冒険浪漫 イチサン。
今日もバ・カップル
イチサン。1-3 今日もバ・カップル
放課後、グランド。陸上部。洗い場。
女子マネ:なる!スゴイ!毎日記録
伸びてる!
なる:いやいや、ただの自己べ更新だから。
まだまだだねー。
と言いながら、なるの顔はカラっと明るい。
女子マネ:でもレギュラー入り決まりだね。
なる:スッキリそういきたいねー。
遠くのほうから声が近づいてくる。
まこと:なるー。スイカ食おうぜ。
なる:まことーっ。
なる、大上に駆け寄る。
女子マネ:カレシでゲスか?ぐふふ。
おジャマしちゃあイケナイでゲスね。
女子マネ、立ち去る。
なると大上、校舎の日陰に入る。
ピッタリと隣り合って座る。
大上:このスイカ。オレがつくったんだ。
きょうハタケで採れたんだぜ
ほれ。あーん。
キレイにひと口大にカットしたスイカを指で
つまみ、なるの口へ運ぶ。
なる、顔を伸ばしスイカを口へ運ぶ。
なる:あーん。はあ。うまっ。うわあ。
あまっ。
大上、しあわせな笑顔。
大上:そっか。もいっこ食べるか?
なる:うん。あぁーん。
あはぁ。うまぁ。
優しい味だなあ。まことみたいだ。
まこと。あーんして
はい。あーん。
大上:んふ。あーん。
・・うまいなあ。
うふう。
なる。あーん。
なる:あーん・・美味し。
あまーい。ああーん。
校舎の影からそれを見つめる視線。
長い黒髪の美少女。
胡野 まい(この まい)
まい:ハレンチよ。ハレンチだわ。大上君。
まいが、まいが、毎日毎日見つめてるのに。
まいは、ニガテなキャベツだって
ニンジンだって大上君のためがんばって
食べてるのに。
もっと、ニガテなスイカだなんて。
ヒドイ。大上君。
まいには見向きもしてくれないのに。
あんな女とデレデレデレデレして。
ちょっと足が早くて、スラっとしてて
カラっとしてて、サワヤカで
ふつうにスイカ食べれる
明るいただの女じゃない。
うっ。うううう。
なんで、なんで、
こんなに見つめてるのに。
まい、うつむく。
なおもひとりごとがつづく。
まい:大上君。大上君。おいでましたら
こちらへお越しください。
まいですら、大上君としか呼んでないのに
「まこと。まこと。」
きいいいいい。
スイカまるごとぶつけてやるうう。
ああっ。大上君そんな。
ハっ。ハンカチで
口元を拭くなんて。
・・まい。もうだめです。
まい、ひとりではあ。はあ。息をしている。
が、呼吸が整ったところですっと立つ。
まい:まいったら。いけませんわ。
大上君のことになったら無我夢中です。
まいの背後から、若い男の声
男の声:苦しそうだけど大丈夫?
まい、くるりと振り返る。
まい、さきほどとは打って変わって
明るい眼差し、穏やかな表情
口元には笑みさえ浮かんでいる。
まい:はい?
そこには奇妙な仮面をつけた男がいた。
仮面の男:・・よかった。顔色もいいし。
大丈夫かな。頼みがあるんだ。
放課後、グランド。陸上部。洗い場。
女子マネ:なる!スゴイ!毎日記録
伸びてる!
なる:いやいや、ただの自己べ更新だから。
まだまだだねー。
と言いながら、なるの顔はカラっと明るい。
女子マネ:でもレギュラー入り決まりだね。
なる:スッキリそういきたいねー。
遠くのほうから声が近づいてくる。
まこと:なるー。スイカ食おうぜ。
なる:まことーっ。
なる、大上に駆け寄る。
女子マネ:カレシでゲスか?ぐふふ。
おジャマしちゃあイケナイでゲスね。
女子マネ、立ち去る。
なると大上、校舎の日陰に入る。
ピッタリと隣り合って座る。
大上:このスイカ。オレがつくったんだ。
きょうハタケで採れたんだぜ
ほれ。あーん。
キレイにひと口大にカットしたスイカを指で
つまみ、なるの口へ運ぶ。
なる、顔を伸ばしスイカを口へ運ぶ。
なる:あーん。はあ。うまっ。うわあ。
あまっ。
大上、しあわせな笑顔。
大上:そっか。もいっこ食べるか?
