◆ミシュガルド温泉 別館 廊下
ケーゴがしてくれなかった指での挿入を、自分でする。
「あぅ!んっ~~!!」
「はぁ……も、もう、もうダメぇ!あ!あ!あーーっ!!」
仰け反り天井に向かって、恥じらいも忘れて露天の皆に聞こえるかもしれない大声で喘ぐ。
自ら指を入れてかき混ぜ、陰核を強めに擦り、捻り、おっぱいを露出して、乳房を揉む。乳首を捏ねて、甘噛みする。
ダメっ。全部同時にやりたいのに手が足りない。
それでも何とか自分を沈めようと自慰に耽る。淫らな行為に没頭する。
廊下の綺麗にコーティング処理を施してある雅な木板に愛液を振りまきながら、腰を激しく振り、お尻で床板をビタンビタンと叩いて悶えていた。
「マジだ」
「ひゃ!???」
心臓が止まるかと思った。
すぐ傍らから、聞いたこともない、男性の声がしたからだ。
「あっ……」
そこに居たのは甲皇軍人達だった。
偉そうに軍服を着ているが、着こなしているとは言い難い。寧ろ、制服に着られてる、そんな感じの若年者達だ。
私と同じか、それよりも下の年頃だろう。
見られた。
オナニーしてる所を、彼達に見られた。
一気に血の気が引けていく。自然と体が震えだす。私の顔色は真っ青になっていただろう。
「うわっ。床スッゲェことになってんじゃん!」
一人が大げさに叫び、床を濡らす愛液を素足で拭き広げた。
残りの二人が身をかがめ、私に顔を寄せて肩や胸元の匂いを嗅ぎ、「あー。これはまんこ臭い女だわ」と、わざわざ声に出して言う。
かあっ!と赤面し、血の気が戻ってくる。羞恥と恐怖と絶望感が綯い交ぜになって、過呼吸を起こしそうになった。
「オイオイ。見られてるんだから、オナニーやめろよ」
指摘されて初めて、婬感に浮かされていた身体は、くちゅくちゅと無意識に快楽を求めて動き続けていた事に気付く。
「~~っ!!」
股間から離し、手についた飛沫を払う。持ち上げた手首をパシッと掴まれ、男性達に引き起こされた。
なんで?ここは貸し切りでしょ?そんな疑問が今更に浮かんできたが、そんな事を言っても身は守れない。ヘラヘラ笑いながら触ってきた男性を睨みつけて、自衛の凄みを利かせる。
「な……?何!?き、気安くさわるなっ!!」
彼らは顔を見合わせ、肩をすくめて苦笑して、ヤレヤレと余裕な態度を返してくる。
「あのな、気安く触るななんてのはな……こんな所でオナニーしてる変態女が言えるセリフじゃねーんだよ!」
うぐぐ!痛い所を突かれて怯む。だから!貸し切りだって言われたんだってば!!
彼らは躊躇なく私へ腕を伸ばし、湯着のそこかしこを掴んで脱がせようと持ち上げ始めた。
「え!?あ!!コラ!!」
両手で前裾を抑える。お尻の方は背中まで捲りあげられてしまってた。こんなモブナルドよりもモブな奴等、普段なら1秒に3回は殴り殺せるはずなのに!
