Neetel Inside 文芸新都
表紙

てつのかんづめ
恥知らずのイエローキャップ

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私は小学校低学年のとき、「恥」という概念が頭の中に全くといって良い程なかった。
教室で平然とおならやゲップをしたし、常に鼻水は垂れっぱなしだった。
迷惑この上ない糞がき、その者である。
しかし、実はこれ以上の、殊更酷いことを私はしていた。もう迷惑を通り越して犯罪レベルの行いだ。

小学校から私の家への帰り道の途中に小さな川があったのだが・・・
私はそこで毎日のように立ちションをしていたのだ。

人目の着かない所だったらまだしも、その川が面した道路は小学校指定の通学路であり、同じ学校の子供達が下校時通る場所で。つまりは、立ちションを目撃される可能性が極めて高い立地だった。

私はその見るか見られるかのスリルが堪らなかったのだろう。とんだ変態である。

最初、数回繰り返した時、目撃者は居なかった。

実を言うと一緒に帰っていた同じクラスの友人に待っていてもらったので、1人目撃者はいるのだが時折彼も同じ場所で立ちションをしていて、共犯のようなものなのでそれは置いておこう。

しかし、愚劣な行為というものはいつかバレるものである。
ある日、用を足そうといつものようにズボンのチャックを開けポロリしたところ、不幸にも同じクラスの女子2人組に目撃されてしまったのだ。

女子達は私を訝しげな表情で睨み「最低」とだけ言い残し去っていった。

私はそれ以降立ちションをしなくなった。その娘達は私の愚行に関する噂を広めたりはしなかったのだが、自分の行っていることの愚かさに彼女達の反応で気づくことができたのだ。

まあここまでなら私が成長したというなんかちょっと良い話風で感じで締めくくれるのだが、実はこの話には続きがある。

後日、川で用を足す癖が付いていたせいで、その周辺を通ったとき突然私は尿意に襲われ、結局我慢できなくなり膀胱が暴発したのだ。

そして、今まで共犯者だった友達に「絶対に学校では噂するなよ。」と言ったのだが、そこは類友。彼もまた糞がきであり、クラスで噂を拡散。私は尿を漏らすような人間だということを周囲に知られてしまったというわけだ。因果応報とはこのことである。

       

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