オナホに恋した女の子
黒瀬愛奈の受難
恋をした
生まれて初めて
それも劇的な
今までの考え方全てがガラリと変わってしまうような強烈なまでの
正直な話、私は今まで誰かに恋をするなどこれっぽちも思っていなかった。それどころか、恋などという物は自分から最も遠いものだと認識していた。それは決して恋をしたくないという意味ではなく、身近にいる人たちを見ている限り、恋という現象に憧れることができなかったのだ。
しかし
今となっては呆れるほどに恋に夢中となっている。
現に今でも、こうして扉の隙間からオナニーをしている兄の様子を覗き見ている。
この間、冷静になってから初めて気が付いたのだが兄の部屋の扉はどうやら少し立て付けが悪いらしく、中途半端に閉じたままだと、こうしてほんの少しだけ除く隙間ができてしまうようなのだ。
それを利用して私はこうしてせっせせっせと覗きに勤しんでいる。
兄は本当に、毎日のようにオナニーをしている。何をオカズにしているのか知らないが、どうしてここまでオナニーという行為に集中できるのか、疑問は尽きなかったが、あのオナホの姿を見た瞬間、そんなもの彼方へと吹き飛んで行った。
兄の持つオナホは特に珍しい型の物ではない。
どこにでもある平凡なものだ。
それでも私は彼―――私の性別が女のため、彼にそう呼ばせてもらっているだけなので本来の性別は分からないのだが―――は何も言わず、その身で薄汚い兄のチ●ポコを加えている。
本当に
健気
惚れ直した
私は頬を赤らめて、夢中になって兄のオナニーを眺め続ける。
「ハァ……ハァ……」
息がどんどん荒くなっていく。
タラリと秘部から卑猥な液体が足を伝って流れ落ちていく。
もうちょっと
もうちょっと理性が飛んでいたら、その場で自分もオナニーを始めているところだが、さすがにそれは遠慮した。
兄は大体十五分から二十分ほどでオナニーを終える。
私がオナホの姿を堪能できるのはたったそれだけの時間なのだ。
それに、今でこそ連休中なのでこうして毎日のように楽しめているが、もうすぐ学校が始まる。
すると必然的に兄のオナホを拝める時間は土曜と日曜日、おまけに部活や塾のない日に限られてしまうことになる。
それは困る。
「……部活、やめようかな」
何の意味もなくそう呟いてみる。
そこで、時間が来た。
兄は「ふぅ……」と呟いて賢者モードに入る。
それを確認した私は、後ろ髪を引かれつつも泣く泣く自室へと戻っていった。
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最近、オナニーを覗かれている
俺はそう確信していた。
また、誰が覗いているのかについても見当がついていた。
妹だ。
なぜ断言できるかというと、両親が揃って出かけて、家に俺一人だけというときにその視線を感じたからだった。兄の圭一はここ最近家に帰ってきていない。つまり覗けるような人間は愛奈しかいないのだ。
俺の可愛い可愛い愛奈が、自分のオナニーを覗いているのだ。
興奮する。
なぜ、どうしてという疑問の前にそう思う自分は相当末期なんだろうなぁ
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