「うわっ。なんだこの巨尻。だらしねぇ!」
「う、うっさい!!だらしなくないっ!!」
ぱしん!と盛大にスパンキングされて、お肉が太腿からお腹側まで震えた。じぃーん……とした熱がお尻の表面と、お腹の中に広がっていく。
「はぅ!こ、このっ!」
湯着を押さえつつ、片手を振り上げて威嚇する。
「うわっ。こいつ怖え。尻だしたまま怒ってる」
馬鹿にしたような口調で揶揄われ、片手で守るだけになった前裾を2人がかりで引っ張られた。さっきまでガックガクだった脚では抵抗できず、力に振り回されて無様によろける。
「ちょ……!ダメ!」
服を脱がしに来ているのは二人。もう一人は私のお尻を執拗に追い、叩き、揺れる尻肉を3人が笑う。
万歳状態にさせられ、湯着を頭から抜かれ裸にされて、つま先から頭まで、舐めるように視姦された。
「うわぁ。なんかアレだな。如何にもSHWの女って感じ」
「~~~っ!!!」
羞恥して壁際に逃げ、前面を隠してガードする。
お尻だけは彼らに許すことになるけど、背に腹は代えられない。案の定連中は夢中になって私のお尻を弄ぶ。
撫でられ、叩かれ、揉まれ、蹴られ、掴まれ、舐められ、押し広げられ。
「ああーあっ!」
私も感じてしまい、彼らの前で股を濡らし、また床板を汚す。壁に爪を立てて、唇を噛む。
「よろこんでんじゃねーよ!豚」
「ほら。見せろよ。くっさいマンコ」
後ろから手を差し込まれ、クッチュクチュと数本の指でかき混ぜられる。
「ひゃぅ!はぁう!あ!うぅ!くぅうっ!やめ、やめて…!」
私が弱気になると、全員が尚一層大きな声で笑った。
「こ、このへたくそ!ばかっ!!」
ヤラレ放題に一言言ってやりたくなって、肩越しに振り向いて抗議する。
ムカつく顔をするなと髪を引っ張られ、顔を覗き込まれ、無理やりキスされた。
こいつ等……目が怖い。
相手への暴力行為を何とも思ってない。そんな目だった。
私が甲皇国の女でないから容赦がないのか。亜人を虫けら同然に扱う連中もいると聞く。
そうだ、この目は、あの亀男達と同種のソレだと気付いてしまい、身が竦んでしまう。
差し込まれた舌に噛みつくような真似をすれば、もっと酷い事をされるのは明白だった。
私は口腔内を犯してくるその舌を無抵抗で受け、軍人の口が離れると、お尻を彼らに突き出し、股を開いた。
もう酷いことはやめて、と彼らにお尻を振ってお願いする。
背中から、これ以上ないくらいの笑い声が浴びせられ、恥ずかしさに俯いた。
「まあ、見ろって言うなら仕方ないよな!」
どれどれと3人が股下にしゃがみ、下から私を覗き込む。
代わる代わる指が触れてくる。
壁に両手を付き、最後のプライドで崩れることを拒否しながら、ずっとずっと弄ばれる。
雑に扱われているのに、グロいだの臭いだのと罵倒されているのに、濡らし過ぎだと笑われているのに、オナニーのときより、気持ち良くなっていく。
彼らの責めに合わせて、休む間もなくリズミカルにお尻を振り回しながら潮を吹く。息が弾んで、口を開けば喘ぎしか出せない
「ひゃうぅう!はう!あんっ!あっ!あっあっ!あっ!」
「悦んでんじゃねーよ!」
「ほら!チンポくださいって言ってみろよ!」
ガチャガチャと、3人がベルトを外す音がする。
こんな事になるなら、露天から逃げずに、フォーゲンに、ガモに、そしてケーゴに抱かれていたほうがずっとよかった。
本当は迫られて嬉しかったのに、彼らに性的に扱われることを密かに願っていたのに、どうして逃げてしまったんだろう。
耐え難い快楽に身を震わせながら、私は答えた。
「はぁんっ。ぐ、軍人さんのおちんちんを…くださ……」
ガラリ。
その時、露天の扉が開いた。
「ぃ……!?」
フォーゲンと、ケーゴが立っていた。
股間に手桶が張り付いていて、肩から浴衣をマントの様に羽織っている。
鬼の形相だった。
私は乱れたアホ毛もそのままに、固まった。
ズボンを下ろし、イキったペニスを放り出していた軍人A,B、C達は、豪鬼の登場に怯んだが、直ぐに人を馬鹿にした笑いをケーゴ達に向けて、私のお尻を叩く。
「な、なんだよ?聞いただろ?このメス豚が俺らのチンポを欲しいって言ってんだよ。痴女にもフラれたお前ら童貞共はひっこ……」
刹那の逡巡。ケーゴの右ストレートが火を吹いた。
ズボンを下ろして足を揃えていた軍人Aは、避けることも力を逃がすことも出来ずにその拳を顔面に受け、「べべ!」と悲鳴を上げて、受け身も取れずに引っくり返る。
