ニノべ・文芸小説感想
六月六日
「約束の地へ」 作者:藤沢
【作品内容】
いや……、いや、もう言い訳はしますまい。遅れて申し訳ない。それしか言えませぬ…。
前回の感想から新たに二話、読んだ上での感想を書かせて頂きます。
【人物】
とりあえずおめでとう!やったな五島!!これは素直に嬉しい…。
二人の交際開始の朗報とは別に、新登場の人物である朝川の恩人林敬、リンさん。未だ短い会話のみでしか分かりませんが、とってもいい人そう。競馬界マジで平和ですね嫌な奴ぜんぜんいない。
そんなリンさんからの飲みへ誘われ、多忙の中でも快諾する朝川。鹽竈も飲み会大好きなんで気持ちはよくわかりますけどお願いだから嫁さんと不仲になる展開はやめてね……。お腹の子のことも大事にしてね…。
とはいえリンさんとしても何か重大な話がある模様。この二人だから真剣な話といっても競馬関連に向きそうですが、果たしてどうなのか?
それにしてもこの主人公、本当に競馬好きです。まぁ職業にできちゃうくらいですからそれくらいの熱意がなくては続かないのでしょうけれど、それにしても凄い。通常業務の上に追加で知識の薄い海外競馬の情報まで追いながら、それでも面白いと思える精神は驚嘆というか敬服というか、この人にとってはこの仕事が天職なんだろうなって感じます。
【文章】
ねぇよ!…いやちょっと待って!
上手い言い方が分からない。ええと……躓く余地の無い舗装された道路に文句は吐けないというか、そういう感じ?
違和感や不自然を覚える文章というのは、読んでる流れを所々でぶつ切りにされてしまい勢いが失速してしまうものだと鹽竈的には考えています。
そういう考え方のもとで言えば、特にこの方の文章にはそういった部分が見当たらなかった、と言えば納得して頂けますでしょうか。
……というか、ここまで何度も感想を書いておきながら未だに文句を垂らしてたら鹽竈の読解力の方に問題があるのでは?という疑問が浮上しかねない…。
【ざっくり感想】
いやー初めて知りました海外競馬とか!日本だけなのかと思ってたもので。
ついに国外の競馬情勢まで出始め、同時に超新星ミスティックアークの台頭。
これまでの名馬は名馬たりえる実績とその途上を作中で触れていたが為に納得のいく強豪という印象を受けていましたが、このミスティックアークは朝川や五島の感じていたのと同じく唐突にその脅威を現した新鋭であり、見落とされていた有力馬。驚きと共に薄ら寒さすら感じる登場と言えました。
その真価はかのザラストホースに比肩するか、あるいはその上を行くのか。
こちらも新たに登場した騎手アレッシオ・ナッツオーニ、現状ナンバーワンのジョッキーの存在も無視できそうにはありません。この組み合わせが一番強烈?なのかも。
新星の疾走がオカルトを打ち砕くのかどうか。次も大変期待しておりますとも!