なる:うん。あぁーん。
あはぁ。うまぁ。
優しい味だなあ。まことみたいだ。
まこと。あーんして
はい。あーん。
大上:んふ。あーん。
・・うまいなあ。
うふう。
なる。あーん。
なる:あーん・・美味し。
あまーい。ああーん。
校舎の影からそれを見つめる視線。
長い黒髪の美少女。
胡野 まい(この まい)
まい:ハレンチよ。ハレンチだわ。大上君。
まいが、まいが、毎日毎日見つめてるのに。
まいは、ニガテなキャベツだって
ニンジンだって大上君のためがんばって
食べてるのに。
もっと、ニガテなスイカだなんて。
ヒドイ。大上君。
まいには見向きもしてくれないのに。
あんな女とデレデレデレデレして。
ちょっと足が早くて、スラっとしてて
カラっとしてて、サワヤカで
ふつうにスイカ食べれる
明るいただの女じゃない。
うっ。うううう。
なんで、なんで、
こんなに見つめてるのに。
まい、うつむく。
なおもひとりごとがつづく。
まい:大上君。大上君。おいでましたら
こちらへお越しください。
まいですら、大上君としか呼んでないのに
「まこと。まこと。」
きいいいいい。
スイカまるごとぶつけてやるうう。
ああっ。大上君そんな。
ハっ。ハンカチで
口元を拭くなんて。
・・まい。もうだめです。
まい、ひとりではあ。はあ。息をしている。
が、呼吸が整ったところですっと立つ。
まい:まいったら。いけませんわ。
大上君のことになったら無我夢中です。
まいの背後から、若い男の声
男の声:苦しそうだけど大丈夫?
まい、くるりと振り返る。
まい、さきほどとは打って変わって
明るい眼差し、穏やかな表情
口元には笑みさえ浮かんでいる。
まい:はい?
そこには奇妙な仮面をつけた男がいた。
仮面の男:・・よかった。顔色もいいし。
大丈夫かな。頼みがあるんだ。
イチサン。1-4 同じころ
ミコ、大上を張りたかったが、職員室に呼び出され
ようやくグランドへ来たところ
ミコの成績はあまり良くない。
中の中というところ。
走ってきたところで
若い男の響くような声が耳に入る。
男の声:姫。また会いましょう。
へんな仮面の男が走り去る。
ミコ:なんだあ?
ミコ、男が走ってきたほうを覗き込む。
ミコ:あれ?確か、同じクラスの
胡野まいさん。
まい:あ。蒔稲ミコさん?
まい、ニッコリと笑顔。
ミコ、まいの掌の箱を見つけ驚く
ミコ:傀儡箱!
まい:ああ。先ほど愉快なかたに
プレゼントいただきましたの。
まい、ミコに向けニッコリ笑う。
そのとき傀儡箱のフタが、音もなく
開きはじめる。
箱の口からは奇妙な光があふれ、
その中から、黒い動物の足が伸びている。
まい:あらあら。
ミコ:あっ!
光の中から現れたのは一匹の黒猫だった。
黒猫は床のうえにぴょんと降り立ち、
まいの足元に擦り寄る。
まい:まあ。イリュージョン?
箱の光は収まらず、またも、黒い足が伸び
黒猫がもう一匹現れる。
その黒猫は腕を伝い、まいの肩に乗って
顔を擦り寄せる。
箱が光り黒猫が出てくる。
次々猫が現れまいは9匹の黒猫に囲まれる。
9匹目の黒猫が地面に降りたとき、
1匹がすうっ立ち上がり、二本足で立った。
その猫を中心に他の8匹が集まり
3x3の隊列になった。
みな2足で立っている。
黒猫たちはキチンとまいに向き直る。
まるで機械のように。
そして180度向きを変えてスゴイ勢いで
走り出す。
3x3の隊列には一部の隙もなく
黒い四角形が走っているように見える。
恐ろしくもあるが滑稽に思えた。
黒い四角形の行方にはなると、大上がいる。
ミコ:なる!大上!逃げて!