残りの二人も慌ててズボンを履こうとしたが、軍人Bはフォーゲンの峰打ちにより鎖骨を砕かれ、苦悶の叫びを上げて倒れ込み、痛みに転げ回わった。
「お、俺は甲皇国の軍人だぞ!?俺らを傷つけたら、『あの人』が黙ってないぞ!!」
「知るかよ……」
怯えた最後の一人の胸ぐらを掴んだケーゴが魔法剣を振りかぶる。その柄がハンマーのように撃ち落とされ、ヤツの鼻を砕く。あの勢いなら、鼻骨骨折だけでは済まされない。上顎まで及んだダメージにより、当分はご飯を食べることもままならないだろう。
甲皇国軍人Cはブヒィ!と豚のような悲鳴を上げて、顔を抑えて蹲った。その手から大量の鼻血が流れ落ちて床を汚していく。
「お前等覚悟はできてるんだろうな!覚えてろよ!!」
最初にケーゴに殴られた軍人Aが、三下の捨て台詞を残して這って逃げ出す。ゴキブリのようなスピードだ。
歩法「縮地」により、フォーゲンはゴキブリ君を追い越し、その頭を踏んで止める。いつものぼけーっとしたフォーゲンであるはずなのに、迫力があった。
「……何か言うことがあるんじゃないのか?」
「は、はい。す、すいません……!」
軍人Aは床に頭を擦り付けて、必死に謝罪する。ガチリ、とフォーゲンの長刀が音立てたのを聞き、彼は小便で床を汚した。
峰打ちで鎖骨を砕かれた男は、今泡を吹いて失神している。肋骨から肺にまで負傷が及んでいるのかもしれない。
「……何をしたのかは分かっているな?」
「は、はい!兄さん達の女に失礼な事を致しました……!も、申し訳ありません……!た、助けてください……っ!」
「師匠。まさか許したりはしないよな?」
ケーゴが歩み寄り、フォーゲンと並び立って男を見下ろす。殺気を孕んだ冷たい目だ。見たこともないほどに、恐ろしい顔をしている。もしかしたら、いいえ、もしかしなくても私のために怒ってくれているのだ。
「ケーゴ……」
胸がキュンっとなる。
「……ああ、許せんな。俺の里では、女に乱暴を働いた余所者は、切り捨てても良かった」
「ヒィ!?た、たすけ……」
フォーゲンの峰打ちが彼の背中を打ち据えた。
空気を切り裂く破裂音と同時に、ゴギギ!と肩甲骨の砕ける鈍い音がする。
あまりの速さのために、背の服が破れ、既にどす黒く内出血をしている軍人Aの肌が見えた。
およそ人の叫びとは思えない悲鳴を上げ、彼は意識を失った。
二人が私の元に戻ってくる。
湯着を抱き寄せ、肌を隠して駆け寄ろうとして……二人が二人共、すんごぃ怒った顔をしているので足を止めた。
何度目を擦っても、凝らしても、間違いなく怒っている……。
「……はぇっ!?」
別に彼らを裏切ったわけではないのに、変な負い目と引け目を感じた。
特にフォーゲン。彼を突き放しておきながら、見ず知らずの変な三人にはOKしたと思われている……気がする……。
「ねーちゃん……」
「は、はいっ!」
名前を呼ばれて背筋を正す。
私の顔を見たケーゴは、深くため息を付いた。
「……今から俺達はお前を抱く」
フォーゲンが宣言してくる。「なんで!?」とか「どうして!?」とか、そんな疑問を差し挟む余地は、私の中には無かった。
「……はい」
二人に脇を抱えられ、宴会場の座敷へと連行される。
二人の顔色を伺う。
「ねーちゃんさ……」
「は、はいっっ!!」
ジト目で見返してきたケーゴに、あの3人に身体を許す寸前までいっていた私に対する、呆れが見える。怒りも見える。
言いたいことを予想する。「男なら誰でも良いのかよ?」みたいな言葉が聞こえた気がして、首を横に振った。
抵抗したんだと言い訳したい。
頑張ったんだと言い訳したい。
怖かったんだと言い訳したい。
ケーゴがその後の言葉を告げないままだったので、言い訳のチャンスが無いまま座敷に到着した。
畳が敷き詰められていて、お膳が用意されて……なんのつもりか、真ん中には、布団が敷いてあった。
ソコに座らせられた私は、手を上げて発言の許可を求める。
「はい。ねーちゃん」
「ええと……ここ、で?」
無言のYESが帰ってくる。
「ガザミ達が……“最中”に入ってきちゃうのでは……?」
返事がないままに、フォーゲンは肩に羽織っていた浴衣を取り、付き人のように介添するケーゴにそれを渡した。股間の手桶はまだ外していない。
え?何この二人の一体感は?
