「・・なんで来ないんだ?」

優子「昨日も、一緒に帰ったんだろ?」
美里「あ、そうですけど」
優子「順調そうでいいじゃん、どーせ、星でも見たんだろぉ?」
美里「あの、その・・、は、はい」
優子「俺は一人で見たよ、小さいランプが光ってるだけで、全然楽しくなかった」
美里「今日、一緒に私と帰れば・・」
優子「・・」
美里「先輩、一緒に、帰りましょうよ」
美里「それは友達として順調ってことで、その」
優子「告白?」
美里「・・それは、最終的にですけど」
優子「すれば、いいんじゃないのか?」
美里「え?」
優子「一昨日も、いつも、ずっとずーっと、一緒に帰ってるんだろ? そんなの、好意がなかったらしないぜ?」
美里「で、でも、その・・」
優子「さっきも、アイツと楽しそうに話してただろ?!」
美里「でも」
優子「さっさと、俺みたいに男になりきって、言えばいいじゃねーか! ぐずぐずしててうっとうしい!」
美里「でも」
優子「・・」

美里、男装になる

美里「み、瑞帆、俺さ」

美里、瑞帆の方へと向く
瑞帆、少し驚きつつも美里の顔をうかがう

瑞帆「な、なに? マジな顔しちゃってー、あ、みずほに告白でもすんの?(冗談気に)」
美里「・・」
瑞帆「美里?」
美里「その、俺、その、そのね・・」
瑞帆「うん?」

一瞬、無音の間を置く

美里「瑞帆のこと、好き、なんだ・・」
瑞帆「・・・・・・」
美里「好きで、すき・・」

美里、瑞帆に近づいていく
瑞帆、ドン引きしながら少しずつ離れていく

美里「み、みずほ?」
瑞帆「な、なにいってんの? おまえ」
美里「え?」
瑞帆「女が女のこと、好きとか、マジで、キモイよ、え、つーか、お前、みずほのことそんな目で見てたわけ?」
美里「そ、そんなこと、そんなこと、ないよ・・」
瑞帆「・・いや、マジで、ない。キモすぎ、マジでないわ・・」
美里「で、でも・・」
瑞帆「キモいから近づくな!」

瑞帆、美里から逃げるようにして上手にハケる

美里「え、あ、あれ、な、なんで? 私、男になれなかったの?」

優子、上手から出てきて美里の方を見つめる

暗転

モブA、B、上手から嫌味ったらしく噂をしながら入る

モブA「――隣のクラスの・・、美里。アイツ、レズだったんだって・・」
モブB「マジで? 冗談キツイわー」
モブA「ハッハッハッハ、ほんとーにそれ。あと男装もしてたんでしょ?」
モブB「マジで? そんなにキモい奴だとは思わなかったよー、って、あ。アイツ、来たよ――」

美里、暗い顔をしながら入る
優子、美里の後を追う

モブA「あんなことしたのに学校来れるとか、マジウケるー」
モブB「ほんとー、 同じ部屋にいたら私たちもレズになっちゃうー」
モブA「ほんとだ。逃げよー」
モブA、B、そのまま話をしながら、下手にハケる

美里「・・私、やっぱり言わなかったらよかった、そしたら・・、そしたら、ほんとうに、なにやってんだろ・・」
優子「そ、そんなこと、言わないで・・」
美里「告白したとき、瑞帆の顔、今まで見たことないくらい、ひきつってたんの、もう、私は、瑞帆に会えないんだって、すぐわかっちゃった、もう、会えないんだ、私、もう、話してもくれない、くだらない話してるときが、一番幸せだったのになぁ、なんでなんだろう、私、ほんとうに、生まれてきた意味がないよ、もう、もう、なんで、瑞帆・・」

美里、泣きながらうずくまる
優子、どうしようもなく立ち尽くす

美里「もう、友達にすらなれないんだって、もう、もう、どうしよう、どうしよ・・」
優子「そ、そんなこと、ない、またやり直せる」
美里「他人事だからそんなこと、言えるんだ、私には、わたしには・・」
優子「美里」
美里「私、男になれなかったんです。本当に、女になんか、生まれなかったらよかった」
優子「・・そんな、そんなこと」

瑞帆、上手から入る

瑞帆「・・」

美里の方を見向きもせず、下手の方に向かっていく

瑞帆「ねー、課題、やってないー?」(下手に向かって)
美里「み、みずほ」

美里、瑞帆の方へと向かう

美里「み、み、みみみ、みず、みずほ・・」
瑞帆「・・なに?」
美里「え、そ、そのぉ、あの・・」
瑞帆「みずほに、近寄らないでよ、・・うつるでしょ?」

瑞帆、下手にハケる
美里、泣き崩れる

優子「あー、その、ほ、ほら、美里、気にしないで、ほら、私がいるでしょ、ね?」
美里「・・」
優子「だから、その・・」
美里「・・」
優子「な、泣かないで、ほら、ハンカチだって貸してあげる」

優子、美里に手を差し伸べる

美里「・・」
優子「な? 美里。アンタには私が・・、私がいるじゃん・・」
美里「・・」
優子「あ、ほら・・ほら、もう春だよ、私の卒業式もある、美里に卒アルに何か書いてもらおうと思ってたんだ、だから、その、・・あ、来年は美里が卒業する、私、絶対に見に来るから、そう、一緒に写真も撮ろう、同じ大学に行けばいい、今度は良い人、見つかるさ、私だっていくらでも・・それなら、その、私でも・・」
美里「・・」
優子「ほら、これからは私と一緒に、帰ろう、・・ね?」

美里、優子の手を払う

優子「え?」
美里「私は、私には・・、もう、もう・・、もう、むりなんです、だって、私は普通じゃないんだ、もう・・もう・・」
優子「美里、泣かないでよ」

優子、美里を抱きしめようとする
美里、それを押しのける 
優子、尻餅をつく

美里「あ、先輩、せんぱい、ご、ごめんなさい、ごめんなさい、――わ、わたし、生まれ変わったら、ちゃんと、男の子になりたかった・・、そうしたら、普通になれるのに、なんで私、普通になれないんだろ・・」
優子「そんな。私は、今の、私は・・、美里が好きなのに、なんでそんなこというの?」
美里「え」
優子「男になんか、生まれ変わらなくてもいい、私は、美里のこと・・」
美里「・・」
優子「好き、なんだよ。だから、だから、だから、美里・・」
美里「・・え、なに、言ってるんですか、私のこと、馬鹿にしてるんですか、やめてください、・・・本当に、キモチワルイです、ほんとう・・、やめて、私は、わたしは・・」

美里、上手にハケる
照明、暗くしていく(全部は消さない 薄暗くする)

優子「あ、あれ? ・・あ、あ、あ・・、みさと、美里、美里・・、待ってよ、美里・・」

優子、もたつきながら、美里の後を追う
舞台に誰もいなくなったら、照明薄暗いままで、そのまま、幕。

       

表紙

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Neetsha