ミコ、黒猫を追いかける。
途中旗を立てていた棒を引き抜く。
黒猫に追いつき地面をさらうように棒を
振り回す。
黒猫は同時にピョンと跳ね。棒を交わす。
後列の隅の黒猫に棒がヒットしカラカラと
音を立て、転がって行く。すかさず足を
踏みつぶす。
間に合わないと見たミコはもう一段加速し
棒の先を地面に突き群れを低く飛び越し
なる、大上のを背にして黒猫に向かって
構える。
ミコ:まっすぐ逃げて。
なる:わかった。
なる、コシが抜けている大上をおぶって
走り出す。
ミコ、再度一度棒で地面をさらう。
そのまま重心を低くし体ごと回転し、
左足で払う。前の2匹にヒットし、
吹っ飛んでいく。
つま先に当たったほうは胴が割れバラバラに
散らばった。
構えを立て直し
棒を中心部に持ち替えて
正面で回転させる。
距離は稼いだ。隊列に残った猫は6匹
一気に行くか。と思った瞬間
中央の1匹が飛び掛かる。
それを交わし後方に目をやると
残り5匹は散開して別々になる、大上を
追い始める。
まずいと思ったがなぜか5匹の動きは
ギクシャクして大上をおぶっているなるにも
追いつかない。
中央にいた1匹だけがミコに向かって立ち
不気味な雰囲気を漂わせている。
ミコ:行かせないってか?
あれじゃ追いつきもしないよ。
さあ。やろうか。
ミコ、大上を張りたかったが、職員室に呼び出され
ようやくグランドへ来たところ
ミコの成績はあまり良くない。
中の中というところ。
走ってきたところで
若い男の響くような声が耳に入る。
男の声:姫。また会いましょう。
へんな仮面の男が走り去る。
ミコ:なんだあ?
ミコ、男が走ってきたほうを覗き込む。
ミコ:あれ?確か、同じクラスの
胡野まいさん。
まい:あ。蒔稲ミコさん?
まい、ニッコリと笑顔。
ミコ、まいの掌の箱を見つけ驚く
ミコ:傀儡箱!
まい:ああ。先ほど愉快なかたに
プレゼントいただきましたの。
まい、ミコに向けニッコリ笑う。
そのとき傀儡箱のフタが、音もなく
開きはじめる。
箱の口からは奇妙な光があふれ、
その中から、黒い動物の足が伸びている。
まい:あらあら。
ミコ:あっ!
光の中から現れたのは一匹の黒猫だった。
黒猫は床のうえにぴょんと降り立ち、
まいの足元に擦り寄る。
まい:まあ。イリュージョン?
箱の光は収まらず、またも、黒い足が伸び
黒猫がもう一匹現れる。
その黒猫は腕を伝い、まいの肩に乗って
顔を擦り寄せる。
箱が光り黒猫が出てくる。
次々猫が現れまいは9匹の黒猫に囲まれる。
9匹目の黒猫が地面に降りたとき、
1匹がすうっ立ち上がり、二本足で立った。
その猫を中心に他の8匹が集まり
3x3の隊列になった。
みな2足で立っている。
黒猫たちはキチンとまいに向き直る。
まるで機械のように。
そして180度向きを変えてスゴイ勢いで
走り出す。
3x3の隊列には一部の隙もなく
黒い四角形が走っているように見える。
恐ろしくもあるが滑稽に思えた。
黒い四角形の行方にはなると、大上がいる。
ミコ:なる!大上!逃げて!