布団の上に座って向かい合う、男・男・女。
相撲の立ち合いのように、3人の呼吸が合うまで、行為が始まらず、沈黙の時が流れる。
「……いざ参る……」
フォーゲンのスラッとした腕が伸びて、私の髪に触れた。その手は優しく滑って、肩へと落ちる。
私は胸にひっかけていた湯着から手を離し、入れ替わりにフォーゲンが湯着を摘まんで……ちょっとの躊躇いの後、それを取り除いた。
「ぁ……」
二人に正面から裸を見られ、高揚して、羞恥の吐息を漏らし、唇を噛む。
フォーゲンも、ケーゴも、顔を赤くしながらもちゃんと私を見ている。
身体が火照る。
彼らの視線を受け、ツンとなってしまっている乳首を隠そうかと腕を上げかけたが、ぐっと堪えて手を下げた。
二人はまだ私を見ている。隅々まで、その目に焼き付けるように。
時々目が合ってしまう。
恥ずかしさを誤魔化す為の軽口や嘲笑は無い。誉め言葉もない。
彼らはただそっと視線を外してまた身体を見ていた。
そのまま、静かに情熱を燃え上がらせた時間が過ぎる。
奇麗だと褒めて欲しい。
抱きしめて欲しい。
触れて欲しい。
欲望が抑えきれなくなっていく。
シーツをぐっと掴んで身体を固定する。
私はさっき、見知らぬ男達の下手な愛撫にも堕とされそうになって、そんな無様な姿を彼らに見られて呆れられ、怒らせてしまったのだ。凄くショックだった。もう絶対にエッチな気持ちに負けて、淫らな姿を見せるものかと誓いを立てた。
彼らを失望させたくない。
特に、ケーゴはまだ純粋な年頃の子供だから、寂しさや快楽に負けて、男に身を委ねる女を見たら「汚い」と思うに違いない。
ちょっとくらいエッチでも「奇麗で素敵ななおねえさん」で、いたいのだ。
◆ケーゴ
俺は、最初にシャーロットを見た時から、「エロいねーちゃん」だと思っていた。
ダンジョン攻略を終えて、ここに至るまでに見た様々な痴態から、今は「ドスケベなねーちゃん」だと思ってる。
照明の行届いた室内で、満を持してドスケベねーちゃんの裸を見た。
改めて目の前にした彼女の身体は、暴力的なエロスの権化で、否応なしに欲望を掻き立てられ、身体が大人になろうと暴れ出して、今直ぐにでも手桶で隠したペニスを握り、扱いて精を出さないと頭が変になりそうだった。
ハァハァと息が乱れる。「ウッ……」と声が漏れた。ダメだ。我慢できない。
でも、ねーちゃんに大人の男だと思われるために、痛い程拳を握りしめて試練に耐えた。
◆フォーゲン
狼に襲われたあの日から、俺は臆病になった。
道場での木剣稽古で精彩を欠いたことはないが、一度真剣を手にすれば、視界が狭まり身体が固くなって、思うように動けなくなる。そんな時は、脳裏に焼き付いた狼の牙……死の影がちらついて離れなくなる。
歩法縮地を体得したのは、全ての危険から逃げるためだ。
そして今、俺には狼の口が見えていた。
ダメだ。
俺はこの女には勝てない。
手を出せば、一も二もなく、瞬時に果てる未来が見える。
俺と師匠と呼び、剣術のみならず、ソッチの方も凄い大人だと思っている少年が見守る前で、挿入直後に即イッてしまう……!
