【欲買い】
交易所に存在すると都市伝説的に語られる幻の店。
訪れた客の抱く「欲望」を材料に、その対象が『この世の物質で出来ている』のなら、いかなる願いをも叶えるとされる。
欲(=願い)が強ければ強いほど願いは完全な状態で叶えられるが、完全に近いほど材料として消費する欲望は多く、完璧に叶えた場合『叶った願いへの興味』(=欲)は根こそぎ失われてしまう。
その為、願いを叶えた者の末路は悲惨なことも少なくはない。
(場合によっては『叶った願い』そのものの末路も…)
店主は常に店の奥の間に隠れ正体不明。
店番こと、メッセンジャーとなる店員を必要としており、時折交易所の片隅にアルバイト募集のチラシが貼ってあるらしい。
ミシュガルド合同調査報告所3
欲買いの噂
○使用例(ご自由にお使い下さい)
【欲望】低
【願い】とにかく金が欲しい
【結果】財布がいっぱいになる程度の金額を得たが、理由無くすぐに使い切ってしまった。
その後、金銭への執着が僅かに減った。
【出現】ごく普通の何の変哲も無い紙幣。
【欲望】中
【願い】貴重な植物が欲しい
【結果】既に絶滅した高級魔法薬の主原料となる植物の苗が出現、希少性を理解しながらも即日調合し、店先に並べる。
後日、正真正銘最後の苗を何の躊躇も無く調合に回してしまったことを咎められていた。
その知り合いの談によると「普段は絶対こんなことする人じゃない」
【出現】環境変化によって絶滅した植物の苗。
なお、現在は高級魔法薬に調合済みの為、繁殖の希望は絶無。
【欲望】高
【願い】心を癒してくれる存在が欲しい
【結果】美しい亜人を目の前で構築。
しかし、その後の出現した亜人への興味は薄く、間も無くして自立という名目で事実上の投棄。
現在は何事も無かったように恋人を作って結婚、とても親密な関係を築いて幸せに暮らしている。
【出現】非常に美しく不老の亜人。
詳しい種族は不明であり、一属一種の存在と推測される。
産まれつき家事全般と房事に長ける。
自らの主人を盲目的に愛し、奉仕を至上の喜びとしており、それは捨てられた今もである。
【欲望】極
【願い】死んだ恩人を生き返らせてほしい
【結果】恩人と全く同じ物質で構成された生命体が直ちに構築される。
願いを叶えた本人は全く関心を示さず、記憶は保持している為、一通りの無感動な反応をした。
以降も無関心のまま関係が再構築される様子はない。
【出現】故人そのもの。
別の人物からの証言や聞き取りから、記憶や認識の差異まで正確に再現されており、
脳細胞の一つまで寸分違わず完璧に再生されていると推測できる。
彼を甦らせた本人は無感動のままだが、彼を知る大勢の者達は奇跡が起きたと泣いて喜んだ。