ミコ、黒猫を追いかける。
途中旗を立てていた棒を引き抜く。
黒猫に追いつき地面をさらうように棒を
振り回す。
黒猫は同時にピョンと跳ね。棒を交わす。
後列の隅の黒猫に棒がヒットしカラカラと
音を立て、転がって行く。すかさず足を
踏みつぶす。
間に合わないと見たミコはもう一段加速し
棒の先を地面に突き群れを低く飛び越し
なる、大上のを背にして黒猫に向かって
構える。
ミコ:まっすぐ逃げて。
なる:わかった。
なる、コシが抜けている大上をおぶって
走り出す。
ミコ、再度一度棒で地面をさらう。
そのまま重心を低くし体ごと回転し、
左足で払う。前の2匹にヒットし、
吹っ飛んでいく。
つま先に当たったほうは胴が割れバラバラに
散らばった。
構えを立て直し
棒を中心部に持ち替えて
正面で回転させる。
距離は稼いだ。隊列に残った猫は6匹
一気に行くか。と思った瞬間
中央の1匹が飛び掛かる。
それを交わし後方に目をやると
残り5匹は散開して別々になる、大上を
追い始める。
まずいと思ったがなぜか5匹の動きは
ギクシャクして大上をおぶっているなるにも
追いつかない。
中央にいた1匹だけがミコに向かって立ち
不気味な雰囲気を漂わせている。
ミコ:行かせないってか?
あれじゃ追いつきもしないよ。
さあ。やろうか。
イチサン。 1-5 黒猫
グランドの見える校舎のそば
ミコ、激しく突きの連打。
黒猫は最小限の動きで交わす。
突きが収まるとピタリと動きが止まる。
ミコ:(やっぱり。クグツはクグツだ。
反応してるだけ。期待してソンした。
さっさと片付けよう。)
ミコ、手数を増し、突きの連打を続けるが
まるで当たらない。
黒猫はピョコピョコと器用に交わす。
ミコ:ええい。チョコマカと。
黒猫、棒をつかみ、棒の勢いを利用して
引っ張りこむ
ミコ:わあっ。
ミコ、不意に転倒してしまう。
ミコ:イテテ。ちっくしょ。調子狂うなあ。
一方、なる、大上。
大上、なるにおんぶされている。
振り返って、
大上:あれ?追ってこないぞ。
なる。オレもう大丈夫。
なる、大上を下ろしながら
なる:はあ。重かった
大上:ゴメンゴメン
でもいつ来るかわかんないから
あの植え込みに隠れよう。
身を潜める二人。
なる:うふふ。なんか。
子供のときみたいだ。
ワクワクする。
大上:なるは呑気だな。
なる:あ。ヤバ。静かに。
5匹の黒猫がギクシャクしながら現れる。
ギクシャクした動きのまま、やがて外を
向いた円陣になり、辺りをキョロキョロと
見渡す。
大上、ささやき声でなるに耳打ち。
大上:ぷぷっ。ヘンなの。でもどーしよ。
探しにきたら。
なる:でもさ。弱っちくない?ミコ蹴ったら
壊れてたし。あ、ヤバイ。
黒猫、一斉になる達の隠れた植え込みに向き
直り円陣を崩さないまま走ってくる。
途中1匹が段差に躓いて転倒する。
その1匹はジタバタもがいている。
4匹は立ち止まり、さきほどと同じように
外側を向いてキョロキョロ辺りを探る。
転倒した1匹はギクシャクと立ち上がり、
ギクシャクと4匹の方へ向かい始める。
大上、石を拾い、少し離れた植え込みに
投げ込む。
石は「ガサッ」と音を立て植込みに落ちる。
黒猫、一斉に音のほうへ向き直り先ほどと
同じように走って行く。
大上はケータイを取り出し、なにか操作を
始める。
ケータイの画面をなるに見せる。
ケータイにはこう書かれている。
”こいつら、アタマもワルくね?”
なる、ケータイを取り、操作。
”うん。逃げるのイミ無くない?”