誰かーっ!!
誰か助けてくれーっ!!
俺の中に強い俺がいるなら、今こそ出てきてくれーっ!!!
緊張の唾を何度も飲み込む。体温の上昇による発汗が酷く、一瞬で喉がカラカラに乾く。
ガモよ。お前ならこの女相手でも臆せず前に出ていけるのだろう。お前がナンバーワンだ……!
童貞の俺が逃げずにここに座り、彼女を裸にするという偉業を成し遂げた。それでもういいではないか?
だめか。
もう見ているだけでは済まされまい。
俺を含め、皆が焦れている。
「口伝其の二……打ち気を隠し、秘めよ……」
苦し紛れの言い訳を口にして、乳房へ双掌を伸ばす。
ムンズと掴んだおっぱいは、柔いがずっしりとした重量感があり、それ自体の重みで手を包んでくる。
弟子に見せつけるように、乳を揉んだ。ただ揉んだ。
そうだ。ホワイト・ハット(推定11歳)が披露した手技を繰り出すのだ……!
俺は、剥き出しの乳房のアンダーに親指と人差し指を添え、乳首を頂点としてぷるぷると揺すった。
そのまま右は時計回り、左は反時計回りに揺り動かし、双房を打ち合せる程ぶるんぶるんと暴れさせる。
トドメとばかりに、両脇から乳房を救い上げそのまま曲線に手を滑らせ、乳首をギュ!と摘まみながら吊り上げ、手を離した。
そして再びアンダーに指を滑り込ませる。
模倣は完璧だった。俺は責めを繰り返した。
◆シャーロット
フォーゲンの気配から、分かった事がある。
もしかしたら彼は……未経験者なのではないか、と。
彼の陰キャなムッツリスケベっぷりにその片鱗が現れていたが、ゲオルク様をも超える卓越した剣技と、悪くない見た目、けっこうな年齢から、まさかまさか「童貞である」とまでは思っていなかった。
緊張の面持ちで生唾を飲み込みながら、よく見たら震えている手をおっぱいに伸ばしてきた。
実にぎこちないその動きをサポートすべく、私はそっと身体を前に倒し、乳房を寄せてその手を迎え入れにいく。
手汗でびっしょりな掌でひたりと触れられて、うわっ!と思った。そのままぎゅぅぎゅぅと揉んでくる。フォーゲンに恥をかかせるわけにはいかない。うんっと喘いであげなくちゃ、と、少し上から目線の気持ちになる。
「あんっ……フォーゲン、きもちい……」
しっとりと濡れ、身体をしならせる。上手くはなかったけど、気持ちはあるし、ケーゴに見られている事で、気持ちにブレーキがかかるのだけれど、それと裏腹に肌が敏感になっているのもあって、嘘でなく気持ちよかった。
これなら、淑女のエッチができる。ケーゴに見られていても大丈夫と安堵して、自分を保てる程よい快感に身を委ねる。
「性欲がバーサーカー」だなんて、二度と言わせません。
「んっ……はぁ、もっと……ぉ!?」
突如、拙かったフォーゲンの手付きが変化して百戦錬磨の責め手に変わった。え?!ぜ、全然童貞じゃないじゃない!?
