私はもはや飽き飽きしていた。奴隷市場なんかに居る自らに。他に道がなかったのは、我々の種族の問題なのだろうか。顔のせいもあるだろう。人間というやつはいつだって他種族に対して慮ることができないのだ。
とは言っても、このまま腐っていくわけにもいかない。どれだけ絶望深く救いがなかろうとも、私の人生には私しかいないのだ。幸せに生きるためには、今を精一杯努力して生きていかなければ。私は道化のスイッチを入れた。客にこの退屈を悟られてはいけない。最高の笑顔を作り、人差し指を立て、腹から声を出す。
「こちらのエルフ、一億ゼニーから!」