大上、ケータイを操作
”やっちまうか。”
なるは、大上の顔をじっと見つめ
うん。と言うように大きくうなづく。
グランドの見える校舎のそば
ミコ、激しく突きの連打。
黒猫は最小限の動きで交わす。
突きが収まるとピタリと動きが止まる。
ミコ:(やっぱり。クグツはクグツだ。
反応してるだけ。期待してソンした。
さっさと片付けよう。)
ミコ、手数を増し、突きの連打を続けるが
まるで当たらない。
黒猫はピョコピョコと器用に交わす。
ミコ:ええい。チョコマカと。
黒猫、棒をつかみ、棒の勢いを利用して
引っ張りこむ
ミコ:わあっ。
ミコ、不意に転倒してしまう。
ミコ:イテテ。ちっくしょ。調子狂うなあ。
一方、なる、大上。
大上、なるにおんぶされている。
振り返って、
大上:あれ?追ってこないぞ。
なる。オレもう大丈夫。
なる、大上を下ろしながら
なる:はあ。重かった
大上:ゴメンゴメン
でもいつ来るかわかんないから
あの植え込みに隠れよう。
身を潜める二人。
なる:うふふ。なんか。
子供のときみたいだ。
ワクワクする。
大上:なるは呑気だな。
なる:あ。ヤバ。静かに。
5匹の黒猫がギクシャクしながら現れる。
ギクシャクした動きのまま、やがて外を
向いた円陣になり、辺りをキョロキョロと
見渡す。
大上、ささやき声でなるに耳打ち。
大上:ぷぷっ。ヘンなの。でもどーしよ。
探しにきたら。
なる:でもさ。弱っちくない?ミコ蹴ったら
壊れてたし。あ、ヤバイ。
黒猫、一斉になる達の隠れた植え込みに向き
直り円陣を崩さないまま走ってくる。
途中1匹が段差に躓いて転倒する。
その1匹はジタバタもがいている。
4匹は立ち止まり、さきほどと同じように
外側を向いてキョロキョロ辺りを探る。
転倒した1匹はギクシャクと立ち上がり、
ギクシャクと4匹の方へ向かい始める。
大上、石を拾い、少し離れた植え込みに
投げ込む。
石は「ガサッ」と音を立て植込みに落ちる。
黒猫、一斉に音のほうへ向き直り先ほどと
同じように走って行く。
大上はケータイを取り出し、なにか操作を
始める。
ケータイの画面をなるに見せる。
ケータイにはこう書かれている。
”こいつら、アタマもワルくね?”
なる、ケータイを取り、操作。
”うん。逃げるのイミ無くない?”
大上、ケータイを操作
”やっちまうか。”
なるは、大上の顔をじっと見つめ
うん。と言うように大きくうなづく。
イチサン。 1-6 応戦と応戦
なる、大上。植込みから勢い良く飛び出す。
目指すは黒猫の円陣
黒猫はすぐに向き直り、
二人に向かってくる。
大上、踏みつぶそうとタイミングを合わせ
踏み下ろしたとき
ガシッと受け止められてしまう。
大上:あれ?
と言っている間もなく転倒し、ほかの4匹は
手足、アタマと素早く分かれて、みこしを
担ぐようしてに大上を持って走り出す。
なる:え?え?
わーっ。どこ行くんだよ。
なる、黒猫と大上を追い、走り出す。
なる:まて。コラ。ドロボー猫!
なるが追いかける先にはミコが、一匹の黒猫
と取っ組み合いのケンカをしている。
いや、黒猫は巧みに交わして飛び回っている
のはミコだけ。
黒猫は素早く群れの中に加わる。
なる:ミコー。大上取り返して!
ミコ:おっけ。
素早い足払いで黒猫2匹をを弾き飛ばす。
大上:ゴフッ
黒猫が居なくなったのでアタマから落ち、
引きずられる。
他の2匹が担ぎ直してミコのカラダを踏み
越えていく。
なるが、追いつき、驚いたことに
大上を奪い取り、肩に担ぐ。
スゴイ勢いで走るなる。
黒猫が大上の肩にしがみついているが
構わず振りほどく。
大上、人形のように大きく揺れている。
ミコ:なる。こっわ。
なる、足元にまとわり付く黒猫に難儀してい
たが大上を大きくふりかぶって、、
なる:ミコー!いくよーっ!
ミコ:えええ!?ムリだー。
大上を放り投げた。
ミコ。ドスンと大上を受けとる。
がそのまま転倒。
大上:ゴフッ。
4匹の黒猫はきちんと正方形を作って追い
かけてきて、あっさりと奪い返される。
ミコ、黒猫と大上追う。
黒猫、フェンスへ駆け上り、そのまま走って
行く。
ミコ、フェンスへ飛び乗り黒猫を追う。
フェンスが終わり、コンクリート塀の上を
2つの影が走っていく
黒猫たちは塀を駆け降りる。
ミコ、後を追って塀を飛び降りる
塀と塀のすきまを駆け抜ける
すきまはどんどん狭くなる。
そのとき、黒猫が急に動かなくなる。
そのまま転倒。大上ボロボロ。
ミコ:止まった?