「はぁ!あ!あひ!?ひゃうぅんっ!!!え、えっち!!フォーゲンのえっちぃい!!」
大声で喘ぎ、おっぱいを虐められてるのに腰を浮かせてお尻を振り回し、立膝になって愛液を飛び散らせまくった。
「奇麗で素敵なおねえさん」が遠のいていった。
◆ケーゴ
過剰とも思えた焦らしの後、ようやく師匠がシャーロットのおっぱいに触れた。
「打ち気を隠し、秘めろ」は「焦らせ」って事なのだろう。きっとそうだ。
おっかなびっくりに見えたファーストタッチは、俺とあまり大差無く、大人がスゴイのはチンチンだけなのかと安心したが、急に動きを改めた師匠の性技が炸裂して、その緩急の前にシャーロットが崩れるように大いに乱れた。
おっぱいだけであんなになるのか!?と言うほどに女性器からだらしなくお漏らしをして、見えないペニスに犯されているように一心不乱に腰を振っている。
さっきまでは「ドスケベなねーちゃん」だと思っていたが。
今は「淫獣」だと思っている。
見てはいけないものを見ている気がした。
◆フォーゲン
我が流派は、見切りを得意とする。
敵の斬撃を寸で躱し、最小の動きでもって切り捨てる。その為には、敵を観察し、その動きを正確に理解して、呼吸と気を読む必要がある。そこに予測を加え、こちらから牽制・誘導を仕掛ける事で、想像と寸分違わぬ実像を得る事が出来る。
それらを総じて「見切り」と呼ぶ。
つまり、観察し模倣する能力は、見切りの基礎だ。
完全なる模倣技だが、今の俺の双手は、その指の長さ掌の大きさ故に、本家のおっぱい帝王ホワイト・ハットを凌いでいる。
俺自身がビビる程に、シャーロットは飛び跳ねて悦んだ。
狼藉者3人に玩ばれて喘ぐ姿を目にしていたが、それよりも数倍の乱れ方をしている。
俺の圧勝だ。
もうずっとこの技で攻めて終わりにして、それでもういいのではないか?
だめか。
何よりも俺自身がもう辛抱できない。今ペニスに触れられたら、爆発してしまう。手桶に擦れてるだけで達しそうだ。
「くっ!」
手桶を投げ捨て、ブルブルと細動しながら先走りを垂らす男根を公に晒す。痛みを軽減するために学んだ「無感の呼吸法」を実践して、快感を軽減する。
ヒッヒッフーヒッヒッフー。フー。フーー。
ダメだ。このままでは出てしまう。
「口伝其の三…闘いに「次」はない。いま……ここ……今ここですべてを相手に伝える……それ即ち一の太刀(ひとつのたち)──」
俺は手を伸ばし、シャーロットの腰のくびれを掴んでガクンと引き寄せた。勢いあまって女の身体が腰から折れて弓状にしなり、ブリッジをする体勢となって、目前にその下腹が迫った。急ぎ指で探り、陰唇を押し広げて、挿入口を見出して指を突き入れ、そこで間違いない事を確認してから亀頭を押し当てる。そだけで電撃のような快楽が走り、射精の起りが始まった。
「フッ……ケーゴ少年、一撃を見届けたのなら、即座に部屋を去るのだ。ウッ……決して振り向くな……ハァハァ……この先、快楽に溺れるご婦人を辱めてはならぬのでな……」
少年が掠れた声で応!と返事をする。それを合図として、俺はシャーロットの太腿と大陰唇の付け根の窪み、「気衝のツボ」へ親指を第一関節まで打ち込んで猛撃に刺激した。この骨子術の技により、彼女を失禁せしめるほどに極限まで弛緩させる。悲鳴を上げた彼女の、その緩くなった膣へ一気に突き入れ、仍って最奥を貫いた。
改心の一撃。
シャーロットは、大股を広げて俺の男根を根元まで咥えこみ、まっすぐ延ばした足を痙攣させて。嬌の声を発した。
大ぶりな尻を振り回し善がろうとしている所を、腕力で抑え込む。
ケーゴ少年は、「ありがとうございましたァ!」と叫んで駆け出し、座敷を後にして扉を閉める。
骨子術の効果が切れ、膣壁が一気に吸い付いてきて、俺の男根は一瞬にしてしゃぶり溶かされた。
◆ケーゴ
二人して裸のねーちゃんを前にした時、彼女を辱めているような罪の意識を自覚していた。
フォーゲンの絶技により、乱れた姿を曝した彼女を見て、これ以上はいけないと思っていた。
他の男が抱いている所を見る、それしか大人のSEXを学ぶ術はないし、これは今夜ねーちゃんをガッカリさせない為であるのだから仕方がないと苦渋の決断をしたが、そこには疚しい気持ちもあったのだ。
俺の心の内を見通したのが、フォーゲンだ。
『この先、酷く乱れるであろう彼女の姿を見てやるな……』
そんな言葉で、俺に奥義確認した後、直ぐに席を外せと命じてくれた。
まさに大人の男だ。師匠だ。俺もフォーゲンみたいな男になろう!
