スーパーハローワークのクエスト発注所に勤務する
検閲係が姿を消してからおよそ二週間──。
オリエント遺跡発掘調査隊を監視する私たちは
検閲係の自宅を捜査している最中妙なものを見つけた。
まるで鉛筆で描いた後指で擦ったように汚れた灰色の紙。
鼻血でも垂らしたように滴った痕の見れる錆色の染み。
何者かによって描かれたと思われる"人形のような何か"のスケッチ。
この家の者は特に絵を描くような趣味を持っていないと証言があり
少なくとも検閲係やその近親者によるものでは無いことがわかっている。
裏には走り書きのような汚い字がびっしり書かれており
ところどころ擦れていて解読に時間がかかりそうであった。
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『誰でも,い,いから届─いてほしい。』
『この,,,際アルフヘイム共でも構わな,,─い』
『あのゼンマ──イ人形が出てき─た』
『周─りをほ り返したとこ,,,,』
『急いでスケッチした。』
『あの,,,,,,~~~~人形,,は』
『ベラベラ自分について話し始めた』
『あの人形はxxxxxx(戦時中亡くなった人物と同じ名前、プライバシー保護のため秘匿)』
『と名乗り始めた すごく,自然だった,,~──』
『戦争が終わったことを,,教えた途端』
『ガクンとひしゃげて動かなくなった』
『カメラも,,壊れたらしい』
『急いでスケッチを描いているが』
『どこまで公開されるかわからない』
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恐らく心理的に安定していなかったため
殴り書きのような震えたような文字になったと思われる。
文章はこれだけで無かったがまだ解読が進んでない。
明日解読班のもとへ行き上司と共に調査を進める。