背後から声がする。
イチロー:おーい。ミコ。大丈夫か。
ミコが振り向くと塀と塀のすきまから
イチローが覗きこんでいる。
背後には胡野まいがイチローの顔を
ぼーっと見つめている。
イチローはポケットからなにやら取り出し
ミコに見せる。
ミコ:あ。傀儡箱。
なる、大上。植込みから勢い良く飛び出す。
目指すは黒猫の円陣
黒猫はすぐに向き直り、
二人に向かってくる。
大上、踏みつぶそうとタイミングを合わせ
踏み下ろしたとき
ガシッと受け止められてしまう。
大上:あれ?
と言っている間もなく転倒し、ほかの4匹は
手足、アタマと素早く分かれて、みこしを
担ぐようしてに大上を持って走り出す。
なる:え?え?
わーっ。どこ行くんだよ。
なる、黒猫と大上を追い、走り出す。
なる:まて。コラ。ドロボー猫!
なるが追いかける先にはミコが、一匹の黒猫
と取っ組み合いのケンカをしている。
いや、黒猫は巧みに交わして飛び回っている
のはミコだけ。
黒猫は素早く群れの中に加わる。
なる:ミコー。大上取り返して!
ミコ:おっけ。
素早い足払いで黒猫2匹をを弾き飛ばす。
大上:ゴフッ
黒猫が居なくなったのでアタマから落ち、
引きずられる。
他の2匹が担ぎ直してミコのカラダを踏み
越えていく。
なるが、追いつき、驚いたことに
大上を奪い取り、肩に担ぐ。
スゴイ勢いで走るなる。
黒猫が大上の肩にしがみついているが
構わず振りほどく。
大上、人形のように大きく揺れている。
ミコ:なる。こっわ。
なる、足元にまとわり付く黒猫に難儀してい
たが大上を大きくふりかぶって、、
なる:ミコー!いくよーっ!
ミコ:えええ!?ムリだー。
大上を放り投げた。
ミコ。ドスンと大上を受けとる。
がそのまま転倒。
大上:ゴフッ。
4匹の黒猫はきちんと正方形を作って追い
かけてきて、あっさりと奪い返される。
ミコ、黒猫と大上追う。
黒猫、フェンスへ駆け上り、そのまま走って
行く。
ミコ、フェンスへ飛び乗り黒猫を追う。
フェンスが終わり、コンクリート塀の上を
2つの影が走っていく
黒猫たちは塀を駆け降りる。
ミコ、後を追って塀を飛び降りる
塀と塀のすきまを駆け抜ける
すきまはどんどん狭くなる。
そのとき、黒猫が急に動かなくなる。
そのまま転倒。大上ボロボロ。
ミコ:止まった?
背後から声がする。
イチロー:おーい。ミコ。大丈夫か。
ミコが振り向くと塀と塀のすきまから
イチローが覗きこんでいる。
背後には胡野まいがイチローの顔を
ぼーっと見つめている。
イチローはポケットからなにやら取り出し
ミコに見せる。
ミコ:あ。傀儡箱。
イチサン。1-7 日も暮れて
自宅に帰ってきたミコ。
イチローの作業部屋に入ってくる。
ミコ、「面白くない」という顔。
ミコ:ただいま。
イチロー:うん。
ミコ:兄ちゃん。知ってたなら早く来てください。
あたしはタイヘンだったです。
イチロー、黒猫をイジっている。
イチロー:タイヘンそうだったねー。
回想シーン。↓
建物の影
傀儡箱を持って立っている胡野まい。
遠目に大上、なる、ミコ、黒猫の
成り行きをみてオロオロしている。
まいは、大上がボロボロになる様をみて
「あっ。」という表情をする。
箱を取り上げる手。
まい、はっとして振り向く。
イチローがいる。
まい、不意によろめき、地面にペタンと
座り込む。
イチロー、まいに手を差しのべながら
イチロー:驚かせてしまいましたね。
まい、イチローの手を取る。
口が小さく空いている。
イチロー、まいの手を引き上げる
まいは、イチローの手を見つめている
頬が赤い。
イチロー:胡野まいさんですね。
これはあなたの様な娘さんは持ってない
ほうがいい。
これのために、お友達も、あなたも、
傷付くことになりませんか。
そして、その傷はなかなか癒えない。
イチロー 、ほほえみ。見つめ返す。
まい、驚いて目を見開く。頬が真っ赤。
イチロー:大事に至らなくてよかった。
さあ。お友達に謝りにいきませんか。
僕もついて行きます。
まい、小さく「はい。」と返事する。
まいの背中を押して歩き出す。
まいはそれに従う。
イチローの顔を見上げ歩いて行く。
回想シーン終わり
ミコ:なんですか。それ。
あたしホント、タイヘンだったんですよ。
・・・デレデレして。
イチロー:うん?なに?