そして、奥義である「ガモの攻城兵器のような突き入れを凌ぐ、稲妻のような挿入術」を伝授され、俺は「ありがとうございましたァ───!!!」と叫んで、部屋を転がり出た。
そして、全力疾走してその場を十分に離れた所で、イキったペニスを扱いて射精した。
「はぁ……はぁ……」
凄かった。
今頃、数多の奥義が使用され、シャーロットはガザミ以上の痴態醜態を曝け出しているのだろう。
それを見ていいのは、そんな姿を引き出した「男」だけだ。それが自然だ。
俺は、今夜までに「奥義・一つの太刀」を我が物とする事だけを考えればいいんだ……!
でも、ケーゴには「素振りをする」くらいしか修練の手法が浮かばなかった。
◆シャーロット
乳房への愛撫でメロメロになった私は、光の中に浮かぶような恍惚感と、嵐の中の小舟に悲鳴を上げてしがみ付いてるような恐怖感、相反する二つを同時に味わって泣き喚いていたので、フォーゲンが挿入するために股を弄っている時も、そのペニスがあてがわれた時も、自分で何を口走っていたかまるで覚えていなかったが、半ば本能的にケーゴの顔を確認していた。霞む視界の中、彼はその顔を苦しそうに歪めていて、そんな様子だったからか、フォーゲンがこれから私が酷く乱れるだろうから、これ以上は見るな、と彼に告げるのを聞いた。
陰部付近の股の付け根を痛い程圧迫されて痺れ、苦痛に悲鳴を上げて、また痺れ、全身の筋肉が弛緩して、二人の男子の前で潮ではなくおしっこを漏らした。その一瞬の間に、フォーゲンのペニスが私の中に入って、脳まで響く音を立たせて最奥を突き上げた。
「あぁあぁああぁあーーーっっ!!!!」
「ありがとうございましたァ───!!!」
言いつけ通りにケーゴが飛び出していく。
身体が快楽を求めて締まり、逃がさないようにガッチリとおちんちんを抑え込んだ。
これから、ケーゴに見せられない程にめっちゃくちゃに泣かされてしまう。
どれ程恐ろしい快楽で責められてしまうのか。期待と不安に震える。
「果てる……」
フォーゲンはプルプルと震え、仰け反って叫び、宣言通りに熱い体液をポンプ運動で吹き付け始めた。
「……え?!」
ビュク!ビュク!と射精を繰り返すフォーゲン。
中に出される感覚と、その量の多さに喘いでしまうけど、始まる前に余韻となってしまった性行為に、正常位をとって彼の前で身を横たえたまま、目を瞬いてしまう。
苦しそうなフォーゲンは、顔面を紅潮させ、武術の達人であるのにハァハァと荒い呼吸を繰り返し、ブルブルと震えながら、まだまだ射精を続けている。
下手に刺激が無いだけに、「フォーゲンに犯されてる感」が物凄くて、赤面して熱っぽくなってる頬を抑えた。
彼はやっぱり……「童貞」だったのだ。
「超早漏」なだけかもしれない……?
