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★新都社作品感想2018★
2018年2月10日「魔女試験」

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2018年1月28日更新作品より



「魔女試験」https://majoshiken.jimdo.com/




 杉本アトランティス先生作品。
 実は超絶でレビューを書いたことがある。
 その時のコメントがこちら。

 >まったくニコリともしない無表情な幼女が、死体のステッキを振るい、魔女となる為の試験に臨む。おどろおどろしい雰囲気、奇妙なキャラクター達、ギャグなのかシリアスなのか分からないシュールな展開。かと思えば、まるで手塚治虫の「火の鳥」を彷彿とさせるような、宇宙を再編してしまうような壮大な物語すら見せてくれる。実に独特で、この作者にしか描けないと思う世界。不気味さと可愛さが絶妙なバランスで成り立っている。杉本アトランティス先生の漫画はこれ以外にも色々あるが、魔女試験が今のところ一番面白い。でも魔女試験を描きながら他にも色々描いてしまうほど、「漫画を描くこと」への凄まじい衝動を感じるので、これからもっと面白い漫画を次々と描いてくれるのではないかと楽しみにしている。

 これを書いたのが2014年6月で、その翌年にあった名古屋オフで杉本アトランティス先生とお会いする前のものだ。
 更にそれ以前、2013年頃に魔女試験が新都社に初登場した時、第一話の余りのインパクトに惚れこんで、「杉本アトランティス」で検索して、先生の過去作も読み漁ったものである。どの作品も独特のセンスがあり、ぶっ飛んだ発想に基づいて描かれていた。「また凄い人が新都社に現れたぞ」という思いを強くしたものである。
 魔女試験以外の他の作品であれば、最近のなら「しゃきゅばす」とか「和一樹くんにチューしたい!」などはスマッシュヒットだった。更に最近では歴史漫画を描こうとされているようだが、それもまた楽しみである。これからもまだまだ読者を杉本アトランティスワールドに誘って欲しい。
 さて、魔女試験の感想に戻ろう。
 他作品の執筆に色々と手を出されてはいるが、超絶レビューでも書いたように、やはり魔女試験こそが代表作だと思う。手塚治虫に例えるなら鉄腕アトム的な存在というか。
 クロエやボンヌイを始めとする色んな小学生~中学生ぐらいの年代のキャラが出てきて、程よくデフォルメされて可愛らしい。ゴムまりのように画面内を躍動する。ストーリー本筋にはそれほど関係がないが、画面内で元気いっぱいに遊びまわっている感じというか。第七試験でも銀行でボンヌイの口座に大金が入っていることを知ったクロエがテンション上がってソファで飛び跳ねたり、植木鉢を落として割ったりとはしゃいでいる。こういうカートゥーンっぽさ、画面内での遊び心がよく見受けられる。手塚治虫を良く例に出してしまうが、そういう「お遊び」が自然で、台詞ではなく絵で表現されていて、漫画を描くのが本当に楽しいんだなと感じられるところが凄く良い。私なんかだと絵を描くのが面倒だから全部台詞で済ませるところだ。クロエが「無口な少女」という設定からして、台詞ではなく動きで感情を説明しないといけないから結構な縛りだなと思う。

 そういえば比較して申し訳ないが、ブッコロ大魔王先生の描いたスピンオフの魔女試験には遊び心の部分がいまいちだった。MLP好きで同じくカートゥーン好きのブッコロ先生だが、どこかアメコミ的というか、コマ割りとかキャラの躍動感が固いというか。単純な画力や人体の構造への理解や一枚絵ではブッコロ先生の方が上手いし、物凄く丁寧に描いているのに遠慮が見られるというか線が死んでいるように感じた。借り物のキャラでは本家と比較されてしまうので、やはりオリジナルで勝負された方がいいだろう。「死立ジェノサイド学園!」なんか実にイキイキしているので多少雑でもこっちの方が面白かった。

 と、余談が過ぎた。申し訳ない。
 一方、最近の杉本アトランティス先生の魔女試験は、勢いが少し落ち着いてしまったようにも感じられる。最終試験の頃のなんかクスリでもやってんじゃないかというハイテンションさが鳴りを潜めてしまっている。お下劣なシーンも別に出しちゃっていいんじゃないだろうか。第五試験も下品なセリフが多かったからって描きなおすことなかったのになぁと。
 ただその代わり、絵自体は凄く上手くなったというか、丁寧に描くようになったようだ。第七試験は一ページ一ページの絵面がとても良い。カブトやクワガタのてかり具合とか、ハエが大量にいるシーンとか大変だろうに良く描けている。
 魔女試験は独特でシュールでキャラも立ってて話も最初から面白いと思うが、これに画力が更につくとなれば敵なしというか、隙がなくなってくる。
 いや、更新速度が…。
 ゲームオブスローン面白いの分かるけど漫画も描いて欲しいなぁ。






以上です。 

       

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