ミコ:何も言って無いです。
イチロー:「穏便に」いくのはムリかな。
イチロー、手に傀儡箱を持ち上げる
イチロー:傀儡箱。渡してもらえば解決して
たんじゃないの?
制服だってボロボロだし、何着目?
ミコ:・・現場はそういうモンじゃないん
です。
ミコ、顔を赤らめる。
イチロー、ミコに目を向ける。
目元が笑っている
イチロー:言い過ぎたかな。
さて。お茶にしようかね。
まろやかプリン冷蔵庫にあるよ。
食べないのか?
イチロー、席を立つ
ミコ:食べるに決まってます。
・・話し逸らして、、
プリンなんかじゃ誤魔化されないですよ。
まったくもう。
ミコ、イチローの後を追い 、部屋を出ていく。
自宅に帰ってきたミコ。
イチローの作業部屋に入ってくる。
ミコ、「面白くない」という顔。
ミコ:ただいま。
イチロー:うん。
ミコ:兄ちゃん。知ってたなら早く来てください。
あたしはタイヘンだったです。
イチロー、黒猫をイジっている。
イチロー:タイヘンそうだったねー。
回想シーン。↓
建物の影
傀儡箱を持って立っている胡野まい。
遠目に大上、なる、ミコ、黒猫の
成り行きをみてオロオロしている。
まいは、大上がボロボロになる様をみて
「あっ。」という表情をする。
箱を取り上げる手。
まい、はっとして振り向く。
イチローがいる。
まい、不意によろめき、地面にペタンと
座り込む。
イチロー、まいに手を差しのべながら
イチロー:驚かせてしまいましたね。
まい、イチローの手を取る。
口が小さく空いている。
イチロー、まいの手を引き上げる
まいは、イチローの手を見つめている
頬が赤い。
イチロー:胡野まいさんですね。
これはあなたの様な娘さんは持ってない
ほうがいい。
これのために、お友達も、あなたも、
傷付くことになりませんか。
そして、その傷はなかなか癒えない。
イチロー 、ほほえみ。見つめ返す。
まい、驚いて目を見開く。頬が真っ赤。
イチロー:大事に至らなくてよかった。
さあ。お友達に謝りにいきませんか。
僕もついて行きます。
まい、小さく「はい。」と返事する。
まいの背中を押して歩き出す。
まいはそれに従う。
イチローの顔を見上げ歩いて行く。
回想シーン終わり
ミコ:なんですか。それ。
あたしホント、タイヘンだったんですよ。
・・・デレデレして。
イチロー:うん?なに?
ミコ:何も言って無いです。
イチロー:「穏便に」いくのはムリかな。
イチロー、手に傀儡箱を持ち上げる
イチロー:傀儡箱。渡してもらえば解決して
たんじゃないの?
制服だってボロボロだし、何着目?
ミコ:・・現場はそういうモンじゃないん
です。
ミコ、顔を赤らめる。
イチロー、ミコに目を向ける。
目元が笑っている
イチロー:言い過ぎたかな。
さて。お茶にしようかね。
まろやかプリン冷蔵庫にあるよ。
食べないのか?
イチロー、席を立つ
ミコ:食べるに決まってます。
・・話し逸らして、、
プリンなんかじゃ誤魔化されないですよ。
まったくもう。
ミコ、イチローの後を追い 、部屋を出ていく。