兎に角、天才剣士さんは、ベッドの中ではモブナルドもビックリの凡人であったのです。
彼を気持ちよくさせるために喘ぎながら、ちょっとだけ腰を使って中出しが収まるのを待つ。
欲求不満ではあるけれど、ガザミみたいに押し倒し騎乗してもっとヤレ!と責めることはできない。
フォーゲンのちんちんは脈動と放精を繰り返しながらどんどんと小さくなっていった。
四半刻ほど経ったか、彼はソレ引き抜くと、手桶を引き寄せて股間を隠す。
「フッ……」
「……」
二人とも真っ赤に赤面して、呼吸が整うまで見つめ合う。
私は笑顔を向けるけど、フォーゲンは謎のポーカーフェイスでかっこつけてる。いやいや、それはもう無意味だから。
もし私がフォーゲンの初めての相手であったなら、ちゃんとしてあげないといけないと考え、「隠さなくていいから」とその手桶を取り上げて、まだビクビクしているペニスを手に取る。外側を奇麗に舐め拭きつつ彼の顔を見上げて、ポーカーフェイスを保とうとしているつもりの妙な半笑顔を確認した。改めてペニスを咥え、ちゅる……と中に残ってる精を吸い出す。「オゥ!」と声を上げたフォーゲンが口腔内に最後の射精をする。飲み込んだそれは濃いんだけど薄い。扱いてあげればまだまだ大きくなりそうだけど、場所が場所なのでそこでお終いにした。
どんな形であれ、そこは性交渉をもった男女ですから、行為の後に交わす言葉もありましょう。
少なくとも、私はフォーゲンとおしゃべりしたかった。
「どうしてケーゴを連れていたの?」とか「口伝ってなんの事?」って疑問から、「気持ちよかった?」そして「私の事好き?」からの「もいっかいする?」等々。
でも、私からは切り出さず、側に落ちていた彼の浴衣を手繰って肌を隠しながら、ピロートークを待つ。
「……すまなかった……」
「……0点」
人を抱いておいて、開口一番「ごめんなさい」とは何事か。そんな意味で0点だったのだが、男の自信を喪失したらしい彼は、ガクガクと震え出した。これは甘いトークは勿論、ちゃんとした後戯にはなり得ないと判断して、会話の主導権を持つことにした。
「フォーゲン……どうして、私を抱いたの?」
「ケーゴ少年が……」
抱いた理由を聞いたのに、第三者の名前が最初に出てくるのって何なのか。立て続けての0点解答に、叩ってやろうとか思ったが、なんとなく察した部分があったので、黙って耳を傾け続けた。
「……お前と最下層でした約束を果たそうとしていたのだが……」
「……」
やっぱり、本当に虐めてくれる気だったんだ!と手を合わせて悦んじゃう。
お風呂場で触ってきたのも、もしかしたらその一環だったのではないか?
「……ガモとガザミの性交渉を見て……決意が揺らいだのだそうだ……」
「……?」
ん?となる。
「……男としての自信をつけたいと……」
彼の会話のリズムが悪いのは、最初に酒場で声をかけた時と何も変わっていない。
「……俺に、大人の技を伝授してほしいと……言ってきたのでな……」
話をまとめると、ガモのアレが凄かったので、ケーゴは自分のちんちんに自信を無くした……との事だろう。それを補うために、一見して夜の技も凄そうなフォーゲンに手本を頼んだ、という訳か。
宿の性サービスを利用して練習されるよりは、良かったかもしれない。
「それで、したくもないのに、してみせたと」
仕方ないので答えを用意する。やや誘導的だけど「それだけじゃなく俺もしたかったのだ」とかなんとか言ってくれたら、許しましょう。物凄く痛かった変な指圧で、ケーゴの前でおしっこまでさせられた怒りも、忘れてあげましょう。
「フッ……」
答えを濁す彼をシットリと見つめる。暫く無言で通した後、フォーゲンが近くの膳からお茶を手に取り、喉を潤そうとしたので、湯のみを取り上げた。達人さんは「ああ!」と切ない声を出す。
「ガモがな……」
また他人の名前がー!?お前このお茶ぶっかけてやろうかー!?
「……ガザミとしていたのを見てな……」
ああそう。あれに中(あ)てられただけだと。
「……男として負けてはおれぬと……」
「もういいですっ!」
私はお膳を振り上げて、彼の頭に一撃を食らわせると、変な指圧でズキズキと痛む、フォーゲンの精で溢れた股間を押さえながらのカッコ悪い歩き方で宴の間を後にした。
天才剣士フォーゲン。ここに眠る。