その二つの性質を宿す、人間と妖精の混血である神門守羽。特殊な身の上故に降り掛かる数々の騒動、巻き込み巻き込まれながら、彼はその全てに真正面から向かい合い、解決していった。
そんな折、同時多発的に発生した人外達との抗争。
守羽と対峙するは、かつて腹心の部下を殺された因縁から鬼の総本山を離れ人の世へ下りてきた鬼神・酒呑童子。
自らの本質を受け入れ全ての力を解放させた守羽と鬼神が死闘を演じる中、また別の所でも互いの信念のもとに命を削り合う者達がいた。
かつて妖精の世界に乗り込んで、
そして旭の同輩にして、一族の破滅を招く切っ掛けを引き起こした旭へ強い怨恨を抱える陽向日昏。
共に退魔師として研鑚を積み重ねてきた旧友同士は、譲れぬ想いの為に一進一退の激闘を繰り広げた。
さらに二つの戦闘に介入せんとするは妖精の人外で構成された組織『イルダーナ』、目的は以前に妖精界を荒らした大罪人神門旭の捕縛及び連行。それを阻害するは、旭の妖精界侵攻に際し利害の一致から手を結んだ『突貫同盟』の盟友達。
他には過去の大恩から守羽に忠義を尽くす“再生”と“憑依”の使い手、東雲由音の単独行動。『イルダーナ』所属にして組織の方針に疑念を戸惑いを覚える
様々な思惑が交錯し錯綜する中、勝利を手にしたのは神門守羽、神門旭の親子。でありながら最終的な目的、その結果として実質的な敗北を突きつけてきたのは『イルダーナ』の漁夫の利であった。
妖精達に父親である旭を捕らえられた守羽は連行された先の地、妖精界へ乗り込むことを決意する。
協力を申し出た由音、静音、そして自らの意思で『イルダーナ』から離反したシェリアらと共に、守羽は一つの巨大な勢力…すなわち多くの妖精達が集う妖精界という『世界』への敵対意思を明確に示した。